
オンデマンド研修とは?メリット・デメリット、やり方を詳しく解説
DX化の流れに伴い、研修のオンライン化を検討する企業が増えてきています。
オンライン研修の方法の中でも、特に多くの企業が注目している研修形態が「オンデマンド研修」です。
この記事を読んでオンデマンド研修のメリットやデメリット、導入方法を知って、社内教育をさらに充実させましょう。eラーニング配信によってオンデマンド研修を行う場合に必須のLMS(学習管理システム)の詳細も併せてご紹介しています。
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目次[非表示]
- 1.オンデマンド研修とは
- 1.1.リアルタイム研修との違い
- 2.オンデマンド研修が注目されている背景
- 3.オンデマンド研修のメリット
- 4.オンデマンド研修のデメリット
- 4.1.受講者の反応を直接見ることができない
- 4.2.受講者に研修を受けさせる強制力が弱い
- 5.オンデマンド研修のやり方
- 5.1.1.研修を管理する仕組みやルールを定める
- 5.2.2.動画教材を作成する
- 5.3.3.動画教材をプラットフォームで配信する
- 5.4.4.研修の進捗や学習効果を管理する
- 6.オンデマンドとリアルタイムを組み合わせた研修も効果的
- 7.オンデマンド研修には「etudes」
- 8.まとめ
オンデマンド研修とは
オンデマンド研修とは、録画配信型研修とも呼ばれる、研修のために予め作成された資料(主に動画コンテンツ)を用いるオンライン研修の形態の一つです。
オンライン研修は、この「オンデマンド研修」と「リアルタイム研修」の2つに分けられます。
どちらも受講するにあたって、Web会議システムの導入や、PCやスマートフォン、タブレット端末などの視聴するためのメディアが必要となる点は同じです。また、従来の集合研修と比較して会場が不要となるためコストが削減できることや、研修管理の負担を軽減できることから、多くの企業が導入しています。
リアルタイム研修との違い
リアルタイム研修は、アプリ等のWeb会議システムを使い、従来の集合研修と同じく講師が行う授業に参加するという形式の研修です。
リアルタイム研修では「リアルタイム」の名の通りその場で質問したり、受講者間で意見をやり取りすることができるという点で、オンデマンド研修とは異なります。一方、オンデマンド研修では、既に作成されている学習用コンテンツを視聴するため、受講者の都合の良い時に研修を受けたり、わかりにくいところは繰り返し視聴したりできるという点も、大きな相違点の一つです。
リアルタイム研修を行った後、その様子をオンデマンド方式で配信するといったように組合せて用いられる場合もあります。
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オンデマンド研修が注目されている背景
以前は、従業員が同じ時間に同じ場所に集まって研修を受けることが一般的でした。しかし近年では、働き方の変化によるテレワークの増加や事業のグローバル化、地方への支社設置といった要因により、対面研修が困難なケースが増えています。
そこで、従来の研修方式の代替として注目を集めるようになったのが、勤務場所の影響を受けずに行うことができるオンライン研修です。また、世界的なDX化やオンライン化の流れも、オンライン研修が注目されるようになった大きな理由の一つでしょう。
特にオンライン研修の中でも、受講場所だけではなく受講時間の影響も受けないオンデマンド研修は、多くの企業にとってメリットの多い研修方式です。
eラーニングによるオンデマンド研修が増加
現在、多くの企業がオンデマンド研修に注目していますが、実際にはどれくらいオンデマンド研修が増加したのでしょうか。具体的な数値で見ていきましょう。
「eラーニング戦略研究所」の調査によると、オンライン研修の導入には、次のような特徴があります。
- 新型コロナウイルスにより、研修が実施できなくなった企業は74.7%
- オンライン研修の導入時期は2020年2月以降(緊急事態宣言前後)が65%
- オンライン研修の形式はオンデマンド型が45%
- オンライン研修のためにeラーニングシステムを導入しているのは73%
オンライン研修を取り入れた企業のうち、約半数がオンデマンド研修を採用していることがわかります。
さらに、過半数がeラーニングによるオンデマンド研修を実施しています。
参考:eラーニング戦略研究所_コロナ禍における 企業のオンライン研修に関する調査報告書
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オンデマンド研修のメリット
