eラーニングを研修に導入して社員教育を成功に導くポイント|選び方や費用をご紹介
最近では、「eラーニング」という言葉をよく聞くようになりました。教育機関におけるオンライン学習ツールとしても利用されていますが、特に活用シーンとして多いのは「企業の研修」です。実際にeラーニングを用いた研修とはどのような研修方法なのでしょうか。
この記事では、研修にeラーニングを導入することによって得られるメリットや、eラーニングで研修がどのように変わるのかについて詳しく解説します。自社の研修にeラーニングの導入を考えている企業の方々はぜひ参考にしてみてください。
▼階層別のeラーニングが豊富・社員研修に活用できる
目次[非表示]
- 1.eラーニングとは
- 2.eラーニングを実施する際に必要なもの
- 2.1.eラーニング教材とは
- 2.2.eラーニングシステム(学習管理システム/LMS)とは
- 3.eラーニングが注目されている理由
- 4.eラーニングを社員研修に導入するメリット
- 4.1.企業側のメリット
- 4.2.受講者・社員側のメリット
- 5.eラーニングを社員研修に導入するデメリット
- 5.1.企業側のデメリット
- 5.2.受講者・社員側のデメリット
- 6.研修にかかるコストの削減
- 7.eラーニングと集合研修の費用の比較
- 8.eラーニングで研修はどう変わる?
- 8.1.マイクロラーニングができる
- 8.2.ブレンディッドラーニングで研修効果アップ
- 8.3.長期的な人材育成やリスキリングが実施しやすい
- 8.4.eラーニング研修の成果を人事評価に活かせる
- 9.社員研修向けeラーニング・LMSの選び方
- 9.1.既存コンテンツの充実度で選ぶ
- 9.2.自社教材の活用がしやすいかで選ぶ
- 9.3.受講管理機能の充実度で選ぶ
- 9.4.コストに無駄がないかで選ぶ
- 9.5.操作のしやすさで選ぶ
- 10.eラーニングによる研修で社員教育を成功させるポイント
- 10.1.eラーニングによる研修を導入する目的を明確にする
- 10.2.他の研修方法と併用したブレンディッドラーニングを導入する
- 10.3.eラーニングを浸透させる施策を行う
- 10.4.eラーニング教材作成の支援を受けるのも一つの手
- 11.eラーニングを活用した研修のカリキュラム例
- 12.eラーニングを活用した研修ならLMSの「etudes」
- 12.1.ニーズの多い研修テーマのeラーニングセットプランを用意
- 12.2.必要な分だけ自由に選べる教材
- 12.3.自社での研修教材作成もサポート
- 12.4.eラーニング受け放題プラン「etudesPlus」も
- 13.etudesの導入事例
- 14.まとめ
eラーニングとは
eラーニングとはパソコンやタブレット、スマートフォンなどを使ってインターネット上で学ぶ学習形態のことを指します。eラーニングの「e」は、electronicの略で、電子で行う学習のことです。
コンピューターを利用した学習は、古くは1950年代から着目されはじめ、1990年代にパーソナルコンピューターが一般化したことにより普及しました。2000年代には、日本政府が「e-Japan構想」を打ち出し、「eラーニング」という言葉が広まっていきます。教材の配布方法も、CD-ROMからWebを利用したものへと変化していきました。
そして2010年代にPCのみならずスマートフォンやタブレットを利用したeラーニングも一般化し、現在に至ります。
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eラーニングを実施する際に必要なもの
eラーニングを実施するためには、「eラーニング教材」とeラーニングシステム「LMS」が必要不可欠です。
また、効果的なeラーニングの研修を実現するためには、eラーニング教材の質や内容、的確にLMSを運用できることが求められます。
ここでは、eラーニング教材とLMSについて具体的に解説します。
eラーニング教材とは
eラーニング教材は、eラーニングの受講者に対して提供する学習資料や学習教材のことをいいます。
一言でeラーニング教材といっても種類や形式はさまざまであり、テキスト教材をはじめ、講義を収録した動画教材やリアルタイムで講義を配信する場合などがあります。
その中でも近年主流となっているのが、情報量が多く、効率的な学習効果が期待できる動画教材です。
eラーニング教材は、サーバー上で保存しておくことで管理者が簡単に教材を更新したり管理したりできるだけでなく、受講者は各自のデバイスから個人のペースで学習できるため、利便性が高いといった特徴があります。
eラーニングシステム(学習管理システム/LMS)とは
eラーニングシステム「LMS」とはLearning Management Systemの略称であり、eラーニングによるオンライン学習に必要な機能や、ブレンディッドラーニングなどに活用できる研修管理などの機能が搭載されたツールのことです。さまざまな提供ベンダーがあるため標準装備されている機能はツールごとに異なります。
eラーニングシステムには受講すべきeラーニング教材を分かりやすく表示したりカリキュラムの進み具合や学習履歴をサマリーやグラフで可視化したりといった機能が備わっているため、管理者が学習進捗を効率的に管理できるだけでなく、個々の学習進捗に合わせてリマインドや推奨コースを設定するなどもでき、受講者の学習に対するモチベーションを保ちやすくなります。
