マイクロラーニングとは?メリットやコンテンツ作りのコツを解説
働き方の多様化によりリモートワークの導入が一般的になる中、多忙な社員や管理職に向け、より効果的に人材教育を実施する手法について、お困りの方も多いのではないでしょうか。マイクロラーニングは、短時間で効率的に学習を進めることができるため、人材育成方法の一つとして注目を集めています。
この記事ではマイクロラーニングとは何か、導入のメリットやeラーニングとの違いを詳しく解説します。
▼マイクロラーニングを効率的に自社導入できるLMS
目次[非表示]
- 1.マイクロラーニングとは?
- 1.1.eラーニングとの違い
- 2.マイクロラーニングが生まれた技術的背景
- 2.1.スマートフォンの普及
- 2.2.クラウド型LMSの普及
- 2.3.データベースの性能向上
- 3.マイクロラーニングが取り入れられている背景
- 3.1.研修にコストが割けない
- 3.2.通常の研修では集中力が長続きしない
- 3.3.手軽かつ短時間で学ぶ学習スタイルが普及した
- 3.4.ビジネスの変化が早く、教材がすぐに陳腐化してしまう
- 4.マイクロラーニングの効果・メリット
- 4.1.すき間時間を活用した学習が可能
- 4.2.集中力が続きやすく、定着しやすい
- 4.3.教材の作成や修正がしやすい
- 4.3.1.業務中に必要な内容を確認しやすい
- 5.マイクロラーニングのデメリット
- 5.1.実践や演習などを取り入れにくいい
- 5.2.教材の準備に手間がかかる
- 5.3.期限を管理しないと進捗に差が生まれる
- 6.マイクロラーニングが向いていないカリキュラム
- 7.マイクロラーニングの作り方のコツ
- 7.1.1話完結型のコンテンツを作る
- 7.2.コンテンツ数を担保する
- 8.マイクロラーニングを育成に取り入れるコツ
- 8.1.他の研修方法と併用する
- 8.2.自発的に学べる環境を整える
- 9.マイクロラーニングが可能なLMSなら「etudes」
- 9.1.使いやすいUI/UX
- 9.2.コース検索で必要な教材がすぐ見つかる
- 10.まとめ
マイクロラーニングとは?
マイクロラーニングとは、「小さなサイズの教材を使った学習方法」のことで、短時間でも学習できる短い動画や、クイズ、テキストなどを使った学習方法のことです。一般的には、数十秒程度から、長くても5分以内で学習が終わるように作られています。
学習者はタブレットやスマホを使ってすき間時間や、移動時間、待ち時間でも勉強でき、学習する人の負担にならない、新しい学習スタイルです。学習コンテンツの中にはゲーム形式のものもあり、いわゆるゲーミフィケーションを取り入れた、楽しく学習できる工夫がされています。
eラーニングとの違い
従来のeラーニングは1つのコンテンツの長さが30分~1時間程度の教材が多く、マイクロラーニングは5分~10分程度の長さとなっており、教材の内容に大きな差が見られます。
マイクロラーニングは、学びたい内容をピンポイントで紹介でき、すぐに知りたい情報を得ることができるため、業務に直結した知識を確認したい場合などにおすすめです。必要な知識を必要な時にに必要な分だけ学ぶいわばフロー型の知識習得にマイクロラーニングは適しています。
一方でeラーニングは、テーマに応じた知識をつけることや、体系的に学習することに向いています。これまでの研修のように、能力の向上を目指すための継続的な学びや取り組みといったような、ストック型の知識習得に向いていると言えるでしょう。
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マイクロラーニングが生まれた技術的背景
企業での研修スタイルは、受講者が集まって1日~数日かけて行う集合研修のスタイルが主流でした。しかし、eラーニングなどのオンライン研修が増えてきたことに伴い、マイクロラーニングも注目されています。
ここでは、マイクロラーニングが生まれた技術的背景についてご紹介いたします。
スマートフォンの普及
マイクロラーニングが生まれた背景として、スマートフォンの普及が挙げられます。
2010年にスマートフォンを保有している世帯の割合は9.7%でしたが、2020年には86.8%と約9倍となっています。
短時間のコンテンツを見るためにパソコンを開くのは手間ですが、スマートフォンの普及により、マイクロラーニングに用いられる小さな単位のコンテンツをいつでもどこでも手軽に確認し、学習することが可能になりました。
参考:若者を取り巻く社会環境の変化 | 消費者庁
クラウド型LMSの普及