オンデマンド研修を行うことによって得られるメリットとして、具体的に何が挙げられるでしょうか。オンデマンド研修は、リアルタイム研修とは異なり、講師の負担がより少なくなり、リアルタイム研修で必要なシステム・オペレーションの工数を減らすことができます。
また、次の4項目は特に大きなメリットです。
- 長期的な研修に向いている
- 好きな時間に好きなだけ学習できる
- 自社のノウハウを教材として蓄積できる
- 集合研修・リアルタイム研修よりもコストが抑えられる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
1.長期的な研修に向いている
オンデマンド研修は、受講者の都合の良い時間に研修を受けることができるため、スケジュール調整の必要がありません。対面式の集合研修では、スケジュールを調整したり、会場へ移動する必要があったりと、長期的な研修が困難でした。しかし、オンデマンド研修であれば、一旦コンテンツを配信する体制が整えば長期的かつ継続して研修を実施することが可能になります。
さらに、既に理解している部分は再生速度を上げたり、理解度の低い部分は繰り返し学習したりと、受講者が効率的に学べる方法である点もメリットです。受講者全員に均質な教育を施すことができるのは、他の研修システムにはない魅力でしょう。
2.好きな時間に好きなだけ学習できる
オンデマンド研修は、PCやスマートフォン、タブレット端末などのデバイスがあれば、受講場所や時間を選ばずいつでも好きなだけ学習することができます。
特に、繰り返し学習(マイクロラーニング)ができる点は他の研修形態にはない大きな強みです。リアルタイム研修であれば、聞き逃してしまった箇所や、わかりにくかった箇所をそのまま放置しているという受講者も少なくありません。しかし、オンデマンド研修であれば、受講者ごとの習熟度に合わせて学習を進めることができるので、学習の漏れをなくし、苦手分野を克服することにもつながります。
3.自社のノウハウを教材として蓄積できる
従来の集合研修には、研修を担当する講師によって、その内容や質が変動してしまうという属人化の問題があります。また、研修に関する資料や研修記録も、紙媒体であったり電子媒体であったりと統一されていないという課題もありました。
オンデマンド型の研修では、学習管理システム「LMS」を用いることで教材として配信するコンテンツや受講者ごとの受講状況などを、一括して管理できます。
一度コンテンツを作成すれば、自社のノウハウを教材としてLMS上に蓄積することが可能です。また、コンテンツの更新や修正、ブラッシュアップもシステム上で簡単に行うことができます。
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4.集合研修・リアルタイム研修よりもコストが抑えられる
従来の集合研修では、会場費や交通費・宿泊費・人件費等が研修の度に発生し、研修の規模や頻度によっては大きな支出となっていました。
オンデマンド研修なら、一度導入してしまえば、人件費等は不要になります。維持コストもそれほど高くないので、対面型の集合研修と比較すると、圧倒的にコストパフォーマンスが良いといえるでしょう。
また、オンラインでのリアルタイム研修でも開催の度に講師やシステム担当者が必要ですが、オンデマンド研修ではそれも不要です。研修担当者の負担を格段に減らすことができるという点でも、かなりコストを抑えることができるでしょう。
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オンデマンド研修のデメリット
コストパフォーマンスに優れ、学習効果も見込めるオンデマンド研修ですが、注意点もいくつか存在します。ただし、いずれの欠点も、LMSの機能によって補うことが充分可能です。デメリットを知っておくことは、オンデマンド研修の導入の失敗を防ぎ、よりよいシステムの開発や選択につながるでしょう。ここでは、次の2つのデメリットについて見ていきます。
- 受講者の反応を直接見ることができない
- 受講者に研修を受けさせる強制力が弱い
一つずつ、詳しく見ていきます。
受講者の反応を直接見ることができない
オンデマンド研修は、予め教材が作成されており、受講者は個々人でそれを利用して学習します。そのため、学習中に受講者が質問したり、発言したり、それに対して回答したり反応したりすることができません。また、受講者の理解度を把握することも困難です。
ただし、LMSによっては、アンケート機能や理解度測定テストを実施することができます。受講者の反応を知りたいと考えている場合は、こうした機能を搭載しているLMSを選ぶとよいでしょう。