研修を管理する側にとってもLMSの学習管理機能は利便性が高く、研修の日程調整や出欠管理ができたり、理解度を確認するテストもLMS上で設定するだけで簡単に行えたりといったメリットがあります。汎用性が高いeラーニングシステムを導入すれば社員育成や研修運営にかかるさまざまな工数を大幅に削減することができます。
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eラーニングが注目されている理由
eラーニングが注目されて多くの企業で導入されるようになった理由として、主に「働き方の多様化」や「DX化の取り組み」などが挙げられます。
時代の変化により、近年では働く場所を限定しない勤務スタイルが一般化しつつあります。
誰もがオフィスに通っているわけではない状況が当たり前となった現代において、社員研修を均等に受けさせるためにeラーニングは有効な手段となりました。
また、社内で行われているアナログな業務を見直してデジタル化する「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」もeラーニング導入の推進を後押ししています。
しかし、オンライン研修そのものに対して「本当に学習効果があるのか」「離れている社員の研修の進捗はどうやって管理するのか」といった疑問を抱く方は少なくありません。
これらの課題を解決してeラーニングによる研修を効果的に実施するためには、eラーニング教材の質や的確なLMSの運用などが重要といえます。
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eラーニングを社員研修に導入するメリット
eラーニングを社員研修に導入することで、どのようなメリットがあるのだろうかと気になる方は多いのではないでしょうか。
ここでは、企業側と受講者・社員側の双方の具体的なメリットを紹介します。
企業側のメリット
企業側の主なメリットとして、研修会場などの準備をする必要がなくなることが挙げられます。従来の集合研修の場合では研修会場を用意し、講師を手配して社員研修を行わなければならなかったため、コストや手間がかかっていました。また、資料の印刷や配布をしなければならず、紙代やインク代といった面でのコストも考慮しなければなりません。
しかし、eラーニングの場合はインターネット環境が整っていればオンラインで受講することができ、資料や教材もWeb上で確認できます。
これまで集合型研修の運営で必要だった管理工数がeラーニングを導入することで大幅に削減できます。さらに、eラーニング学習と集合型研修を組み合わせたブレンディッドラーニングの実施もシステムを活用すれば簡単に行えるため、限られた社員研修の時間を有効活用し、成果を最大化することができます。
例えば事前に必要な知識を各自がeラーニングで学習した上で、集合研修で得た知識をアウトプットしたり、ディスカッションする場を設けるというのが一例です。
eラーニングを活用することでより受講者の自発的な学習を促進でき、多様化が進む現代に必要なスキルを持った人材育成がしやすくなるでしょう。
受講者・社員側のメリット
受講者・社員側の主なメリットとして、特定の場所に集まることなく自分のペースで学習できることが挙げられます。集合研修の場合、実務の時間をやりくりして研修に参加しなければならず、対面式で実施される場合は研修会場に移動する必要もあります。
研修中は業務を進めることができないため、予定の調整が難しい社員は参加できない、参加しても研修に集中できないなどさまざまな課題がありました。
eラーニングの場合は受講者が集まる必要がなく、仕事の合間や空いている時間を活用して学習することが可能です。録画などを活用すれば反復学習もしやすく、個々の理解度が異なる場合でも各自のスキルレベルに応じた学習が進めやすくなります。
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eラーニングを社員研修に導入するデメリット
一方、eラーニングを社員研修に導入するデメリットも存在します。企業側と受講者・社員側、それぞれのデメリットを理解していなければ効果的かつ理想的なeラーニングによる研修を実現できない可能性があります。
ここでは、具体的なデメリットについて解説するので、eラーニングの導入を検討している際はぜひ参考にしてください。
企業側のデメリット
企業側の主なデメリットとして、集合研修と比べると参加に対する強制力が弱いことが挙げられます。上述した通り、eラーニングによる研修であれば研修会場などの準備が不要になり、受講者は時間や場所に縛られることなく学習を進めることが可能です。
しかし、やる・やらないは受講者の学習意欲にゆだねられるので参加に対する強制力が弱くなり、受講者によっては実務を優先し、eラーニング受講を後回しにしてしまう可能性があります。
また、動画を取り入れた学習や研修の場合は、長時間動画を視聴する必要があり、受講者の集中力が切れてモチベーションが維持しにくいといったデメリットもあります。
