eラーニングのプラットフォームを紹介|必要な機能や選び方は?
eラーニングのプラットフォームとは、eラーニング受講の際に利用するシステムのことで、「LMS(eラーニングシステム・学習管理システム)」と呼ばれています。クラウド型のサービスを提供するベンダーも多く、昨今では必ずしも自社開発しなくても、スムーズにeラーニングを人材育成に導入することが可能になりました。
本記事では、eラーニングのプラットフォームの機能や種類、選び方についてや、人材育成でeラーニングを活用するメリットについて詳しく解説します。プラットフォーム選定について詳しく知りたい方は「LMS選定で考えるべきポイント6選」の無料ダウンロードもおすすめです。
実際に企業でどのように人材育成をしているのか、他社事例を知りたい方は「導入事例:住友ゴム工業株式会社 / 株式会社メガネトップ / 株式会社オカムラ / 他」で詳しくご紹介します。
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eラーニングとは
eラーニングとは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを利用して学習をする学習形態のことです。electronic Learningの略称で、直訳すると「電子的な学習」となります。
現在はwebを利用したeラーニングが一般的ですが、1990年代にはCD-ROMを利用したeラーニングが行われていました。CD-ROMを利用したeラーニングは、
- 一度配布したら内容修正が困難
- 制作にコストがかかる
- コミュニケーションが単一方向
このようなデメリットがありました。それを解決する方法が、webを利用したeラーニングと、後述する「LMS」だったのです。
webを利用したeラーニングは、内容の更新性が高く、コストも抑えられます。近年ではライブ配信などの双方向的コミュニケーションも取れるようになり、新しい機能は今後も続々と増えていくことでしょう。
eラーニング導入に必要な基礎知識を知りたい方は、こちらから「eラーニング導入に向けた基礎知識集」をダウンロードください。eラーニングの特徴や種類について紹介しています。
学習管理システム(LMS)とは
eラーニングは、LMSと呼ばれるシステムによって、その利便性を高めています。LMSとは、Learning Management Systemの略称で、直訳すると「学習管理システム」となります。
分かりやすく言うと、LMSとは、eラーニングのプラットフォーム(土台)となるシステムのことです。プラットフォームがないと、eラーニングはどのようなことができなくなるのでしょうか。
- 学習者の学習進捗管理
- 学習者の学習データ蓄積
- テストやアンケートの作成・配布
- テストやアンケートのデータ蓄積
- 学習教材の保管・蓄積
- スマートフォンやタブレットでのeラーニング
これらのさまざまな機能が、LMSがないと使えなくなるのです。LMSは、eラーニングを便利に活用するために、必ず必要なプラットフォームだと言えるでしょう。
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eラーニングプラットフォームの機能
eラーニングとLMSについて知ったところで、eラーニングプラットフォームの機能についてまとめていきます。eラーニングプラットフォームの機能は、以下の3つにおおまかに分けられます。
- 受講者情報の管理
- 学習進捗の管理
- 教材の管理・配信
では、詳しく見ていきましょう。
受講者情報の管理
まず、LMSの代表的な機能は、受講者情報を管理できることにあります。たとえば、入社してから1週間が経った新入社員に絞って新入社員研修を行ってほしいとき、受講者情報が登録されているプラットフォームを利用すれば、自動的に対象者に連絡を送ることができます。
プラットフォームを使わない場合は、対象者一人ひとりに担当者からメールを送る必要があり、大規模運用になればなるほどこの作業は手間がかかるでしょう。
学習進捗の管理
学習者の学習進捗を管理することも可能です。誰が、どの学習コンテンツを、どのくらい学習したかを一秒単位で記録できるプラットフォームもあります。
テストの点数やアンケート内容をもとに、学習者一人ひとりにフィードバックを送ることも可能となります。eラーニングは、「いつでもどこでも学習が可能」というメリットがある一方、「いつでもできるから今はやらない」といった心理が働きやすいデメリットもあります。
eラーニングのプラットフォームがあれば、そのような学習者へのフォローアップも可能となり、モチベーションの向上にも効果があるのです。
教材の管理・配信
eラーニングプラットフォームには、教材の管理・配信機能もあります。多くのプラットフォームが、さまざまなeラーニング教材のセットプランを販売しており、それら教材の管理や、新たに購入した教材の配信が可能となっています。
