
ナレッジマネジメントツールの選び方・運用の注意点とは?
ナレッジマネジメントを導入し実施する場合、使用するツールの選定が重要になります。
ナレッジマネジメントに使えるツールは、さまざまな種類や機能があります。
自社にあったナレッジマネジメントツールを採用することにより、マネジメントの成果が大きく変わるでしょう。
この記事では、ナレッジマネジメントツールの選び方や運用の注意点を解説します。ツール採用の参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.ナレッジマネジメントとは
- 2.ナレッジマネジメントにツールを活用するメリット
- 2.1.1.ナレッジ・ノウハウの収集、検索の効率化
- 2.2.2.人材育成の効率化
- 2.3.3.社内でナレッジの共有がしやすい
- 3.ナレッジマネジメントツール導入のデメリット
- 3.1.1.導入にはコストがかかる
- 3.2.2.情報共有に非協力的な社員が出る可能性も
- 4.ナレッジマネジメントツールの選び方
- 4.1.リテラシーの有無に左右されない操作性か
- 4.2.セキュリティ対策は問題ないか
- 4.3.利用規模の変更に対応できるか
- 4.4.マルチデバイスに対応しているか
- 5.ナレッジマネジメントの手法4種類
- 5.1.専門知識型
- 5.2.業務プロセス型
- 5.3.ベストプラクティス共有型
- 5.4.経営資産・戦略策定型
- 6.ナレッジマネジメントツール運用の注意点
- 6.1.「社員への浸透」が成功のポイント!
- 6.2.運用体制を整えてから導入する
- 7.ナレッジマネジメントにはeラーニングも効果的
- 7.1.社員に学習の「場」を提供する
- 7.2.LMSによって学習管理の効率化も可能
- 7.3.オリジナル教材で自社ノウハウをeラーニング化
- 8.eラーニングでナレッジマネジメントをするなら「etudes(エチュード)」
- 9.まとめ
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメントとは、企業やその企業の社員が独自に蓄積した知識やノウハウなどの暗黙知を、誰にもわかるようにマニュアル化し形式知にするためにおこなう経営手法です。
現在、企業や個人が独自に蓄積した「暗黙知」を「形式知」にする動きが加速しており、さまざまな企業がナレッジマネジメントツールを導入しています。
なお、ナレッジ(knowledge)とは、知識や情報、知見などのことを指します。ビジネス上では、文章から得られた知識などのことだけではなく、実体験で得られた知識・経験なども含め、ナレッジと呼ばれます。
ナレッジマネジメントにツールを活用するメリット
ナレッジマネジメントにツールを活用することにより、より一層効果的なナレッジマネジメントをおこなうことができます。
ナレッジマネジメントにツールを活用する場合の主なメリットは、次のとおりです。
- ナレッジ・ノウハウの収集、検索の効率化
- 人材育成の効率化
- 社内でナレッジの共有がしやすい
以下にて、詳しく内容を見ていきましょう。
1.ナレッジ・ノウハウの収集、検索の効率化
ナレッジマネジメントにツールを用いることで、ナレッジ・ノウハウの収集、検索の効率化を促進させます。
ナレッジマネジメントが順調に進むと、各社員の持つ知識やノウハウ、経験などの情報が蓄積されていきます。しかし、ツールを利用していないと、データの収集、集計、活用が上手くいきません。そのため、ナレッジマネジメントにはデジタルツールを活用し、データの収集とデータ検索の効率化を図る必要があります。
2.人材育成の効率化
ナレッジマネジメントにツールを活用することで、人材育成の効率化が図れるというメリットがあります。
企業が行う業務とは、専門的になればなるほど属人化していってしまう傾向があります。属人化とは、業務が特定の人にしか進められない状態になることです。