上記のようなデメリットを解決するためには、学習管理機能を活用して学習状況を確認しながら受講を促進することや、社員にヒアリングしてフィードバックやアドバイスをするといった工夫が必要です。
受講者・社員側のデメリット
受講者・社員側の主なデメリットとして、実技を伴う研修が実施しづらいことが挙げられます。eラーニングによる研修は集合研修などとは違い、講師と受講者がリアルタイムで対面して行うわけではありません。そのため、内容によっては実技や演習には向かない場合もあります。
実技や演習が必要な内容を学習する必要がある場合には、事前学習をeラーニングで行い、得た知識を集合研修でアウトプットするといった「ブレンディッドラーニング」の手法を採用することで効率良く学習できます。
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研修にかかるコストの削減
従来の集合研修の場合は、研修会場の場所代や社員の交通費が発生し、研修のたびに莫大なコストがかかっていました。全社員が集まる大規模な研修では、社員ごとの交通費や宿泊費もかかり、研修の実施に多くの経費が必要になるケースも珍しくありません。
一方eラーニング研修なら、研修場所の確保や受講者の移動が不要となるため、これらのコストを大幅に削減できます。集合研修とeラーニング研修のコスト差については、この後さらに詳しく比較して解説いたします。
eラーニングで研修の管理を効率化
近年では社内教育やリスキリングへの取り組みの一環として、選択型研修を導入したり、個々の課題に合わせて異なる教材・カリキュラムを用いて人材育成を行うケースが増えてきています。
社員ごとに異なるスキルに合わせて効果的な研修ができるというメリットはあるものの、対面式で実施する場合は研修の管理に手間がかかり、学習状況を正確に把握することが難しいという課題がありました。
しかしeラーニングを活用した研修なら、LMSの学習管理機能を用いることで受講者の数や教材の種類が増えても効率的に研修を管理できます。
eラーニング研修に積極的に取り組んでいる社員を評価したり、研修の進度が芳しくない社員にフォローの連絡をしたりといった学習のサポートがしやすいという点も、eラーニングならではのメリットです。
eラーニング研修なら学びやすく身につきやすい
時間や場所の制約がある集合研修と異なり、いつでもどこでも学べるeラーニング研修は社員に自発的な学習の習慣を付けさせることができます。eラーニングなら、一度配信された教材は何度でも受講が可能です。さらに、理解しづらい箇所やより深い知識を身につけたい場合は、何度もコンテンツを見直し反復学習をすることができます。
集合研修とは違い、教材の動画を一時停止したり巻き戻しができるため、わからない部分をそのままにして進んでしまうということはありません。研修にeラーニングを導入することで、スキルレベルの違う社員が、個々に必要なスキルを身につけられる研修や人材育成の施策を実施することができます。
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eラーニングと集合研修の費用の比較
さまざまなメリットをご紹介してきましたが、eラーニング研修の大きなメリットはコスト面であるといえます。しかし、eラーニングで研修を行うことで、どれだけコストが削減できるのか、具体的なイメージはつきにくいのではないでしょうか。
ここでは、eラーニングと集合研修の料金シミュレーションの比較を400人規模の研修を実施した場合の一例としてご紹介します。
eラーニング |
集合研修 |
|
受講人数 |
400人 |
400人 |
スケジュール |
なし |
1泊2日 |
宿泊費用 |
なし |
6,000円×400人=2,400,000円 |
食事費用 |
なし |
4,000円×400人=1,600,000円 |
交通費 |
なし |
2,000円×400人=800,000円 |
会場費 |
なし |
300,000円×10回=3,000,000円 |
教材費 |
1ヶ月1500円×400人=60万円 |
3,000円×400人=1,200,000円 |
合計 |
60万円 |
900万円 |
また、集合研修はコストがかさむため、必要な回数の研修実施ができないという悩みをお持ちの企業も多いでしょう。そうした場合にもeラーニングの導入はおすすめです。
eラーニングの一般的な料金体系や相場について詳しく知りたい方は『eラーニングの開発費用、利用料金とは?料金システムと相場を解説』をご覧ください。クラウド型とオンプレミス型などの運用形態別の料金相場も紹介しています。
eラーニングと集合研修は併用がおすすめ
社内研修を実施する際は、eラーニングや集合研修の片方だけを利用するのではなく、両方を併用することをおすすめします。eラーニングには受講者の都合に合わせて学習しやすいといったメリットがある反面、強制力が弱くモチベーションが維持しづらいという側面があります。
一方、集合研修には実技を伴う研修を実施しやすいですが、コストや手間がかかってしまうといったデメリットが存在します。
どちらにも長所や短所が存在するため、どちらか一つに統一するのではなく上手に併用することで効率的な学習を促すことができるでしょう。
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eラーニングで研修はどう変わる?