受講者に研修を受けさせる強制力が弱い
オンデマンド研修は、その性質上、受講者の主体性の有無によって学習進度が変動してしまうというデメリットがあります。
「いつでも受講できる」という意識が先行してしまい、受講を先延ばしにしてしまったり、モチベーションが維持できないというケースもあるでしょう。
こうした強制力の弱さやモチベーション維持の難しさが懸念される場合、理解度測定テストを頻繁に組み込んだり、別途リアルタイムでの交流を設け、研修に関する意見交換の場を設置したりすることが重要になります。また、オンデマンド研修についての事前の説明や、飽きにくい配信コンテンツを充実させるといった施策も効果的です。
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オンデマンド研修のやり方
オンデマンド研修に関する情報をご紹介したところで、ここからは、実際にオンデマンド研修を行うには、どのように環境を整備していけばよいか、方法とそのポイントをご紹介します。インターネット環境やPC等の学習コンテンツを視聴する端末、教材や資料を用意しておくのはもちろんですが、それだけではなく、配信までの大まかな流れも確認しておきましょう。
オンデマンド研修の進め方を、以下の4ステップでご説明いたします。
- 研修を管理する仕組みやルールを定める
- 動画教材を作成する
- 動画教材をプラットフォームで配信する
- 研修の進捗や学習効果を管理する
流れを把握しておくことで、オンデマンド研修の導入の失敗を防ぐだけではなく、より効果的な研修態勢を築くことが可能になります。
1.研修を管理する仕組みやルールを定める
まずは、オンデマンド研修を管理する仕組みや、研修を実施する際のルールを明確に定めることから始めましょう。
オンデマンド研修は先述の通り、受講者の理解度や学習に対する姿勢を直接確認できるわけではありません。そのため、研修に関するルール作りやシステムの構築は、確実に研修の効果を得るために必須です。
また、適切にルールを定めることは、オンデマンド研修へのモチベーションを向上させることにもつながります。管理の仕組みやルールを設定したら、受講者にルールや評価基準を周知することも忘れずに行いましょう。
2.動画教材を作成する
管理システムやルールが構築できたら、実際に学習させたい項目について、動画教材を作成していきましょう。
オンデマンド研修の教材は実際の音声や動きを取り入れた動画にすると、より高い学習効果が望めます。
撮影した映像を動画に用いる際には、講師はもちろん、カメラやマイク、雑音の入りにくい環境等が必要になります。どのような方針でどういった教材を作成するかによって、準備するものが異なるため、事前に計画を練っておくことも非常に重要です。
また、内製化するか外部発注するかによっても、費用や計画が異なるため、どちらが自社に最適なのか検討しておきましょう。
内製化する場合
内製化する場合、自社のノウハウをより伝えやすく、社風・社則に沿った動画を制作することができるというメリットがあります。
企業によっては、シンプルかつ低コストで教材を作成できる場合もあるので、簡潔にオンデマンド研修を行いたいという方や、すぐに研修を行いたいという方におすすめです。
ただし、使用する機材や編集ソフトによっては、実際の稼働に知識や経験が必要であったり、クオリティの高いものを提供することが難しい場合があります。また、制作に時間をとられてしまうあるいは、制作コストがかかりすぎてしまうケースがあることにも注意しましょう。
外部発注する場合
外部発注する場合、独自の教育内容や規則等を反映させることが難しかったり、内製化に比べて費用が高くなったりするというデメリットがあります。しかし、ビジネスマナーやコンプライアンスといった一般的な研修は、自社の目的に合致している内容であれば、外部教材をそのまま導入することもできます。
また、制作を外部委託すれば制作時間をとられることがなく、高いクオリティの教材を得ることができるメリットもあります。ベンダーによっては、教材のプランニングから作成、効果測定まで一括で行うこともでき、目的に応じたオリジナルコンテンツを作成することも可能です。
研修動画の作り方について詳しくは『研修動画の作り方を流れで解説!効果的に実施するポイントも』の記事もご覧ください。
3.動画教材をプラットフォームで配信する
教材の作成を終えたら、オンデマンド研修用のプラットフォームで配信して、実際に研修を行いましょう。
配信の前に、動画サイズやボリュームが、プラットフォームと合致しているか確認しておくことも大切です。
