
マイクロラーニングとは?メリットやコンテンツ作りのコツを解説
多忙な管理職や社員、働く場所が異なる在宅勤務の従業員に、どのように一貫した教育を行っていくか、お困りの方も多いのではないでしょうか。マイクロラーニングは、さまざまな課題を解決できる人材育成方法の一つとして、現在注目を集めています。
今回は、マイクロラーニングについて解説します。マイクロラーニングのコンテンツ作りのコツも解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.マイクロラーニングとは?
- 1.1.eラーニングとの違い
- 1.2.マイクロラーニングが生まれた背景
- 1.2.1.アフターコロナでオンラインでの研修がスタンダードに
- 1.2.2.システム環境の変化
- 1.2.3.eラーニングの学習頻度の低下
- 1.2.4.ミレニアル世代・Z世代の社会進出
- 1.3.OJTや実践型研修との組み合わせでより効果的に
- 2.マイクロラーニングの効果・メリット
- 2.1.すき間時間を活用した学習が可能
- 2.2.集中力が続きやすく、定着しやすい
- 2.3.教材の作成や修正がしやすい
- 3.マイクロラーニングのデメリット
- 3.1.実践が必要なスキルなどは学べない
- 3.2.システムの準備に手間がかかる
- 3.3.期限を管理しないと進捗に差が生まれる
- 4.マイクロラーニングの作り方のコツ
- 4.1.1話完結型のコンテンツを作る
- 4.2.コンテンツ数を担保する
- 4.3.簡単に作れるサービスを利用する
- 5.マイクロラーニングが可能なLMSなら「etudes」
マイクロラーニングとは?
マイクロラーニングとは、短い時間でも学習できる、短い動画、クイズ、テキストなどを使った学習方法のことです。例えば、タブレットやスマホなどで、電車での移動時間中などでも学習できます。学習コンテンツの中にはゲーム形式のものもあり、いわゆるゲーミフィケーションを取り入れた、楽しく学習できる勉強法です。
学習者のすき間時間や、移動時間、待ち時間でも勉強できる、学習する人の負担にならない、新しい学習スタイルです。
eラーニングとの違い
eラーニングは聞いたことがあるけれど、マイクロラーニングについては詳しく知らない方が多いのではないでしょうか。
eラーニングとマイクロラーニングの大きな違いは、eラーニングはオンラインで学習すること全体を指し、マイクロラーニングはオンラインに関係なく学びやすいように短い時間で完結する学習の様式や概念のことを指します。
ここでは、eラーニングとの違いを詳しく解説します。
受講時間の違い
受講時間は、これまでのeラーニングのやり方だと、長時間のDVDを試聴したり、動画を見たりする形式が多いものでした。一コマがいわゆる学校の一時間ずつの試聴時間の場合もあり、その分学習のための拘束時間が長くなります。そのため、まとまった一つの項目を習得するのには、多くの拘束時間を必要とし、個人の時間をその分、多く割く必要がありました。
しかし、マイクロラーニングでは、学習時間が短いため、自分のスケジュールに合わせて隙間時間などを利用して学習ができます。
受講デバイスの違い
デバイスについても、これまでのeラーニングDVDをパソコンで再生したり、動画をパソコンで長時間見るなどの、パソコンを前提とした教材が多くありました。これは、かつてのサラリーマンの多くはパソコン世代で、パソコンを使った学習形態になじみがあったためです。
しかし、マイクロラーニングは、多くはスマホやタブレットでも受講できるように作成されています。時間が短く、デバイスも持ち運びができるため、すき間時間でも学習が可能になっています。ミレニアル世代と呼ばれる、スマホ・タブレットに慣れ親しんでいる世代を中心に受け入れられやすいスタイルです。
マイクロラーニングが生まれた背景
eラーニングの普及だけでも、学習者・管理者にとっては大きなメリットが得られますが、さらにマイクロラーニングが生まれた背景には、一体どのような理由があるのでしょうか。
マイクロラーニングが生まれた背景には、以下のような要因が考えられます。
- アフターコロナでオンラインの研修がスタンダードに
- システム環境の変化
- eラーニングの学習頻度の低下