ここまでは、eラーニングによる研修のメリット・デメリット、従来の研修とのコスト差について詳しく解説しました。
eラーニングによる研修はコストが抑えられるということはわかったものの、eラーニングならではの学習の効果についてはまだ具体的なイメージが湧かないかもしれません。
ここからは、eラーニングによって研修がどのように変わるのか、どのような学習が可能になるのかについてご紹介いたします。
- マイクロラーニングができる
- ブレンディッドラーニングで研修効果アップ
- 長期的な研修やリスキリングが実施できる
- eラーニング研修の成果を人事評価に活かせる
一つずつ、詳しくみていきましょう。
マイクロラーニングができる
マイクロラーニングとは、短い視聴時間の動画教材で日々勉強する習慣をつける、新しい学習方法のことです。
動画教材はスマホやタブレットで見られることから、通勤中などの隙間時間を有効活用して学ぶことができます。パソコン以外でもeラーニング教材を視聴できる「マルチデバイス」に対応しているLMSを選べば、eラーニング研修でマイクロラーニングを実施することが可能です。
マイクロラーニングに利用されるのは5分以内の学習コンテンツとなっており、受講者の集中力が持続しやすく、スキルの定着に効果があるとされています。
マイクロラーニングについて詳しく知りたい方は「マイクロラーニングとは?メリットやコンテンツ作りのコツを解説」もご覧ください。
マイクロラーニングの効果についてご紹介しています。
ブレンディッドラーニングで研修効果アップ
先ほど、デメリットの項目で少し触れた「ブレンディッドラーニング」による効果的な学習も、eラーニング研修の導入で実現できます。
ブレンディッドラーニングとは、集合研修とeラーニング研修を組み合わせた研修方法です。例えば、ビジネスに必要な思考法についてのeラーニング学習を個人で実施し、基礎的な知識がついた状態で集合研修に参加してグループディスカッションや演習問題を行い実践力をつけるといった方法が挙げられます。
ブレンディッドラーニングなら、集合研修とeラーニング研修それぞれの弱点を補うことができます。
ブレンディッドラーニングについて詳しく知りたい方は「ブレンディッドラーニングとは?人材育成を効率化する方法について」もご覧ください。
研修の進め方や実施のポイントについて解説しています。
長期的な人材育成やリスキリングが実施しやすい
LMSには、自社オリジナルのeラーニング教材や購入したeラーニング教材を搭載することができるため、豊富なeラーニング教材の中から受講者がテーマに応じて自由に教材を選ぶことができます。また、受講者が選択できるだけでなく、管理者側から必要な教材を学習者に向けて配信をすることもできます。
eラーニングシステムのこうした機能を活用すると、個人の課題に応じた学習(アダプティブラーニング)が進めやすくなり、長期的な人材育成に取り組みやすくなります。
近年注目が集まる学び直し施策「リスキリング」を成功させた企業の多くも、eラーニングとオンライン学習プラットフォームを活用していました。
eラーニングによるリスキリングについて詳しく知りたい方は「6社のリスキリング事例を紹介!DX時代の人材育成のポイントとは」もご覧ください。
リスキリングを社内施策として成功させた企業の事例を複数紹介しています。
eラーニング研修の成果を人事評価に活かせる
従来の集合研修では、研修後のレポートやテストによって理解度は確認できても、研修に対しての取り組みや結果を数値管理したり、一人ひとりの数値データを集計する手間も膨大なため、細かく把握することは困難でした。
LMSを用いたeラーニング研修なら、社員一人ひとりの研修の成果を数値データとして正確にシステム上で把握することができます。そのため、eラーニングへの取り組みを人事評価の項目に組み込んだり、eラーニングの成績を元に、よりスキルを活かせる部署への異動を検討したりすることも可能です。
きちんと学習の成果が評価される研修を行うことで、社員の学ぶ意欲の向上も期待できるでしょう。
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社員研修向けeラーニング・LMSの選び方
ここからは、研修に活用するeラーニングを選ぶ際に、重要となるポイントをご紹介していきます。
- 既存コンテンツの充実度で選ぶ
- 自社教材の活用がしやすいかで選ぶ
- 受講管理機能の充実度で選ぶ
- コストに無駄がないかで選ぶ
- 操作のしやすさで選ぶ
一つずつ、解説していきます。
既存コンテンツの充実度で選ぶ
