
eラーニングとは?学習者と企業側のメリット・デメリットをわかりやすく徹底解説
コロナ禍の影響で在宅勤務が増えたことにより、昨今では対面での研修実施の機会が少なくなっています。そんな中で多くの企業で導入が進んでいるのがeラーニングです。
しかし、「導入しても自社に適したeラーニングのコンテンツを内製できなかった」「eラーニング導入後、あまり社員に利用されなかった」などの理由から導入に失敗してしまったり、導入するかどうかを悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
導入を失敗しないためにも、この記事ではeラーニングを導入するメリットとデメリットを企業側と学習者側の2つの視点で解説し、導入を成功させる方法をご紹介いたします。
▼自社に適したeラーニング導入のためにおさえたい失敗例
目次[非表示]
- 1.eラーニングとは?
- 2.【企業側】eラーニングのメリットとは
- 2.1.研修のコストを削減できる
- 2.2.学習者の管理を効率的にできる
- 2.3.効率的な情報共有ができる
- 2.4.学習データを自動でシステムに蓄積できる
- 3.【学習者側】eラーニングのメリットとは
- 3.1.時間や場所を気にせずどこでも学習できる
- 3.2.講師に関係なく安定した教育が受けられる
- 3.3.反復学習ができる
- 4.【企業側】eラーニングのデメリットとは
- 4.1.ITの知識が必要になる
- 4.2.内製コンテンツを作る場合は手間がかかる
- 4.3.学習者本人の主体性や自律性が求められる
- 5.【学習者側】eラーニングのデメリットとは
- 5.1.インターネット環境がないと利用ができない
- 5.2.講師や企業側との人脈作りが難しい
- 5.3.モチベーションが維持しづらいことも
- 5.4.実技実習のスキルは身に付きにくい
- 6.eラーニングの導入を成功させるには?
- 6.1.まずは導入の目的を明確にする
- 6.2.LMS(学習管理システム)を活用しよう
- 6.3.学習意欲をアップさせる工夫をしよう
- 6.4.フィードバックなどのアフターケアを忘れずに!
- 7.まとめ
eラーニングとは?
eラーニングとは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのモバイル機器や端末を利用し、インターネットを活用して学習や研修を行う学習方法・学習サービスの総称です。
eラーニングを受講するためのプラットフォームである、学習管理システム(LMS)を使用した学習を指すこともあります。
eラーニングは、説明型の講義など基本的な学習を研修や授業の前に行い、予習をしておくことで知識の定着や応用力の育成を狙う「反転授業」や、対面式での学習に加えて自由に学ぶことができる「ブレンド型学習」と相性が良く、新型コロナウイルス感染症の影響によって、2020年ごろから大学などで急速に普及しました。
学習者が自分のペースで受講することができ、知識が着実に身につくことから学校だけでなく、効率的なオンライン研修実施や、社員の自律的な学習を実現したい企業などで積極的に導入が進んでいます。
eラーニング導入に必要な基礎知識については、ぜひこちらのリンクから『eラーニング導入に向けた基礎知識集』の資料をダウンロードください。基本用語の説明やeラーニングの特徴や機能についてご紹介しています。
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【企業側】eラーニングのメリットとは
これからeラーニングを利用して得られるメリットについて、運営企業側の視点でご紹介していきます。
挙げられるメリットは次の5つです。
- コストを削減できる
- 学習者の管理を効率的にできる
- 効率的な情報共有ができる
- ノウハウが蓄積できる
それでは1つずつのメリットを詳しく見ていきましょう。
研修のコストを削減できる
eラーニングを導入することで、対面での研修にかかるコストを大幅に削減することができます。
集合研修を実施する場合には、会場費や交通費、宿泊費、講師料など、さまざまなコストが発生します。さらに、学習者の人数が増えていくほど、配布用教材の準備、学習者への連絡などの業務も増えてしまいます。
eラーニングなら、自宅で研修を受けることができますので、会場費や社員の宿泊費なども不要です。eラーニングの初期導入時には一定のコストがかかりますが、長期的には研修のための費用を抑えることにつながるでしょう。
学習者の管理を効率的にできる
eラーニングを利用すれば、進捗状況やテスト結果などを管理者がリアルタイムですぐに確認でき、学習者の管理を効率的に行うことができます。