また、教材を内製しプラットフォームに上げることも可能な場合があります。LMSによっては、教材の内製化の支援を行っているところもありますので、必要に応じてプラットフォームを選択するようにしましょう。
LMSの代表的な機能について詳しく知りたい方は、関連記事「eラーニングに役立つLMS(学習管理システム)の機能をご紹介」をご覧ください。弊社LMS「etudes」特有の機能も紹介しています。
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eラーニングプラットフォームの種類
eラーニングプラットフォームでは何ができるのかを確認したところで、次はその種類について見ていきましょう。
eラーニングプラットフォームには、以下の2種類があります。
- オンプレミス版
- クラウド版
それぞれ、どのような特徴があるのでしょうか。詳しくまとめていきましょう。
オンプレミス版
オンプレミス版は、自社のサーバーにLMSをダウンロードする形でサービスを利用する方法です。オンプレミス版のメリットは以下です。
- カスタマイズが容易に行える
一方、デメリットは以下です
- 導入に大きなコストがかかる
- サーバーを置く場所が必要になる
自社で運用するサーバーにダウンロードを行うため、プラットフォームのカスタマイズが容易に行えます。一方で、後に紹介するクラウド版より導入にコストがかかったり、サーバーを置くスペースが必要になったりとデメリットもあります。
クラウド版
クラウド版は、仮想環境に構築されたシステムを利用するSaaSサービスです。クラウド版のメリットは以下です。
- 安値で導入ができる
- 導入までの期間がオンプレミス版より短い
一方、デメリットは以下です。
- サービスが終了する可能性がある
- 同時接続数が多くなると速度が遅くなる場合がある
既に作成されているSaaSサービスを借りるため、導入までに時間がかからないという特徴があります。また、サーバーを用意する必要もないため、比較的安価に導入が可能でサーバー設置場所も必要ありません。一方、サービスが終了する可能性があるなど、オンラインサービスならではのデメリットもあります。
クラウド型とオンプレミス型の比較について詳しく知りたい方は関連記事「クラウド型eラーニングとは?オンプレミス型との比較とメリットについて」をご覧ください。クラウド型eラーニングである「etudes」の導入事例も紹介しています。
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eラーニングプラットフォームを導入するメリット
eラーニングプラットフォームには、オンプレミス版とクラウド版がありました。次に紹介するのは、eラーニングプラットフォームを導入するメリットについてです。
- 学習状況を把握しやすい
- 無駄な手間やコストを削減できる
- 教育のレベルを揃えられる
これら、eラーニングプラットフォームを導入するメリットについて、下記で詳しく見ていきましょう。
学習状況を把握しやすい
集合研修を行った場合、対象となる人に研修を行った事実は残りますが、一人ひとりがどの程度理解をしたかの把握は難しいです。アンケートでどの程度理解したかを知ることはできますが、主観的な意見は正しくない可能性もあります。
eラーニングプラットフォームを利用すれば、一人ひとりがどの学習を、どの程度理解しているかを客観的な情報として収集することができます。たとえば、ある学習コンテンツを視聴し終わった後に、テストを実施します。その点数によって、どの程度理解したかを客観的に把握することができるのです。
学習状況が芳しくない人には、個別に指導やリマインドを行うことも可能となります。このように、eラーニングプラットフォームを導入すると、学習者一人ひとりの学習状況を把握しやすくなるのです。
無駄な手間やコストを削減できる
eラーニングプラットフォームを導入すると、集合研修で発生する多くの手間とコストを削減できます。削減できるコストや手間は以下のようなものがあります。
- 会場費
- 講師代
- 昼食代・宿泊費
- 資料印刷費
- 研修場所手配の手間
- 講師手配の手間
- 昼食や宿泊施設手配の手間
- 資料作成の手間
集合研修では、研修を行う度にこれらの費用が必要になりますが、eラーニングでは、場合にもよりますが、「講師代」が一度のみ必要となるだけで済むのです。集合研修では、研修の規模が大きくなればなるほど、これらの負担は大きくなっていくでしょう。
教育のレベルを揃えられる
たとえば、2回集合研修を開き、それぞれに20人ずつ、計40名に研修を行うとします。第一回と第二回の集合研修は、スケジュールの関係で違う講師を呼ぶことになりました。この時、第一回と第二回の集合研修で、教育のレベルを全く同じにすることは可能でしょうか。