eラーニング教材は一から作成することもできますが、実用までに時間がかかってしまいます。導入後、すぐに研修を始めたい!という場合は、LMSのベンダーがパッケージで販売しているeラーニング教材を利用しましょう。 このような既存の教材は、自社のニーズとマッチしたものを選ぶことが大切です。そのため、教材がどれぐらい充実しているかに注目してLMSを比較するといいでしょう。
自社教材の活用がしやすいかで選ぶ
eラーニング教材を作成する場合、ベースにはこれまで自社で使ってきた教材を利用することとなるでしょう。 このような自社教材を無駄にせず、有効活用しながらeラーニングとして配信できるかどうかという点でシステムを選ぶこともできます。
パワーポイントによる教材データをeラーニングに組み込めたり、動画データをそのままオンラインで配信できるといった機能があるeラーニングシステムもあります。
ただし、活用できるかどうかは利用するサービスによって異なります。 どうしても使いたい自社教材データがある場合は事前に相談をしておきましょう。
受講管理機能の充実度で選ぶ
eラーニングによる研修の導入と運用を成功させるには、効果測定がしやすく学習の管理を効率化できる機能がどれだけ搭載されているかという点にも注目しましょう。 あると便利な機能として、
- オンライン研修だけではなく集合研修の申し込み管理や出欠管理もできる
- 大規模なアカウント数に対応できる
- 進捗状況に合わせたメールを自動配信できる
などが挙げられます。
また、管理者側の使い勝手だけで利用するeラーニングシステムを決めてしまうことがないよう、受講者側にとっても使いやすいかどうかを忘れずに確認しましょう。
コストに無駄がないかで選ぶ
eラーニング研修はコスト削減につながるとお話ししましたが、サービスの利用料や開発費といった導入費用・運用にかかる費用は発生します。
自社が求めるeラーニングに対してオーバースペックな機能を搭載してしまい、無駄なコストが発生しないように見極めて選ぶようにしましょう。
コストを削減するためにeラーニングを選んだのにも関わらず、使用しない機能やプランによって余計なコストが発生してしまっては元も子もありません。
サービスの利用を検討する際は、無駄なコストを省くため、費用相場の調査や運用コストの予測を算出しておくことをおすすめします。
操作のしやすさで選ぶ
研修のためのeラーニングを選ぶ際には、操作のしやすさにも注目しましょう。
受講者にとって、「表示がわかりづらい」「直感的に操作ができない」といったわずかなストレスは学習の妨げとなってしまいます。 全社員向けの研修にeラーニングを導入するのなら、PC操作が苦手な方でも感覚的に理解ができる操作性のeラーニングが望ましいでしょう。
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eラーニングによる研修で社員教育を成功させるポイント
eラーニングを活用して社内教育を成功させるポイントとして、主に4つ挙げられます。
- eラーニングによる研修を導入する目的を明確にする
- 他の研修方法と併用する
- 浸透させる施策を行う
- eラーニング教材作成の支援を受けるのも一つの手
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
eラーニングによる研修を導入する目的を明確にする
eラーニングを研修に導入する際、まずは導入目的を明確にすることが大切です。
自社で現在抱えている課題などを明確にし、具体的に把握できるようにしましょう。そのうえで課題を解決するための研修内容やテーマを明らかにし、、社員研修の目的を明確に設定することがおすすめです。研修にeラーニングを導入することで、自社にどのような効果が期待できるのかを検討します。
eラーニングの場合は搭載されている教材も豊富ですが、自社での導入目的を検討しないままシステムを導入すると、eラーニング受講が形骸化し、結果として誰も受講しないといった事態にもなりかねません。研修としてしっかりと取り組むためには、まず導入目的を明確にしたうえで社内での活用方法や運用方法を検討することがおすすめです。
他の研修方法と併用したブレンディッドラーニングを導入する
eラーニングによる学習だけではなく、集合研修といった他の形式の研修とeラーニングを併用するブレンディッドラーニングを実施することもポイントです。
eラーニング受講だけで研修を完結させてしまうと、実技や演習が必要な内容が学びにくいだけではなく、個々が得た知識やスキルをアウトプットする場が少なくなります。その場合、eラーニングで学んだ知識を実務に活かしにくくなるため、学習継続に対する受講者のモチベーションの維持が困難になります。そのため、eラーニングのデメリットを解消できるように、ブレンディッドラーニングとして他の研修も組み合わせながら、効率的にアプローチしていくことが重要です。