マイクロラーニングを行う場合、短尺の動画で学習をするとなると、通常のeラーニング教材に比べて何百本何千本という大量の動画を学習用のプラットフォーム(eラーニングシステムやLMS)にアップする必要があります。マイクロラーニングが普及した背景には、そうした大量の動画教材に耐えうる機能を持ったクラウド型LMSが出てきたことがあげられます。さらに、細かい単位の学習、マイクロラーニングであってもLMSの学習履歴管理を使えば学習管理がしやすくなります。
データベースの性能向上
前述した通り、マイクロラーニングを行う場合には大量の教材が必要になります。大量の教材から学びたいものを検索して見つけ出すためには、LMSの検索機能などデータベースの性能の向上が重要です。高性能なデータベースがクラウド型LMSに搭載され、多くの教材から必要な教材を受講者が選びやすい環境が整えられたことによって、従来よりもさらにマイクロラーニングを導入、活用しやすくなりました。
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マイクロラーニングが取り入れられている背景
ここでは、現在企業の研修でマイクロラーニングが取り入れられている背景について紹介いたします。
研修にコストが割けない
研修を実施する側の企業が、研修にコストをかけられないということも、マイクロラーニングが取り入れられている背景として挙げられます。
人手不足により業務が忙しいことや、社員が身につけなければならないスキルの多様化により、従来の集合研修では充分な研修を実施しづらく、多くのコストがかかってしまうようになっています。
産労総合研究所の調査によると、2021年度の企業の教育研修費用総額は5,221万円に上り、前年と比べて596万円増加している事からも、研修のコストが上がっていることが分かります。
参考:2022年度 教育研修費用の実態調査
しかし、マイクロラーニングやeラーニングは、一度教材を作成すれば繰り返し使うことができ、社員の交通費や宿泊費なども不要で受講することが可能です。
そのため、集合研修は実技やアウトプットの場として活用することで、必要最低限に抑えることができるので、結果として研修コストを抑えることにつながります。
通常の研修では集中力が長続きしない
これまでの研修は30分~1時間と長時間になることが多く、座学のみでは集中力が続かないことも多いでしょう。
人が継続して集中できる時間は15分と言われています。集中力を維持しながら学習をするためには1回の学習が短時間であるマイクロラーニングが最適です。
短時間で集中して学習を進められるため、学習の維持が期待できることや、学習を習慣化させ、知識の定着を促すこともできるでしょう。
手軽かつ短時間で学ぶ学習スタイルが普及した
前述しましたが、スマホの普及やTikTokなどに代表される短尺コンテンツの普及などにより、手軽・かつ短時間で情報収集することが主流となってきています。
マイクロラーニングは学習内容を細かく細分化し、1つのコンテンツで1つのテーマが完結する単位まで短縮しています。それにより、学習者に対して学びたい内容をピンポイントで伝えることが可能になりました。
そのため、「悩んでいることをすぐに解決できる」「重要なコンテンツの見直しがしやすい」などのメリットがあり、企業の研修にも注目されています。
ビジネスの変化が早く、教材がすぐに陳腐化してしまう
従来の研修では、ビジネスの変化が早く、教材がすぐに陳腐化してしまうことがデメリットでした。研修内容が変わってしまうと、教材の作り直しや資料の作り直しが必要になりますが、マイクロラーニングは全てのコンテンツが短時間のため、作り直しがしやすく、新しい情報を常に取り入れることが可能です。
技術開発の影響などで変化しやすい学習テーマや社内独自の内容など、組織運営とあわせて変わるような学習テーマの場合は、マイクロラーニングの手法を活用することで、教材制作の手間を削減できるだけでなく、変化にも対応することができます。
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マイクロラーニングの効果・メリット
ここまでは、マイクロラーニングとeラーニングの違いや、マイクロラーニングが生まれた背景について解説しました。しかし、実際にマイクロラーニングの導入を検討している企業にとっては、メリットやデメリットも把握しておきたいポイントでしょう。
マイクロラーニングの効果・メリットには、以下の3点が挙げられます。
- すき間時間を活用した学習が可能
- 集中力が続きやすく、定着しやすい
- 教材の作成や修正がしやすい
では、それぞれ詳しく解説していきます。
すき間時間を活用した学習が可能
まとまった時間が必要な従来の研修は、後回しにされやすく、そのまま忘れられてしまうこともあるでしょう。また、通常の業務も並行して行わなければならないため、まとまった時間の研修は業務の妨げになってしまうこともあります。
