
オンボーディングの事例|成功させるコツや実施プロセスについて
オンボーディングは、新たに採用した人材の早期離職を防ぎ、企業に素早く馴染んでもらうために必要な取り組みとして、最近急速に注目を浴びています。しかし、一言でオンボーディングと言っても、その期間やメソッドは企業により様々で、多くの成功事例があります。この記事では、サイボウズやLINE株式会社などに代表される、オンボーディングの成功パターンを紹介します。
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オンボーディングとは?
オンボーディングとは、企業に新たに入社した仲間の適応のために必要なサポートなどを提供する取り組みを指す言葉です。元々は、船員や飛行機に新たに搭乗したクルーに対するサポートをオンボーディングと呼んでいました。現在では、ビジネスの現場で組織への定着・戦力化を促すためのメソッドとして幅広く知られています。
オンボーディングを適切に行うことで、社員の早期退職を防ぎ、組織の一員としてポテンシャルを最大限に発揮できるようになるというメリットがあります。人事だけではなく、上司や同僚が一丸となってオンボーディング支援を行っていくことが重要です。
大手企業のオンボーディングの事例
オンボーディングは、既に様々な国内外の企業で導入されている取り組みです。しかし、一言でオンボーディングといっても、その取り組み方は多種多様で、日本企業の中でも様々な成功例があります。ここでは、サイボウズやLINE株式会社に代表されるオンボーディングの国内の成功事例について、一つ一つ丁寧に見ていきましょう。
サイボウズ
サイボウズは、最近急速に社員数を拡大しているIT企業です。IT未経験者も含めた多種多様な人材が入社するため、まさに十人十色のスキルセットに対応する必要があります。
サイボウズでは、多様なバックグラウンドを持った社員がいち早く企業に慣れてもらうための取り組みとして、3ヶ月間に渡る自社独自の「オンボーディング研修」のプログラムを用意しました。サイボウズの組織理解や提案練習、商談実習や周辺ビジネス理解を経て、最終的には研究課題を発表するという綿密なプログラムにより、社員のモチベーション向上に成功しています。
LINE株式会社
LINE株式会社では、採用チームが採用した人材をどれほど早く職場にフィットさせるかを重要視しており、その一環として入社後の適応を促進する「オンボーディング」に取り組んでいます。
LINE株式会社におけるオンボーディングでは、入社前からのサポートを展開することが特徴です。入社前から入社後10日目にかけて、システムからLINEカルチャーや社内システムについてなどの情報を継続的に発信します。また、社内には仕事中に発生した細かな問題に対処する駆け込み寺として、「LINE CARE」を設置。どんな内容でも聞ける安心感があることから、オンボーディングの促進に一役買っています。
キユーピー株式会社
キユーピー株式会社では、工場勤務の社員に対するオンボーディングの取り組みの成功事例が有名です。キユーピーでは、工場に新たに配属された人材に対して、3日間に渡るeラーニングを導入しています。
eラーニングによる教育学習システムを導入したため、先輩による直接の指導や研修会なしに電気や圧縮機、ポンプなどの基礎的な技術スキルを身につけることが可能になりました。それぞれが自身のペースに合わせて学習を進められることに加え、研修実施側の負担も軽減できたため、オンボーディングでeラーニングを活用した成功事例と言えるでしょう。
株式会社博報堂
博報堂では従来、現場を中心に教育を行っていました。入社後1ヶ月目以降の研修は現場に依存してしまう部分があったため、社員が定着しないという問題点がありました。そこで、博報堂では「自分が歓迎されている」という雰囲気作りに重点を置いたオンボーディング施策を実施しています。
具体的には、行動規範や遵守事項、社内システムや人事制度などを丁寧に説明する月次研修の導入、「H/MP On Board School」という講演会プログラムの実施などを展開中です。知識の伝達のみならず、社員同士の絆作りに重点をおいたオンボーディング施策が特徴となっています。
日本オラクル株式会社
日本オラクルでは、社員一人ひとりが自主的に企業へ貢献したいと考える「社員エンゲージメント」が重要視されています。特に早期離職が発生しやすい中途採用者に対しては、この社員エンゲージメントを高める必要性が社内でも指摘されてきました。