eラーニングを浸透させる施策を行う
社内研修を成功させるポイントとして、eラーニングを活用した研修を社内に浸透させる施策を行うことが挙げられます。
企業側がいくらeラーニングを取り入れたいと思って導入したとしても、社内に浸透していなければ意味がありません。また、受講者に対して単純に自由に学習できると伝えるだけでは浸透しにくい傾向にあります。
eラーニングを導入する場合は、継続的に学習しやすい環境整備や、eラーニングへの取り組みを人事評価に組み込むといった組織的な取り組みも成功のポイントになります。
eラーニングで学んだことを積極的にアウトプットするために集合研修と組み合わせたブレンディッドラーニングを実施したり、得た知識やスキルを共有する場を積極的に設けることもおすすめです。各自がeラーニングにどの様に取り組み、実務に活かしているのか受講者同士でコミュニケーションを図れる機会を用意することもおすすめです。
eラーニング教材作成の支援を受けるのも一つの手
企業によっては既存のeラーニング教材のみでは社員育成に必要な教材をまかなえない場合もあるでしょう。eラーニング教材を内製するのが難しく、作成するためのリソースを割けない場合も少なくありません。
そのような課題を抱えている場合は、eラーニング教材の作成を支援している企業などへ依頼することがおすすめです。
研修などを扱っているプロの企業に依頼すれば自社に合ったeラーニング教材を作成する支援がうけられます。既存のeラーニング教材と組み合わせて自社独自のeラーニング教材を制作、導入することで受講者の成長を効率的に促進しやすくなるでしょう。
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eラーニングを活用した研修のカリキュラム例
ここでは、アルーが提供しているeラーニング教材のカリキュラム例を階層別とテーマ別に分けてご紹介します。研修に活用することでより効果的に人材育成を進めることができます。
階層別研修
階層別研修で使えるeラーニング教材の例を、
- 新人研修
- アルバイト・パート向け研修
- 管理職向け研修
の3つに分けて紹介いたします。
新人研修
新人研修のeラーニング教材は、社会人としての心構えや、報告連絡相談などの基本的な内容を学習することができます。
新人研修の内容例は、以下の表にまとめました。
テーマ |
内容 |
時間 |
学生から社会人への意識転換 |
社会人として求められる心構えと行動を学びます。 |
約110分 |
自己改善サイクル |
経験学習サイクルをベースに、自分自身をリードしながら成長する方法を学びます。 |
約120分 |
相手の期待に応える |
仕事の成果は、相手の期待に応えているかで決まります。相手の期待を自ら適切に捉え、応えるための基本的な仕事の進め方を学びます。 |
約105分 |
段取り |
与えられた一つひとつの仕事について、納期までに抜けモレなく遂行するための計画の立て方を学びます。 |
約110~140分 |
報告連絡相談 |
適切な報告・連絡・相談による業務遂行・振り返り・改善の方法を学びます。 |
約160分 |
他社の受容・尊重 |
他者を受容・尊重することで、職場メンバーと協力しながら仕事を進めていくための方法を学びます。 |
約95分 |
ロジカルシンキング |
物事を緻密かつスピーディに考え、わかりやすく伝えるための基本的な思考方法を学びます。 |
約160分 |
ビジネスマナー |
社会人として基本的・汎用的なマナーを学びます。 |
約55分 |
ビジネス文書 |
ビジネス文書を書く上での基本原則を学びます。 |
約105分 |
仕事の進め方 |
「相手の期待に応える」「段取り」「報告・連絡・相談」「振り返り・改善」「ビジネス文書」について総合的にトレーニングします。 |
約195~285分 |
新入社員・内定者向けスタンダードプランは、以下のリンクからカリキュラムを一覧でご確認いただけます。
中堅社員向け研修
中堅社員に欠かせないスキルや部下育成のために必要なスキルを学習できるeラーニング教材は、以下の表の通りです。
テーマ |
内容 |
時間 |
志の獲得 |
自分にとっての仕事の意味や目的を見つめ直し、仕事を通じて実現したい「志」を明確にすることを目指します。 |
約150分 |
自己マスタリー |
自分の力量や成果など、現実を直視しつつも常に自分の描く理想の姿に向けて高い目標を掲げて、学び続けるための自分の成長戦略を描く方法を学びます。 |
約100分 |
業務本来の目的の達成 |
業務本来の目的達成につながるゴール設定の仕方を学びます。 |
約60分 |
選択肢の案出・決定 |