無料の動画アップロードサイトやストレージサービスをプラットフォームとすることもできますが、受講管理が難しく、セキュリティ面でも危険性があります。そのため、LMSを活用してeラーニングとして動画教材を配信する方法が最適でしょう。LMSならサーバー内に自社だけの学習プラットフォームを構築することができ、学習管理に役立つ機能が豊富に用意されています。
4.研修の進捗や学習効果を管理する
教育コンテンツを配信して実際にオンデマンド研修を行ったら、研修の進捗や学習効果を適切に管理することも忘れず行いましょう。
オンデマンド研修のデメリットは、学習進度や効果が受講者に左右されることでした。このデメリットを解消するためにも、管理者側からのフィードバックや進捗管理、理解度の確認が重要になります。
また、研修に対する質疑応答の場を設けたり、受講者にアンケートをとったりすることにより、研修の効果を測定することも有効です。受講者の学習効果や進捗をチェックすることで、次回以降の教育コンテンツの見直しやブラッシュアップにつなげましょう。
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オンデマンドとリアルタイムを組み合わせた研修も効果的
オンデマンド研修とリアルタイム研修を組み合わせることで、双方のデメリットを解消することも可能です。
例えば、オンデマンド研修で受講者に理解を深めてもらった上で、より実践的な内容をリアルタイム研修のグループディスカッションで学ぶといった方法が挙げられます。
グループディスカッションで演習を行うことを事前に伝えておけば、オンデマンド研修で自発的に学習を進めるモチベーションになります。また、オンデマンド研修で基本的な知識を身につけた受講者に対してオンライン研修を行うことで、スムーズかつレベルの高い研修内容となるでしょう。
このような組み合わせは「ブレンディッドラーニング」といい、効果的かつ効率的な学習が期待できます。
ブレンディッドラーニングについて詳しくは『ブレンディッドラーニングとは?人材育成を効率化する方法について』の記事もご覧ください。
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オンデマンド研修には「etudes」
オンデマンド研修を自社でも取り入れたいとお考えなら、LMS「etudes」をぜひご活用ください。
etudesは、管理者にも受講者にも圧倒的に使いやすいUI/UXを採用しており、初めてのオンデマンド研修にも最適です。
また、eラーニングに必要な学習管理や理解度測定テスト、アンケート機能なども全て網羅しています。etudes一つで多様な受講者に対応し、社内教育を後押しします。
Microsoft Azureを採用した高度なセキュリティ対策も万全なので、オンライン研修での情報漏洩の心配もありません。
「etudesPlus」ならeラーニング受け放題
オンデマンド研修には、多数の企業で人材育成に携わってきたアルー株式会社のノウハウが詰め込まれたeラーニング教材が全て受け放題になる「etudesPlus」もおすすめです。
インプットだけではなく、思考・アウトプットさせるプロセスを組み込んだカリキュラムで、より高い学習効果をもたらします。
また、etudesPlusでは、eラーニングコンテンツ制作や、ブレンディッドラーニングに関するノウハウを提供する「etudesPlusナレッジボックス」という機能も利用が可能です。自社教材の作成に関しても、万全のサポート体制を整えているので、社内教育・研修をさらに効果的に行うことができます。
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まとめ
オンデマンド研修は、教育コンテンツを配信し、受講者各人がそれを利用して学習を進める研修形態です。
受講者の反応を直接知ることができなかったり、学習の進度は受講者の意思に左右されるという面があるものの、時間や場所の制約がなく、繰り返し学習ができ、教育効果が高いことから近年多数の企業に注目されています。
管理体制や明確なルールを設定することで、オンデマンド研修は非常に学習効果の高い研修方法となります。LMS「etudes」を運営するアルー株式会社では、オンデマンド研修の導入から効果測定まで、全てのサポートが可能な体制を整えています。
オンデマンド研修を実施するプラットフォームには、ぜひLMS「etudes」をご活用ください。
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