また、学習者のレベルに合わせた、個々の研修・学習プログラムを提供することも可能です。
進捗具合によってリマインドを送る、テスト結果に応じて個別教育を行うなど、各企業の目的に応じて、学習者一人ひとりの自律学習を支援しながら、企業全体のスキルアップを図ることができます。
効率的な情報共有ができる
eラーニングの場合、使用する教材や動画コンテンツを管理者が従来より少ない工数で、効率的に学習者に提供することができます。教材の内容を追加・訂正したい場合もオンライン上で簡単に差し替えや再配布することが可能です。
また、教材や動画コンテンツの提供だけでなく、eラーニングの仕組みを活用して、社内マニュアルや自社製品・サービスについての情報などを企業側から共有することもできます。
そのため、社内情報の伝達の徹底や、情報共有のスピードのアップが期待できます。
学習データを自動でシステムに蓄積できる
これまでは管理者が学習者の出席情報や学習の進捗具合などのデータを手動でまとめ、そのうえで数値化する必要がありました。しかし、LMS(学習管理システム)を導入してeラーニング学習をすると、システムに学習者の学習時間・進捗率・取得点数などが、自動的にデータベースに記録されます。
この仕組みを活用すれば、工数をかけてデータ分析し結果を数値化する手間がなくなります。
さらに学習者の学習結果がデータで蓄積されることで、人材の傾向分析や教育施策の検討に活用することができます。
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【学習者側】eラーニングのメリットとは
これからeラーニングを利用して得られるメリットについて学習者側の視点でご紹介していきます。
挙げられるメリットは次の3つです。
- 時間や場所を気にせずどこでも学習できる
- 講師に関係なく安定した教育が受けられる
- 反復学習ができる
それでは1つずつのメリットについて詳しく解説していきます。
時間や場所を気にせずどこでも学習できる
対面での研修の場合には、研修をするのに講義会場まで行かなくてはならず、宿泊費がかかったり、移動に時間がかかってしまいます。
その点eラーニングでは、受講会場まで行かなくても、学習者の好きな時・好きな場所で勉強をできるので、効率的に学習を進めることができます。自宅はもちろん、通勤・退勤時、仕事の休憩時間など、自分の好きなタイミングで学習できるのがメリットです。
講師に関係なく安定した教育が受けられる
eラーニングでは同じ教材を使い学習するため、従業員全員に統一した知識・スキル・情報が身につきます。
対面型だと、講師により教育方法や習熟度が異なるため、教育の質が変わってきます。その影響から、受講者の知識・スキル・情報レベルに偏りがでて、再教育を行う事態につながる可能性があります。
しかし、eラーニングなら学習者全員が同じ教材で学習するため、個人レベルだけでなく、企業レベルで知識・スキル・情報の統一化が図ることができ全体のスキルアップができます。
反復学習ができる
学習において個々人の理解力や、集中力には差があります。
そのためリアルタイムでの講義だと、授業進行に対し自分の理解が追いつかず、分からないまま講義を終えたり、メモを取っているうちに聞き逃しが発生する恐れがあります。
しかしeラーニングでの学習なら、復習・予習も可能です。理解できなかった箇所を理解できるまで、何度も学習することができ、学習者が自分のペースでスキルを習得することができます。
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【企業側】eラーニングのデメリットとは
一方、eラーニングを利用することで発生するデメリットについても運営企業側の視点でご紹介していきます。
挙げられるデメリットは次の3つです。
- ITの知識が必要になる
- 自社でコンテンツを作る場合は手間がかかる
- 受講者本人の主体性が求められる
それでは1つずつのデメリットを、詳しく見ていきましょう。
ITの知識が必要になる
eラーニングを導入するには、配信・管理するための専用システムを導入・管理するにあたって、ITの知識が必要になってきます。
そのため、IT人材を保有していない企業では担当者への教育を行っていく手間が発生し、教育にさけるリソースの少ない企業では、システム導入自体が負担になる可能性がでてきます。
ただ、最近ではクラウドサービスとして提供しているeラーニングシステムも多くあるため、クラウド型の場合は、ITの知識がなくても手軽に導入が可能です。運用でトラブルや困ったことがあれば、ベンダーのサポートを活用することができます。
内製コンテンツを作る場合は手間がかかる