マイクロラーニングは、5分〜10分ほどの短時間で学習ができるので、すき間時間を生かした学習ができます。通常の業務が忙しい場合でも、移動時間などですぐに受講ができるため、普段の業務を圧迫しません。
集中力が続きやすく、定着しやすい
マイクロラーニングではひとつの学習時間が短いため、集中力が続き学習効果が高く記憶の定着が良いです。
また、通勤時間や業務の合間などで学習ができますので、生活の中に取り入れやすいことも特徴です。学習意欲はあるものの、なかなか習慣づかなかった方にも、受け入れられやすい学習方法です。
教材の作成や修正がしやすい
デジタル技術に関する内容など、変化が著しい分野について学ぶ場合、従来のeラーニングではコンテンツの作成や更新に工数がかかることが多くなります。
マイクロラーニングの教材は、1つのコンテンツがコンパクトにできているため、作成や修正がしやすいのもメリットです。
また、受講者の状況を見て教材の内容を変えたりすることも容易ですので、研修のPDCAを回しやすいことも大きなメリットといえるでしょう。
eラーニング教材は購入すべきか、自社開発すべきか詳しく知りたい方は『eラーニングの教材は購入すべき?開発すべき?良い教材のポイントも』をご覧ください。それぞれのメリット・デメリットを紹介しています。
業務中に必要な内容を確認しやすい
マイクロラーニングは学習内容を細かく細分化し、1つのコンテンツで1つのテーマが完結する単位まで短縮しているということを前述しました。
そのため、学習や研修だけでなく、業務中などでも必要な内容をすぐに確認することができるため、「こういう時どうしたらいいんだっけ」「ツールの使い方が久々で分からなくなってしまった」という時にも活用ができます。
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マイクロラーニングのデメリット
上記ではマイクロラーニングのメリットを解説しました。しかし、デメリットもあることを理解しておかないと、うまく活用できません。
マイクロラーニングのデメリットには、以下の3点が挙げられます。
- 実践や演習などを取り入れにくい
- システムの準備に手間がかかる
- 期限を管理しないと進捗に差が生まれる
では、それぞれ詳しく解説していきます。
実践や演習などを取り入れにくいい
マイクロラーニングは、動画やクイズ、テキストを中心とした小さなコンテンツの集まりです。そのため、実践や演習を取り入れにくいのがデメリットです。また、長時間の学習が必要な資格取得のための学習や、複雑で難しい内容の学習は、短いコンテンツ内で解説をし切れないため不向きです。
実践や演習が必要な内容については、ロープレやグループワークを取り入れやすい集合研修と組み合わせると良いでしょう。集合研修とその事前準備としてのマイクロラーニングの組み合わせで、より高い効果が得られます。
教材の準備に手間がかかる
マイクロラーニングは、1つのコンテンツが短い分、全てを修了するためには多くのコンテンツが必要になります。
1つのコンテンツを作成する時間は短いものの、量を担保しなければならないため、教材を作成する場合、最初は準備に手間がかかることもあるでしょう。また、LMSでの管理や更新にも手間がかかってしまうこともあるので、事前に管理方法を決めておくことが必要です。
期限を管理しないと進捗に差が生まれる
マイクロラーニングは、期限を管理せず導入してしまうと利用者個々人のあいだで進捗の差が生まれてしまいます。
いつでも受講できるという手軽さはメリットですが、通常の業務が忙しい場合には後回しにされてしまう、忘れられてしまうという可能性もありますので、いつまでにこの内容の学習を終わらせるなどの期限を設けておくことが重要です。
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マイクロラーニングが向いていないカリキュラム
マイクロラーニングが向いていないのは、時間や量が相応に伴う学習が必要なカリキュラムです。
例えば、学習量の多い資格試験対策などは、マイクロラーニングで学習しようとすると、年単位での時間が掛かってしまいます。
そのため、全体的な学習はeラーニングなどで行い、重要なポイントや頻出問題などの復習としてマイクロラーニングを活用することをおすすめします。
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マイクロラーニングの作り方のコツ
ここまで、マイクロラーニングのメリットやデメリットなどを紹介しましたが、実際にマイクロラーニングの教材はどのように作れば良いのでしょうか。
ここでは、マイクロラーニング教材を作成する時のコツをご紹介いたします。
マイクロラーニング教材を作る場合には、以下のようなポイントを意識してみましょう。
- 1話完結型のコンテンツを作る
- コンテンツ数を担保する