答えは不可能です。同じ内容を教えたとしても、一言一句同じ文言で教えられる人間はいないでしょう。講師のその時の言い回しや、質問の有無など、多くの要因により、集合研修で教育のレベルを揃えることは至難の業です。
一方eラーニングプラットフォームを導入すれば、学習者は一つの決まった動画や資料を見る事になります。eラーニングを見た全ての人が、同じ学習コンテンツを見ることができるのです。
また、学習の習熟度も、テストなどを利用し把握することができます。一人ひとりの教育レベルを揃えるために、eラーニングプラットフォームは最適なのです。
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eラーニングプラットフォームを選ぶポイント
では、ここからは、eラーニングプラットフォームを選択するポイントについてまとめていきます。
- 講座内容
- 教材内容
- 対象人数
- 操作性
- 汎用性/互換性
- 金額形態
以下にて、詳しく見ていきましょう。
講座内容
講座(コース)内容が、自社の目的を解決できるものかどうかは、eラーニングプラットフォームを選択する最初のチェックポイントです。
ビジネスマナー研修でeラーニングを取り入れようとしたとき、ビジネスマナー研修専用の講座があるかないかは大きな選択の要素となる、ということです。
他にも、たとえば3本の講座で構成されたeラーニング教材と、14本の講座で構成されたeラーニング教材では、後者の方が充実した学びができます。ただし、前者の方が教材コストが安く、短いため学習完了率も高いかもしれません。このように比較をすることもできます。
自社がeラーニングに何を求めるのか、しっかりと明確にした上で、講座内容を確認しましょう。
教材内容
続いては、教材内容です。講座(コース)を選択するにしてもしないにしても、eラーニングで必ず必要なのが「教材」です。教材が充実していなければ、eラーニングを取り入れても意味がありません。
ただし、自社で教材コンテンツを作ろうと考えている場合は、教材作成ノウハウを持っていたり、教材作成ツールを用意していたりするeラーニングプラットフォームを選択するようにしましょう。
eラーニング教材を購入すべきか、自社開発すべきか詳しく知りたい方は関連記事「eラーニングの教材は購入すべき?開発すべき?良い教材のポイントも」をご覧ください。それぞれのメリット・デメリットを紹介しています。
対象人数
続いてのポイントは、対象人数です。eラーニングプラットフォームは、利用人数の上限や下限が決まっている場合があります。少人数の運用に適していたり、大規模運用に適していたり、eラーニングプラットフォームによって特性があるのです。
小規模運用に適しているeラーニングプラットフォームは、数人から数十人、100人までといったものがあります。一方大規模運用に適しているものは、100人からや1000人から、上限なしで運用できるものもあります。
中には、下限と上限を定めていないeラーニングプラットフォームもあります。数人の運用からはじめて、様子をみながら大規模運用に移行もできるのです。
操作性
操作性もeラーニングプラットフォームを選ぶ重要なポイントです。学習者が直感的に学習コンテンツを選択できるか、管理者が手間のかかる作業をせずに学習者の管理を行えるか、検討段階でしっかりと確認しておきましょう。
eラーニングプラットフォームの中には、学習コンテンツがパネル式で表示され、直感的に選択ができるようになっているものもあります。学習者画面と管理者画面のサンプルを確認して、実際に操作する時に不便に思わないかどうかイメージをしてみましょう。
汎用性/互換性
eラーニングプラットフォームが、互換性を持っているかどうかもポイントのひとつです。この「互換性」とは、SCORM規格に則って作成されているかどうかということになります。
SCORMとは、LMSと学習コンテンツの通信を統一化する標準規格のことです。SCORMが適応されているLMSを利用すると、異なるLMS間でも同じ学習コンテンツが利用できます。SCORMに沿って作成をすれば、あるLMSを利用している時に作成した学習コンテンツを、違うLMSでも利用ができる、ということになります。
SCORMを採用しているかしていないかは、長くeラーニングを利用していく中で、重要な検討のポイントとなるでしょう。
金額形態
eラーニングプラットフォームを検討するポイントとして、金額形態も重要になってきます。まず、初期費用がいくらになるかを確認しましょう。オンプレミス版か、クラウド版かによっても差がありますが、ここではクラウド版について紹介していきます。
クラウド版の初期費用は、1万円程度から100万円程度まで大きく差があります。入会金と呼ばれることもあります。一方で、初期費用無料のeラーニングプラットフォームもあります。
1ID毎に課金される金額形態もあれば、月額料金システム、年間利用料を設定しているところもあります。自社のニーズによって、最適な料金形態のeラーニングプラットフォームを選択するようにしましょう。