専門性が高くなると特定の人に知識やノウハウが集中してしまいますが、ツールを活用してナレッジマネジメントを行うことでナレッジを共有し、人材育成を効率化、属人化を防止することができます。
3.社内でナレッジの共有がしやすい
ナレッジマネジメントで蓄積されたデータは、データを共有することで初めて効果が出てきます。しかし、データを共有するのは難しくデータの集計やアウトプットを行う必要があります。
デジタルツールを活用しナレッジマネジメントを実施することで、データの収集や一元化をおこなうことができるため、蓄積されたナレッジを共有しやすくなります。
ナレッジマネジメントツール導入のデメリット
ナレッジマネジメントを効率化させるツールにも、導入するデメリットがあります。ここでは、ナレッジマネジメントのためのツールを導入するデメリットを2つ紹介します。
- 導入にはコストがかかる
- 情報共有に非協力的な社員が出る可能性も
以下にて詳しく見ていきましょう。
1.導入にはコストがかかる
ナレッジマネジメントのツールには、さまざまなタイプのものがあり、またさまざまな費用がかかります。
ツールを導入するための導入費用や、維持費・クラウド型の場合は月額利用費といったランニングコストがかかったりします。
場合によっては、Googleのスプレッドシートのような、無料で利用できるツールを利用することも検討する必要があります。コストをかけてナレッジマネジメントツールを導入する場合には、費用対効果を分析することも必要になるでしょう。
2.情報共有に非協力的な社員が出る可能性も
ナレッジマネジメントは暗黙知を形式知に変換することが目的ですが、これを嫌う社員が出てくる場合があります。営業の場合は、他の営業の成績が上がることを嫌がりますし、暗黙知を蓄積している社員は、ナレッジマネジメントのために業務時間が取られることを嫌がる場合があります。
このような理由で、ナレッジマネジメントのためのツールを導入することにより、企業と社員の間で軋轢が生まれることもあります。ツールを導入する際には、あらかじめ全社員が導入に賛成するよう説明をしたり、ナレッジマネジメントに協力した社員へのインセンティブ制度を設けるなどの対策が必要です。
ナレッジマネジメントツールの選び方
ナレッジマネジメントを効率化させるためのツールは、現在数多くのものが存在しており、導入する企業にマッチしたツールを選ぶ必要があります。
ナレッジマネジメントのツールを選ぶためには、選ぶポイントを把握する必要があります。
ここからは、ツールを選ぶポイントを紹介します。
- リテラシーの有無に左右されない操作性か
- セキュリティ対策は問題ないか
- 利用規模の変更に対応できるか
- マルチデバイスに対応しているか
以下にて、詳しく見ていきましょう。
リテラシーの有無に左右されない操作性か
ナレッジマネジメントツールを利用する場合、全社員がシステムに触れることになります。社員の中にはパソコンやタブレットなどに不慣れな方がいます。その時に、操作が難しくシステムを活用することができないのでは導入する意味がありません。
ナレッジマネジメントツールは、直感的に操作ができるようなわかりやすいUI/UXであったり、ITの知識がなくてもナレッジの共有・蓄積ができるシステムであったりする必要があります。全社員がナレッジの共有をし、新たなナレッジを生むようなサイクルを作ることがナレッジマネジメントの目的です。
セキュリティ対策は問題ないか
ナレッジマネジメントで蓄積されるデータは膨大な量となり、企業の機密事項が含まれる場合もあります。そのため、ナレッジマネジメントツールのセキュリティ対策がしっかりしているか確認しなければなりません。
万が一、外部からのハッキングなどにより企業情報が流失してしまう恐れもないわけではありません。よりセキュリティ対策について慎重に対策をしているナレッジマネジメントツールを選択するようにしましょう。