では、それぞれ詳しく解説していきます。
1話完結型のコンテンツを作る
マイクロラーニングのコンテンツは1話完結型にしましょう。これは、短いセンテンスに区切ることで、すき間時間で学習するのにピッタリなコンテンツが作れるからです。
1話完結型のコンテンツは、内容が簡潔にまとめられているので、理解しやすいメリットもあります。理解がしやすいと集中力が続き、学習効率も向上にも繋がるでしょう。また、コンテンツの修正や管理も容易になります。
コンテンツ数を担保する
マイクロラーニングは1つのコンテンツが短い分、多くの内容を詰め込むにはコンテンツ数を担保する必要があります。
コンテンツ数が少ない状態で始めてしまうと、コンテンツの続きをすぐに視聴できず、中途半端な状態で学習が中断してしまい、学習効率が悪くなってしまいます。
そのため、必要な内容を全て理解できるようなコンテンツ数を担保しましょう。
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マイクロラーニングを育成に取り入れるコツ
では、実際にマイクロラーニングを取り入れる際に気を付けておきたいポイントを紹介いたします。
マイクロラーニングを育成に取り入れるコツは、以下の2つです。
- 他の研修方法と併用する
- 自発的に学べる環境を整える
一つずつ解説していきます。
他の研修方法と併用する
マイクロラーニングを育成に取り入れる場合には、全ての学習をマイクロラーニングにするのではなく、学習内容に合わせて集合研修などの他の研修方法と併用することが大切です。
マイクロラーニングは実践や演習を取り入れられないため、例えば、ロールプレイングを通して自分の課題を発見し、他の考え方や方法を他の人と考える必要のあるマインドセットのための研修や、テレアポなどの電話対応の演習などは集合研修で行うと良いでしょう。
基本の考え方はマイクロラーニングで学び、演習を集合研修で行うことで、研修の効果を最大限に引き出せます。
自発的に学べる環境を整える
マイクロラーニングは、いつでも・どこでも学習ができることがメリットですが、その利便性から後回しになってしまう可能性もあります。
ある程度強制的に学んでもらえるように、「マイクロラーニングでの学習が済んでから集合研修の参加をしてもらう」「学習後にツールのログインができるようにする」などの仕組みづくりが大切です。
また、学習環境へのアクセスのしやすさ、操作のしやすさも自発的に学ぶ環境を作る一つのコツです。配信ツールやLMSの選定を行い、アクセスはしやすいか、必要な情報がしっかりと検索できるかなども確認しておきましょう。
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マイクロラーニングが可能なLMSなら「etudes」
弊社アルー株式会社では、使いやすいクラウド型LMSである「etudes」を提供しています。
ここでは、etudesの特徴をご紹介いたします。
使いやすいUI/UX
etudesは受講者向け機能と管理者向け機能の両方で、LMSとしての使いやすさにこだわって開発されています。どちらも直感的でわかりやすいUI/UXを採用しており、特に受講者はマニュアルなしで操作が可能です。
マイクロラーニングを育成に取り入れる場合、受講者の教材へのアクセスのしやすさはとても重要です。etudesのUI/UXなら、すぐに学習したい教材にアクセスが可能です。
コース検索で必要な教材がすぐ見つかる
etudesは、受講者に必要なコースがすぐに見つかるように、キーワード検索、カテゴリ機能、関連コース表示などの機能を搭載しています。
マイクロラーニングは教材の数が多くなってしまうため、必要な情報が埋もれて姉妹がちですが、etudesの検索機能で必要なコースをすぐ見つけられる上に、前回受講した教材もリアルタイムで受講画面に反映されるようになっています。
また、受講した教材に関連したコースも表示されるようになっているため、続けての学習や関連知識をより深めて行くことも可能です。
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まとめ
マイクロラーニングは短時間で学習ができるため、すき間時間を有効活用できることや、集中力が続きやすく定着しやすいというメリットがあります。
ただし、マイクロラーニングは長時間の学習を必要とするものは向かない、コンテンツの量が多くなってしまうため管理が大変になってしまうというデメリットがあります。
マイクロラーニングを取り入れる際には、管理するLMSの選定が重要になります。アルー株式会社が提供しているetudesは、受講者がアクセスしやすく、コンテンツの管理がしやすいLMSです。
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