複雑性の高い仕事のプラン(計画)の立て方を学びます。 |
約160分 |
担当業務の改善 |
継続的な目標達成につながる、戦略的な担当業務実行の方法を学びます。 |
約105分 |
ネットワーキング |
本コースでは、「社内で自分のことを応援してくれる人を増やす」ためのネットワーキングについて学びます。 |
約70分 |
メンタリング |
経験の浅いメンバーへの簡易な実務指導を担いつつ、悩みや不安の相談に乗るなど心理的にも支えるために必要な心構えとスキルを学びます。 |
約75分 |
ロジカルシンキング |
物事を緻密かつスピーディに考え、わかりやすく伝えるための基本的な思考方法を学びます。 |
約160分 |
キャリアの自己決定 |
「人とのつながり」、「自分とのつながり」、「会社とのつながり」3つのつながりから、自らのキャリアを自己決定するための手法を学びます。 |
約135分 |
キャリアの可能性を拡げる |
中長期的視点から自身のキャリアを捉え、若手社員に必要なキャリアデザイン力を伸ばすためのポイントを学びます。 |
約90分 |
詳しくは、以下のページからご確認いただけます。
中堅社員向けeラーニング
管理職向け研修
管理職向け研修のeラーニング教材の内容例は、以下のようなものが挙げられます。
テーマ |
内容 |
時間 |
プレイヤーからマネジャーへの脱却 |
課長層としての役割を理解し、パフォーマンスを発揮していくための認知力・対応力を学びます。 |
約135分 |
理感一致のリーダーシップ |
「自分らしさ・組織らしさ」を起点として、組織からの期待に応えるためのあり方を学びます。 |
約155分 |
部署の目標を設定する |
会社全体の戦略を理解した上で、部署の現状と統合した目標を立てるポイントを学ぶことができます。 |
約100分 |
メンバーの目標を設定する |
メンバーの中長期的キャリア形成を見据えた目標設定のポイントを学びます。 |
約100分 |
目標達成のための計画を策定する |
自部署の目標達成に必要な要素を構造化し、ストーリーをKPIに落とし込み業務分担を決めるポイントを学びます。 |
約120分 |
目標設定のための協働関係を構築する |
チームを見立てることで協働関係を引き出す土台を作り出すポイントを学びます。 |
約80分 |
組織運営のモニタリングとフィードバックをする |
KPIに基づきモニタリングと介入を行い、必要に応じてKPIを見直し、協働関係を阻害する要因を見極め、改善することでメンバーの成長機会を継続的に支援するポイントを学びます。 |
約100分 |
人事考課の基本 目標設定編 |
人事考課に必要な目標設定(目標提示、計画策定、合意形成)を学ぶことができます。 |
約100分 |
人事考課の基本 観察・介入・実行支援編 |
人事考課に必要な観察・介入・実行支援を学ぶことができます。 |
約95分 |
人事考課の基本 評価編 |
人事考課に必要な評価 (評価の方法、伝え方)を学ぶことができます。 |
約70分 |
詳しくは、以下のページから一覧でご確認いただけます。
中堅社員向けeラーニング
テーマ別研修
テーマ別研修は、企業の課題や社員の課題に合わせて実施する研修です。eラーニングでも、ハラスメント研修やメンタルヘルス研修などの研修が実施できます。
ハラスメント研修
eラーニングであれば、各社員の階層によってハラスメント研修の内容を変更させることも容易です。例えば、管理職にはどのような行動がハラスメントにあたるのかを学ばせ、新入社員に対してはハラスメントを見つけた・ハラスメントに遭った場合はどうしたら良いのかを学ぶなど、各階層に合わせた受講内容を変え、学んでもらうことができるでしょう。
ハラスメント研修については、以下のページからご確認いただけます。
コンプライアンス|LMS・クラウド型eラーニングシステム「etudes(エチュード)」
メンタルヘルス研修
メンタルヘルス研修も、eラーニングで学習しやすいテーマです。ストレスのセルフチェックを行い、ストレスに関する知識を習得することにより、現状のストレス状態に気付くことが可能です。また、自分が受けているストレスに対して、自分の状態に合った対処法を実施する力も身につけることができます。
▼階層別のeラーニングが豊富・社員研修に活用できる
eラーニングを活用した研修ならLMSの「etudes」
eラーニングを活用した研修の導入を前向きに検討されている方へ、人材育成会社が開発したLMS「etudes(エチュード)」をご紹介いたします。
etudesは、「アルー株式会社」が長年培ってきた人材育成のノウハウを結集させて開発したクラウド型eラーニングシステムです。