利用規模の変更に対応できるか
大規模な企業になるほど、部署や社員が多くなります。そのような大きな規模の企業の場合、全社的にナレッジマネジメントツールを導入してもうまく機能しないケースがあります。人数が多すぎて運用が難しかったり、導入するメリットを把握していない人がいたりするためです。
このようなことが起きないよう、特定の部署などからスモールスタートすることを検討しなければなりません。そこで、重要になるのが導入するナレッジマネジメントツールが利用規模の変更に対応できるかどうかです。利用規模が少数から徐々に大人数に変更できるかを、あらかじめ確認しておきましょう。
マルチデバイスに対応しているか
ナレッジマネジメントツールの選択をする検討項目に、利用しやすいツールなのかどうかという基準があります。ナレッジマネジメントをおこない、社員から暗黙知のナレッジが蓄積され、企業としてナレッジのデータが集まっても、そのデータを活かせなければ意味がありあません。データを活かすためには、多くのツールを介して社員にアウトプットすることが大切です。
そのため、導入を検討するナレッジマネジメントツールは、マルチデバイスに対応しているものを選択しましょう。パソコンだけではなく、スマホやタブレットでも利用できれば、社員も場所を問わずナレッジの共有をおこなうことができます。
ナレッジマネジメントの手法4種類
ナレッジマネジメントのためのツールを選ぶ上で、「どのような方法でナレッジマネジメントを行いたいか」も重要なポイントとなります。
ナレッジマネジメントの手法は、用途や特徴に応じて大まかに4種類に分けられます。
- 専門知識型
- 業務プロセス型
- ベストプラクティス共有型
- 経営資産・戦略策定型
ここから、それぞれの種類について詳しく見ていきましょう。
専門知識型
まず一つめは、専門知識型です。
専門知識型とは、ヘルプデスク向けで、社内で出た問い合わせをQ&A形式で記録し、同じような問い合わせが出てもすぐに確認できるようにするものです。
これは一般的なナレッジマネジメントの方法で、社内の問い合わせ業務の時間削減に貢献します。
業務プロセス型
業務プロセス型とは、コールセンター向けで、顧客への対応手順などをまとめ業務を進める方法を共有するものです。
対応手順を共有化することで、高い顧客満足度を獲得することができます。
また、高度な質問だった場合、すぐに上司と交代できるようなシステムがあったり、業務プロセスを突き詰めていくと、顧客の潜在ニーズなどの解析したりすることにも役立ちます。
ベストプラクティス共有型
ベストプラクティス共有型とは、社内の優秀な社員の行動パターンや思考パターンを分析して共有するものです。
優秀な社員の暗黙知を形式知にして、社員と共有することにより、社員全体の能力を底上げします。営業職や技術職などに活用される方法です。
経営資産・戦略策定型
経営資産・戦略策定型とは、1つの成功事例を取り上げ、取り上げた成功事例をさまざまな角度から解析して、形式知とするものです。類似の事例はどのような内容だったのか、プロジェクトに携わる人のレベルはどの程度で、結果は違うのかなどを解析し、経営方針に役立てていきます。
経営資産・戦略策定型は、ナレッジを集めるというより解析を主としており、現在の業務プロセスの全体を調べ、無駄を無くすことはできないのか、より質の高い業務をおこなえないかという改善点を洗い出します。
ナレッジマネジメントツール運用の注意点
ナレッジマネジメントツールの運用をするのには、いくつかの注意点があります。
ナレッジマネジメントツール導入に際して社員の理解があるのか、ツールを運用する体制は整っているのかなどが考えられます。
ここからは、ナレッジマネジメントツールを運用する際の注意点を詳しく解説します。
「社員への浸透」が成功のポイント!