eラーニングの一般的な料金体系や相場について詳しく知りたい方は関連記事「eラーニングの開発費用、利用料金とは?料金システムと相場を解説」をご覧ください。クラウド型とオンプレミス型など、運用形態別の料金相場を紹介しています。
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eラーニングプラットフォームを導入する流れ
eラーニングプラットフォームを選ぶポイントを6つ見てきたところで、次はeラーニングプラットフォームを導入する流れについて紹介していきます。
- 調査・選定・契約
- 環境構築
- 運用準備・運用開始
以下にて、詳しくまとめます。
調査・選定・契約
まず調査を開始する前に、「なんのためにeラーニングプラットフォームを導入するのか」を明確にしておきましょう。導入目的を明確にした後は、eラーニングプラットフォームの調査を始めます。
さまざまあるeラーニングプラットフォームの中から、まずは「クラウド版」か「オンプレミス版」かを選択します。その後、自社の目的に沿った教材を配信しているか、対象人数は最適か、UI/UXを追求しているか、SCORM対応をしているか、そして金額形態は最適かを確認し、候補を数社洗い出します。
次に候補企業に問い合わせを行い、不明点を明確にした後、候補企業の比較を行いeラーニングプラットフォームを一社に絞ります。
ここぞという一社を選択したら、契約段階に入ります。
環境構築
続いては、環境構築です。クラウド版の場合、カスタマイズをせずにパッケージ導入をする場合は、5日前後〜数週間で導入が可能でしょう。
カスタマイズをする場合は、数週間から数か月の期間が必要になります。自社がどのような要望をeラーニングプラットフォームに対して持っているかによって、環境構築の期間は変動するでしょう。
オンプレミス版の場合は自社のサーバーに環境構築を行うため、場合にもよりますが、数か月の準備期間が必要となります。
運用準備・運用開始
eラーニングプラットフォームを導入する流れの最終段階は、運用準備・運用開始です。
- 標準版のeラーニングの操作研修
- 管理者権限の設定、パスワードポリシーの設定など、運用に関わる準備
- eラーニング教本作成
- サンプルデータでのテスト運用
- ユーザー情報や教材情報の登録
- eラーニング説明会の開催
などを経て、運用開始となります。場合によっても大きく異なりますが、2週間〜数か月程度かかるでしょう。
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eラーニングを活用できる場面は?
eラーニングプラットフォーム導入の流れは、「調査・選定・契約」「環境構築」「運用準備・運用開始」の3つに分けられました。ここからは、eラーニングを活用できる場面についてまとめていきましょう。
- 新卒社員教育
- 社内研修
以下にて詳しく見ていきます。
新卒社員教育
eラーニングは、毎年決まった時期に行われる新卒社員教育に対して、親和性が高い特徴があります。新卒社員教育は内容が一定であることが多く、一度eラーニングコンテンツ化してしまえば、繰り返し使用できるためです。もちろん都度の修正は必要となりますが、集合研修よりコストを削減できます。
基本的なビジネスマナーなどの内容だけであれば、パッケージ化された商品を購入し使用することも可能です。
社内研修
「若手社員向け」「チームリーダー向け」「部長職向け」など、さまざまなセットプランを活用したり、「ビジネススキル」や「考え方・価値観」などのテーマ別から選択したりと、多岐に渡る社内研修が活用できます。
社内ノウハウをeラーニング化することも可能です。また、職種によっては、実技研修と組み合わせることにより社内研修の幅は大きく広がることでしょう。
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まとめ
eラーニングのプラットフォームとなるシステム「LMS」は、受講者の管理や学習進捗の管理、教材の管理配信が行えるシステムのことでした。各企業によってeラーニングプラットフォーム導入の目的は異なります。導入目的に沿って、講座や教材内容を検討し、対象人数や金額を検討すると良いでしょう。
eラーニングプラットフォームを効果的に導入したいなら、人材育成に特化したアルー株式会社が開発・運営するクラウド型eラーニングシステム「etudes(エチュード)」をおすすめいたします。
引用元:etudes(エチュード)公式サイト etudesの機能・特長
etudesは、豊富な講座・教材を持ち、少人数から上限なしの大規模運用まで可能。学習者や管理者が使いやすいUI/UXを追求し、金額形態も明瞭です。
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