そこで導入されたのが、中途採用者を対象としたオンボーディング施策です。中途採用においては軽視されがちな経営理念や組織形態の説明、ルールなどの基礎研修を丁寧に行っています。さらに、OJTにおいては上司の負担を軽減しながら充実したフォローを行うための専門職「ナビゲーター」「サクセスマネージャー」などを設置しました。これらのオンボーディング施策により社員エンゲージメントは85%まで上昇したため、中途社員に対するオンボーディングの成功例として知られています。
株式会社メルカリ
株式会社メルカリでは、新入社員が何をやればいいのかがひと目で分かるようにするための「オンボーディングポータル」を開設しました。入社直後の社員は何をこなせばいいのか分からず、タスクが混乱してしまいがちです。
メルカリで導入されているオンボーディングポータルでは、タスクが期限ごとに「入社後3日以内」「1週間以内」「1ヶ月以内」といったように整理されています。個人ごとに最適化されたKPIが設定されることで、指導にかかるコストも削減されました。ITを駆使した事業を展開しているメルカリらしい成功例となっています。
オンボーディングはeラーニングの活用でより効率的に
オンボーディングのためには、他の社員との交流や継続した学習ができる環境を整える必要が有ります。
ですが、集合研修だけでは、「研修の時だけで終わってしまい、継続した学習ができない」、「研修が終わった後は他社員とのコミュニケーションが希薄になる」などの問題もあります。
また、集合研修を何度も行うとなると、研修管理者の負担も多く、引継ぎができない、通常の業務に支障が出るなどの課題も出てしまいます。
そこで、eラーニングを活用することによって、研修をより効率的に行うことができます。
ここでは、オンボーディングを行う場合のeラーニングのメリットをご紹介いたします。
収集したノウハウを効率的に活用できる
eラーニングを活用することのメリットとして、収集したノウハウを活用できる点があげられます。
研修を行う際に、つまづきやすいポイントはどこだったのかなどが分かった場合、次回の研修でそのポイントのボリュームを厚くする、研修の内容を変更するといったことが容易になります。
さらに、いままで研修を行ってきた社員のノウハウをコンテンツ化・マニュアル化し、研修や教育を行う側の社員に対してもeラーニングで研修を行うことによって、新入社員の教育の質を均等にすることも可能になるでしょう。
社員情報管理も容易に
オンボーディングを行う際には、入社してきた社員情報の管理も必要になります。集合研修で社員情報を管理するとなると、どの程度理解が進んでいるのか、どの研修を受けたのかなど、一人一人確認する作業は研修管理者の負担になります。
eラーニングを活用することで、社員の情報管理がオンライン上で確認が可能になり、より丁寧なサポートができるようになるでしょう。
マイクロラーニングにも対応できる
マイクロラーニングとは、5分程度の短時間で学習ができる新しい学習スタイルです。短時間で学習できることによって、集中力を切らさず、すき間時間で学べるなど、メリットも大きいです。
従来のeラーニングだと、各コンテンツが長く、学ぶことが複数あり、集中力が続かない、なかなか定着しないという課題がありました。
ですが、マイクロラーニングでは、コンテンツが短いため、1つの目標に集中して学習が可能で、要点だけをおさえて学ぶことができるので、定着率も高くなります。
集合研修では、マイクロラーニングをすることは難しいため、eラーニングを導入することが必要となっています。
eラーニングなら「etudes」にお任せください
オンボーディングは、組織の実力を最大限に引き出すために欠かせないプロセスです。新規入社した社員の早期退職を防ぐことは、研修コストの削減にも繋がります。
オンボーディングは、まさにこれからの時代に欠かせない取り組みとして、多くの企業で成功事例があります。これらの成功パターンをインプットすることで、自社にとって最適なオンボーディング施策を展開していきましょう。
オンボーディングを行う際には、eラーニングを導入することが必要になってきます。アルー株式会社では、使いやすいクラウド型LMS(学習管理システム)であるetudesを提供しています。ニーズの多い研修を、手軽に利用できるセットプランもご用意していますので、eラーニングを利用してオンボーディングを検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
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