ナレッジマネジメントを上手く実施していくには、まずナレッジマネジメントの有用性を社員全体へ浸透させることが重要になります。
ナレッジマネジメントのことがわからない社員にとっては、暗黙知を形式知に変えるための業務は、通常業務に追加される余計な作業と捉える人がいます。
また、自分が仕事をする中で培った知識やノウハウを他の社員に知られたくないと考える人もいます。
そのような社員に対して、ナレッジマネジメントがどれだけ重要なのかを、しっかりと伝達することは重要なプロセスです。「決まりだから」という曖昧な理由でナレッジの共有を押し付けるのは好ましくありません。
また、企業全体で一気にナレッジマネジメントを導入するのではなく、一部の部署から始めることも大切です。本当にナレッジマネジメントを必要としている部署から始めて成果を出すことにより、ナレッジマネジメントに対しての認識づくりを行うことができます。
運用体制を整えてから導入する
ナレッジマネジメントを行うには、運用体制を整えることも重要です。社員がナレッジマネジメントについて理解したとしても、運用体制が整っていなければ、ナレッジマネジメントが先細りになっていく可能性があります。
具体的には、ナレッジに対する業務にインセンティブ制度を設けるなどの施策をおこなうことです。ナレッジ業務を評価対象にすることにより、ナレッジ情報の共有化が促進されます。インセンティブ制度が営業成績のみでは、知識やノウハウを他の社員に伝えるだけの業務は時間だけかかる仕事と、社員に認識されてしまいます。
ナレッジマネジメントにはeラーニングも効果的
ナレッジマネジメントには、
- 知識やノウハウなどの暗黙知を収集・インプットする
- 暗黙知をまとめ形式知に変えデータとして一元化する
- データ化した形式知を共有できるようアウトプットのシステムを作る
といった流れが必要です。
各ステップごとに異なるツールを使うケースもありますが、eラーニングシステムをナレッジマネジメントツールとして使うことで一元化できます。
ナレッジマネジメントにeラーニングが効果的である理由を次から解説していきます。
社員に学習の「場」を提供する
eラーニングとは、インターネットを利用した学習方法のことで、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンでも学習することができます。そのため、ナレッジを共有する研修を行う際に、会場などを借りる必要がなく、時間も選びません。
eラーニングを利用することにより、今まで制限されていた学習の「場」が広がります。このことにより、ナレッジマネジメントで収集したナレッジのデータを共有しやすくなります。
LMSによって学習管理の効率化も可能
LMSはLearning Management Systemの略で、学習管理システムと言われています。eラーニングは自由な学習ができる反面、社員ごとにどこまで学習したか、どの程度理解できたかを把握することが難しくなります。そこで利用するのがLMSです。
LMSなら、学習した人の学習範囲や理解度などを管理することができます。そのため、eラーニングを利用した学習にLMSを取り入れることで、暗黙知が形式知に変換される速度がアップします。
オリジナル教材で自社ノウハウをeラーニング化
現在のeラーニングはスピーディかつ低予算で教材化することができます。このことにより、eラーニングの教材を作成する企業が増えています。企業ごとにオリジナル教材を作成し、自社ノウハウを蓄積して社員に共有することができます。まさにナレッジマネジメントに最適と言えるでしょう。
eラーニングでオリジナル教材を作成する場合には、教材として社員に伝わりやすい内容やUI/UXにすることや、パソコンやタブレット、スマートフォンなどマルチデバイスに対応するなどが必要です。
eラーニング教材は購入すべきか、自社開発すべきか詳しく知りたい方は『eラーニングの教材は購入すべき?開発すべき?良い教材のポイントも』をご覧ください。それぞれのメリット・デメリットを紹介しています。
eラーニングでナレッジマネジメントをするなら「etudes(エチュード)」
ナレッジマネジメントを効果的に実施していくには、eラーニングがアウトプットを促す重要な役割を持ちます。
そのため、機能面やデザイン面まで考慮してeラーニングシステムを剪定することが肝心です。
そこでおすすめなのが、クラウド型eラーニングシステム「etudes」です。
etudesは、指導者・受講者がともにわかりやすいUI/UXを採用しており、効率的な学習によってナレッジの共有を実施できます。大規模な利用者数にも対応しており、小さな企業・部署から大企業まで対応可能です。
ナレッジマネジメントツールにはセキュリティ対策が重視されますが、etudesのeラーニングはクラウド型であるためセキュリティ面も万全です。
まとめ
ナレッジマネジメントの成功は、導入するナレッジマネジメントツールに左右されます。
ナレッジマネジメントツール導入のメリットを把握し、どのツールが自社に合っているのかを見極める必要があります。導入の際には、導入の意味を社員に理解してもらい、運用体制を整えておくことも忘れないようにしましょう。
また、ナレッジマネジメントは暗黙知の収集、収集したデータの整理、暗黙知を形式知に変えるアウトプットの流れをとります。そのため、アウトプットまで気を遣う必要があります。そして、アウトプットにはeラーニングによる教材化が適しています。
etudesであれば、さまざまな企業の要望にも合わせることができ、質の高い教材を作成するためのサポートも受けられます。教材の質次第で、ナレッジマネジメントの成果が変わるため、eラーニングシステムを選ぶならぜひetudesをご検討ください。
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