- ミレニアル世代・Z世代の社会進出
では、それぞれ詳しく解説していきます。
アフターコロナでオンラインでの研修がスタンダードに
コロナ禍で、テレワークでの働き方が定着してきています。研修も、今まで社員を集め対面で行っていたものも、感染対策のためにオンライン化を進める必要が出てきました。
マイクロラーニングは、受講者側はどこでも研修を受けることが可能です。進捗状況の管理もweb上で集計することができるので、離れて労働している現代のテレワークの会社環境でも、効率よく学習をすすめることができ、フォローアップすることもできます。
システム環境の変化
総務省が行った2021年の調査によると、世帯の情報通信機器の保有状況は、スマートフォンが88.6%、パソコンは69.8%と、スマートフォンの保有率はパソコンより高くなっています。
従来のeラーニングは、2000年ごろから注目されるようになり、そのころはまだスマートフォンが普及していませんでした。そのため、パソコンで受講することを前提に設計されているものが多かったのです。
しかしスマートフォンなどのモバイル端末が普及したことにより、スマホやタブレットで受講できるマイクロラーニングが注目されるようになっています。
eラーニングの学習頻度の低下
eラーニングでは学習する場所やまとまった時間が必要でした。そのためマイクロラーニングにくらべて学習頻度が落ちます。マイクロラーニングは、スマートフォンなどの携帯できるデバイスを使えるので、スキマ時間などを有効活用できます。
そのため、学習頻度は向上します。学習を頻繁に行うと、記憶の定着が進むので、より効率的な学習ができます。
ミレニアル世代・Z世代の社会進出
ミレニアム世代、Z世代などの若者たちは、パソコンよりもスマートフォンのような携帯デバイスに触れています。なじみ深いデバイスで行える学習は、若い社員たちの学習意欲を向上させ、より高い学習効果がもたらされる傾向があります。
これは、新入社員の導入研修などで用いると効果的であるといえるでしょう。また、若者が中心の会社にも適しています。
OJTや実践型研修との組み合わせでより効果的に
マイクロラーニングは、動画やクイズを中心とした教材のため、実体験を得ることができません。そのため、OJTなどで仕事を実際に体験したうえで、マイクロラーニングを組み合わせて学習すると、さらに学習の効果が上がり、記憶の定着率は向上します。動画などを用いるマイクロラーニングは、実践型研修での振り返り学習や、事前の準備学習にも相性が良いのです。
このように、動画やクイズなどのマイクロラーニングと、実体験を学べる集合研修をうまく組み合わせる研修方法を「ブレンデットラーニング」といいます。
それぞれの良い点を組み合わせられる効果の高い研修方法として注目されている方法です。
マイクロラーニングの効果・メリット
ここまでは、マイクロラーニングとeラーニングの違いや、マイクロラーニングが生まれた背景について解説しました。しかし、実際にマイクロラーニングの導入を検討している企業にとっては、メリットやデメリットも把握しておきたいポイントでしょう。
マイクロラーニングの効果・メリットには、以下の3点が挙げられます。
- すき間時間を活用した学習が可能
- 集中力が続きやすく、定着しやすい
- 教材の作成や修正がしやすい
では、それぞれ詳しく解説していきます。
すき間時間を活用した学習が可能
まとまった時間が必要な従来の研修は、後回しにされやすく、そのまま忘れられてしまうこともあるでしょう。また、通常の業務も並行して行わなければならないため、まとまった時間の研修は業務の妨げになってしまうこともあります。
マイクロラーニングは、5分〜10分ほどの短時間で学習ができるので、すき間時間を生かした学習ができます。通常の業務が忙しい場合でも、移動時間などですぐに受講ができるため、普段の業務を圧迫しません。
集中力が続きやすく、定着しやすい
マイクロラーニングではひとつの学習時間が短いため、集中力が続き学習効果が高く記憶の定着が良いです。
また、通勤時間や業務の合間などで学習ができますので、生活の中に取り入れやすいことも特徴です。学習意欲はあるものの、なかなか習慣づかなかった方にも、受け入れられやすい学習方法です。
教材の作成や修正がしやすい