豊富な教材、すべての利用者にやさしいUI/UX、そして充実した教材作成サポートが高く評価され多くの企業に選ばれています。
次の項から、etudesならではの強みと特徴をご紹介していきます。
etudesの製品紹介を詳しく知りたい方は『製品紹介資料』をダウンロードください。etudesの特徴やデモ画面、費用についてご紹介しています。
ニーズの多い研修テーマのeラーニングセットプランを用意
etudesの特徴の一つは、アルー株式会社が開発した多彩なeラーニング教材を利用できるという点です。役職や階層に応じた研修テーマだけでなく、スキルテーマ別に、ビジネスを成功させるための思考術、コンプライアンスに至るまで豊富な教材を取り揃えています。
特にニーズの多い研修は、複数の教材を組み合わせてセットにした「セットプラン」として提供しています。多種多様な教材から一つずつ選ばなくても、このセットプランさえ導入すれば充実した「新入社員研修」や「管理職向け研修」が行えるでしょう。
etudesのセットプランについて詳しくは『eラーニング教材一覧(セットプラン)』をご覧ください。
必要な分だけ自由に選べる教材
セットプランだけではなく、教材を自由に選んで組み合わせることももちろん可能です。
etudesで配信可能なアルーの教材は、以下のようなテーマ別にカテゴライズされています。
- マネジメント・部下育成
- 思考力・コンセプチュアル
- ビジネススキル
- 考え方・価値観
- 関係性構築・チームワーク
- OJT
- グローバル
- アカウンティング
この中に、自社の研修にぜひ取り入れたい内容がありましたら、さっそくetudesの導入を検討してみましょう。
etudesのテーマ別eラーニング教材について詳しくは『eラーニング教材一覧(テーマ別)』をご覧ください。
自社での研修教材作成もサポート
etudesの運営元であるアルーでは、自社オリジナルのeラーニング教材作成のサポートも行っています。
もし、自社のノウハウを詰め込んだ研修を行いたいのなら、やはり独自の教材が必要となるでしょう。しかし、eラーニング教材を一から自社で開発をするのは、手間も期間もかかります。
そんな時は、アルーにお任せください。eラーニングに精通したコンサルタントが丁寧なヒアリングを行い、ベストな作成方法をご提案いたします。
etudesのオリジナル教材作成について詳しくは『オリジナル教材を作成』をご覧ください。
eラーニング受け放題プラン「etudesPlus」も
アルー株式会社では豊富なeラーニング教材がすべて搭載された受け放題のサービス「etudesPlus」もご用意しております。
「今すぐにeラーニングでの研修を開始したい」「人材育成の実績に基づいた質の高い教材を利用したい」という二つの要望を同時に叶えられる、定額制eラーニング受け放題プランです。
動画コンテンツ約300本、演習教材約600本という豊富な教材が、100種類以上のカリキュラムとしてまとまっています。
複数の教材からどれを選べばいいのかが一目でわかる、レコメンド機能も搭載されているため、受け放題ならではの効果を最大限に引き出すことができます。
詳しくは、etudesPlusの詳細ページをご覧ください。
▼階層別のeラーニングが豊富・社員研修に活用できる
etudesの導入事例
etudesはLMSとして、多くの企業様に導入いただいています。
実際に導入いただいた企業様の中から、「株式会社メガネトップ様」の事例をご紹介いたします。
- 株式会社メガネトップ様
「眼鏡市場」を運営する国内眼鏡市場No.1メーカーであるメガネトップ様では、社員教育の一環としてのeラーニング研修にetudesをお選びいただきました。全ての従業員が、どこの組織でも通用するスキルセットを持っていることを目標にeラーニング研修を実施し、「自ら学ぶ風土」を醸成させました。etudesのユーザビリティの高さは、受講者・管理者ともに高評価をいただいております。
その他の企業様のケースについては、etudesの導入事例ページからご覧ください。
▼階層別のeラーニングが豊富・社員研修に活用できる
まとめ
今回は、eラーニングで研修を行う方法とそのメリット、eラーニングによって実現する研修方法などを詳しく解説いたしました。
eラーニング研修を効果的に実施するには、eラーニングを導入することで何を解決したいのか、現在どのような課題を社内で抱えているのかといった状況を明確にすることが大切です。
eラーニングによる研修の効果を最大限に引き出すためには、LMS(学習管理システム)も合わせて導入しましょう。
どのLMS・eラーニングシステムがいいか迷ったら、さまざまなニーズに応えられるクラウド型LMS「etudes」をご検討ください。
▼階層別のeラーニングが豊富・社員研修に活用できる