コンテンツをeラーニング提供会社から購入して学習させるのであれば、コンテンツ準備に手間は掛かりません。しかし自社で内製する場合は、それ相応の時間と手間が発生してしまいます。
また、内製した教材に不備や変更が生じた場合も、自分たちで修正しなければならず、教材作成を担当する社員の育成に、手間やコストが発生します。
しかし、一度作った教材は何度でも繰り返し配信でき、内容の変更をする際に自分達ですぐに対応できるなどの長所もあります。
学習者本人の主体性や自律性が求められる
eラーニングは「やりたいときに、好きな場所でやりたいだけできる」というメリットがある一方で、進め方が学習者個人のモチベーションに大きく左右される部分があります。
集合研修に比べて強制力に欠け、他の学習者がいないことがモチベーションを下げるひとつの要因となっています。
そのため、eラーニングのモチベーション維持は、大きな課題といえるでしょう。そのため、企業側はモチベーションを下げない工夫を施す必要があります。
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【学習者側】eラーニングのデメリットとは
eラーニングを利用することで発生するデメリットについて、今度は受講者側の視点でご紹介していきます。
挙げられるデメリットは次の4つです。
- インターネット環境がないと利用ができない
- 講師や企業側との人脈作りが難しい
- モチベーションが維持しづらいことも
- 実技実習のスキルは身に付きにくい
それでは1つずつのデメリットを、詳しく見ていきましょう。
インターネット環境がないと利用ができない
eラーニングの学習は、インターネット環境がなければできません。
そのためインターネット環境がない方は、eラーニングのシステムにアクセスできず受講ができません。
しかし、現代ではモバイルWi-Fi・スマートフォンの普及によってインターネットを日常的に利用しているので、そこまで障害にはならないでしょう。
とはいえ、学習者によっては自宅などの限られた場所でしか受講ができず、学習機会の不平等が発生する場合があります。
導入する前に全員が平等に受講できるよう、対策を考えておくことが大切です。
教材をオフラインでも活用できるようダウンロードを可能にしたり、モバイル端末やポケットWi-Fiを支給したりすることで問題の解決ができるでしょう。
講師や企業側との人脈作りが難しい
eラーニングは、コンテンツを自律的に学ぶため、内容によっては講師や他の社員の方と交流する機会を作り出すことが難しい場合があります。
例えば学習を終えて疑問点があったとしても、講師に直接質問することができず、問題解決に時間を要することもあります。
また、一緒に学習した方との意見交換がしにくい場合は、縦や横に繋がった人脈を構築できない可能性も考えられます。
モチベーションが維持しづらいことも
eラーニングは学習者の好きな場所で好きな時間にできるメリットがありますが、受講者の自発的・自律的な行動に委ねられます。そのため、従来の研修・教育とは違い強制力に欠けるため、やる気が起きない、「いつでもできるから」と先送りにしてしまい、受講しない方が増えてしまうこともあり得ます。
企業側がモチベーション維持につながるシステムを導入したり、管理者が一緒に学習者の目標設定に取り組むなど、学習者のモチベーションを上げるための施策を打つことも大切です。
実技実習のスキルは身に付きにくい
eラーニングでは教材コンテンツを視聴する学習スタイルがメインとなるため、道具を使ったり人と関わるような実技実習には向いていません。
とはいえ、実技実習が必要な職種では実習を行う必要がでてきます。その際は、zoomなどのビデオ通話アプリと連動して実習、演習の様子をリアルタイム配信するといった方法でカバーすることができます。
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eラーニングの導入を成功させるには?
導入前にeラーニングのメリットとデメリットをきちんと理解することで、導入の成功や活用につなげることができます。そのためにも、事前に正しい知識を持ってeラーニングシステムの比較・検討を行うことが必要となります。
検討をきちんと行わずに「一番安い費用で運用ができるから」といった安易な理由で導入してしまうと、結果的にeラーニング教育が定着せず導入失敗となりかねません。
導入を成功させるために必ず押さえたいポイントを4つ紹介していきます。
- まずは導入の目的を明確にする
- LMS(学習管理システム)を活用しよう
- 学習意欲をアップさせる工夫をしよう
- フィードバックなどのアフターケアを忘れずに!