法律や制度など、改正が多かったり、変わりやすい分野を学ぶ場合、従来のeラーニングでは改正ごとのコンテンツの作成が負担になることも多いです。
マイクロラーニングの教材は、1つのコンテンツがコンパクトにできているため、作成や修正がしやすいのもメリットです。
また、受講者の状況を見て教材の内容を変えたりすることも容易ですので、研修のPDCAを回しやすいことも大きなメリットといえるでしょう。
eラーニング教材は購入すべきか、自社開発すべきか詳しく知りたい方は『eラーニングの教材は購入すべき?開発すべき?良い教材のポイントも』をご覧ください。それぞれのメリット・デメリットを紹介しています。
マイクロラーニングのデメリット
上記ではマイクロラーニングのメリットを解説しました。しかし、デメリットもあることを理解しておかないと、うまく活用できません。
マイクロラーニングのデメリットには、以下の3点が挙げられます。
- 実践が必要なスキルは学べない
- システムの準備に手間がかかる
- 期限を管理しないと進捗に差が生まれる
では、それぞれ詳しく解説していきます。
実践が必要なスキルなどは学べない
マイクロラーニングは、動画やクイズ、テキストを中心とした小さなコンテンツの集まりです。そのため、実体験そのものを学べるものではありません。また、長時間の学習が必要な資格取得のための学習や、複雑で難しい内容の学習は、短いコンテンツ内で解説をし切れないため不向きです。
実体験については、体験を必要とする実践型研修と組み合わせると良いでしょう。集合研修とその事前準備としてのマイクロラーニングの組み合わせで、より高い効果が得られます。
システムの準備に手間がかかる
マイクロラーニングは、1つのコンテンツが短い分、全てを修了するためには多くのコンテンツが必要になります。
LMS(学習管理システム)を準備する必要もありますので、システムの更新や管理などを自社で行う場合には、人員の手配やコストがかかってしまうのがデメリットです。
期限を管理しないと進捗に差が生まれる
マイクロラーニングは、期限を管理せず導入してしまうと利用者個々人のあいだで進捗の差が生まれてしまいます。
いつでも受講できるという手軽さはメリットですが、通常の業務が忙しい場合には後回しにされてしまう、忘れられてしまうという可能性もありますので、いつまでにこの内容の学習を終わらせるなどの期限を設けておくことが重要です。
マイクロラーニングの作り方のコツ
ここまでは、メリット・デメリットを解説しましたが、実際にマイクロラーニングの教材を作成するには、どのような手順で行えばよいのでしょうか。
作り方には、以下のようなポイントを意識してみましょう。
- 1話完結型のコンテンツを作る
- コンテンツ数を担保する
- 簡単に作れるサービスを利用する
では、それぞれ詳しく解説していきます。
1話完結型のコンテンツを作る
マイクロラーニングのコンテンツは1話完結型にしましょう。これは、短いセンテンスに区切ることで、すき間時間で学習するのにピッタリなコンテンツが作れるからです。
1話完結型のコンテンツは、内容が簡潔にまとめられているので、理解しやすいメリットもあります。理解がしやすいと集中力が続き、学習効率も向上にも繋がるでしょう。また、コンテンツの修正や管理も容易になります。
コンテンツ数を担保する
マイクロラーニングは1つのコンテンツが短い分、多くの内容を詰め込むにはコンテンツ数を担保する必要があります。
コンテンツ数が少ない状態で始めてしまうと、コンテンツの続きをすぐに視聴できず、中途半端な状態で学習が中断してしまい、学習効率が悪くなってしまいます。
そのため、必要な内容を全て理解できるようなコンテンツ数を担保しましょう。
簡単に作れるサービスを利用する
マイクロラーニングを簡単に作れるサービスを利用するのもおすすめです。
マイクロラーニングは前述した通り、コンテンツ数を担保することが大切ですので、教材作成の負担も大きくなってしまいます。
利用するサービスも、難しいものではなく、分かりやすいUI・UXになっているものを選ぶのが望ましいです。
マイクロラーニングが可能なLMSなら「etudes」
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