一つずつ、詳しく解説していきます。
まずは導入の目的を明確にする
eラーニングを導入するにあたり、「導入目的」を明確にしておくことは大切です。
目的がハッキリしないまま導入してしまうと、企業にとって最適なeラーニングシステムを選択できず、思うような効果が得られなくなる可能性があります。
導入を検討する際には、企業の経営目標・企業が抱えている人材の課題などを明確にし、問題解決・目標達成をするのに必要なeラーニングシステムを選ぶ必要があります。
導入の目的がすぐに思いつかない、まとまらない場合はまず「eラーニング導入によって何を期待しているか、どの問題が解決できると思うのか」を考えることから始めましょう。
LMS(学習管理システム)を活用しよう
eラーニングを導入するにあたって、受講管理を効率化し、学習による効果を最大限にするにはLMS(学習管理システム)を活用する必要があります。
LMSとは、学習者ひとりひとりのeラーニング学習進捗・学習履歴の管理、配信を自動化するシステムです。学習コンテンツのデータを蓄積するプラットフォームにもなります。
LMSを使用しない場合、学習の進み具合をエクセルなどに手打ちで入力して管理するといった手間や作業工数が発生し、効率的にeラーニング運営をすることが難しくなります。また、学習者への教材配信や受講を促すメールの送信など、学習にあたり必須であるコミュニケーションもすべて手動での作業となってしまうでしょう。
今やLMSはeラーニング導入と運営になくてはならない必須のシステムです。eラーニングシステムそのものにLMSが搭載されているサービスを選ぶことをおすすめします。
学習意欲をアップさせる工夫をしよう
eラーニングを活用していく上で、学習意欲を上げる工夫をしていくことが大事です。
デメリットでお伝えした通り、eラーニングでの学習の実施は受講者の主体性に委ねられることとなります。学習者が自発的に受講をしたくなるような、学習をしやすい環境を作りましょう。
例として、
- 学習を促すメッセージをメールだけで配信するのではなくスマホのプッシュ通知にし、気づいた時にすぐスマホで学習できるようにする
- 自律的にeラーニングで学習する社員の意欲を、きちんと人事評価にも反映させる
- 社員や学習者の特性に合わせたeラーニング教材を配信する
といった工夫が考えられます。
eラーニングを使った学習者の自律型学習の取り組み事例について詳しく知りたい方は、こちらのリンクから『自律型学習を実現する新しい社内教育の取組事例3選』の資料をぜひダウンロードください。企業が自律的に社員が学びあう環境を作り出すことに成功した事例を紹介しています。
フィードバックなどのアフターケアを忘れずに!
eラーニングの導入は、企業が「学習者へeラーニング教材を提供するだけ」で終わらないことが大切です。eラーニングは学習者の個々のやる気や自律性に左右される上、わからない所があってもすぐに質問して解決できない環境では、学習意欲や理解度が低下する恐れもあります。
学習者の学習意欲や理解度の低下防止を図るためにも、企業側は「eラーニング学習の場を提供したら終わり」ではなく、学習者のeラーニング学習全体の振り返りや、個別のeラーニング学習の中で提出された課題などに対して、丁寧にフィードバックを実施するようにしましょう。
学習者へ個別に連絡してフィードバックする場合、管理工数がかかり効率的な運営が難しいことがありますが、LMSの基本機能を利用すれば少ない手間や工数で、企業側にとっては効率的に、学習者にとっては自律的に学習を継続することができます。
学習者がeラーニングを自律的に継続学習していることを企業として評価すれば、学習者にとって一番のモチベーションアップへつながるはずです。
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まとめ
今回は、eラーニングのメリット・デメリットと、導入を成功させるのに必要な4つのポイントを見てきました。
eラーニングやLMSは各企業のサービスによって機能の特色が変わってくるため、自社の導入目的に合わせ、必要な機能が搭載されているeラーニングシステムを選択するようにしてください。
アルー株式会社では、人材育成の課題をオールインワンで解決するクラウド型eラーニングサービス「etudes(エチュード)」を提供しています。アルー株式会社の20年にわたる人材育成のノウハウを集結した豊富な教材や、充実したサポート体制が評価され多くの大手企業に導入されています。
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