
eラーニング導入を成功させるポイントは?導入方法や事例もご紹介
eラーニングは、新型コロナウイルスの影響により、大学の授業や企業の研修などで導入が進んできました。
特に、企業での人材教育のために成果や進捗を可視化したい、研修の日程調整などの工数を削減したいなどの理由から、人材の教育研修の中でeラーニングは欠かせないものとなっています。
ですが、eラーニングシステム(LMS)は数多くのベンダーから提供されているため、どのように導入を進めれば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、企業がeラーニングを導入する際に明確にしておきたいポイントや、導入のメリット、導入方法をご紹介いたします。
eラーニング導入に必要な基礎知識を詳しく知りたい方は『eラーニング導入に向けた基礎知識集』をダウンロードください。eラーニングの特徴や種類について紹介しています。
目次[非表示]
- 1.eラーニングとは
- 1.1.eラーニングの費用相場
- 1.2.eラーニング導入のメリット
- 2.eラーニングを導入する前に考えておきたい6つのこと
- 2.1.eラーニングを導入する目的・目標を明確にする
- 2.2.eラーニングの学習対象者を決める
- 2.3.教材の調達方法を決める
- 2.4.eラーニングの利用方法と端末を確認する
- 2.5.eラーニングの導入時期を決める
- 2.6.管理・運用体制を整える
- 3.eラーニングの導入方法
- 4.eラーニングの導入事例
- 4.1.株式会社メガネトップ
- 4.2.住友ゴム工業株式会社
- 4.3.株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューション
- 5.まとめ
- 6.クラウド型eラーニングシステムなら「etudes」
eラーニングとは
そもそもeラーニングとは、「インターネットを利用した学習方法」を指します。塾での講義や企業での集合研修など、従来オフラインで行ってきた学習とは対照的です。パソコンやスマートフォン等があれば、いつでもどこでも学ぶことができる学習形態になっていることがeラーニングの特徴です。
eラーニングには自社にサーバを設置する「オンプレミス型」と、ベンダーが持つサーバをインターネット環境を通じて利用する「クラウド型」の2つに分類できます。
eラーニングの費用相場
eラーニングの費用や相場感はどの程度か気になるかと思います。サービスによって異なりますが、クラウド型の費用相場は、以下の通りです。
クラウド型 |
費用相場 |
初期費用 |
0円〜100万円程度 |
ユーザー数100人まで |
5万円〜12万円程度/月額 |
ユーザー数200人まで |
7万円〜15万円程度/月額 |
メーカーによって異なりますが、料金形態としては初期費用+月額料金のサービスが多いようです。サービスによっては、初期費用の有無や金額に差があり、ユーザー数に応じてボリュームディスカウントがあります。
オンプレミス型のサービスの場合の費用相場は以下のようになっています。
オンプレミス型 |
費用相場 |
ネットワークハードウェア費用 |
30万円~100万円 |
ネットワーク構築費用 |
20万円~50万円 |
ネットワーク保守費用 |
40万円~100万円 |
このほかにも、自社運用をする際の人件費やサーバを置く場所代が必要になるでしょう。
eラーニング導入のメリット
eラーニングを導入することで、どのようなメリットがあるのか気になる方も多いでしょう。ここでは、人事部などの企業側(運営側)のメリットをご紹介します。
企業側のメリットには、以下の3点が挙げられます。
- 学習機会を平等に提供できる
- 進捗状況等を一元管理できる
- 研修コストの削減につながる
研修講師によって講義の内容やレベル感にバラつきがある、という悩みを抱える企業が少なくありません。しかし、eラーニングを活用することで、研修の品質を一定に保つことができます。
また、それぞれの学習者の受講状況を確認できるため、人事側が研修コンテンツの管理や改善にデータを役立てることができます。例えば、「受講率が低いのはどのようなコンテンツなのか?」「研修後のアンケート結果が悪いから、コンテンツを改善しよう」「パフォーマンスが良い社員はどのような学習をしているのか?」など、データを活用して施策を打つことができます。
研修のコストを削減することができます。オフラインで集合研修を企画するとなると、講師の費用・会場代・参加者の交通費等、様々なコストがかかります。一方で、eラーニングであれば、研修コンテンツを1回作ってしまえば上記の費用をカットすることが可能です。
eラーニングを導入する前に考えておきたい6つのこと
eラーニングを導入することには様々なメリットがありますが、最も重要なのは導入してから有効活用することです。「導入してみたけど、活用できていない」「導入したけど、社員の受講率が悪い」などの課題感を抱えてしまうこともあります。
導入する前に検討しておくべき点は、以下の6つです。
- 導入する目的・目標を明確にする
- 学習対象者を決める
- 教材の調達方法を決める
- 利用方法と端末を確認する
- 導入時期を決める
- 管理・運用体制を整える
では、それぞれ見ていきましょう。
eラーニングを導入する目的・目標を明確にする
まず重要なことは、「導入する目的や目標を明確にしておくこと」です。自社の課題感をベースに、なぜ導入するのか・導入して何を実現したいのかを明確にしましょう。
実際に導入してみたものの、運用方法や導入目的が言語化されていないことで、「なんとなく運用している」「導入したものの形骸化している」という事象が発生してしまうことも多くあります。
導入して終わりではなく、自社の課題を解決するために、eラーニングを導入するというスタンスを忘れないようにしましょう。
eラーニングの学習対象者を決める
続いて、eラーニングの学習対象者、つまり受講者が誰なのかを確認しましょう。学習対象者が全社員なのか、営業部の社員なのか、新入社員が対象なのかなど、どの階層が対象なのか明確にすることが重要です。
なぜなら、学習履歴を分析する際、受講対象者が明確でないと、学習効果の測定が難しくなってしまうからです。
また、学習対象者によって利用するコンテンツも変わってきます。
受講者の属性情報として、部署・年次・職種・雇用形態などが設定できるため、運用開始前に明確にしておくと、導入後のスムーズな活用が可能になるでしょう。
教材の調達方法を決める
教材の調達方法を検討しておくことも重要です。調達方法はいろいろありますが、4つの方法をご紹介します。
- 既存のものを教材化する
- 集合研修で実施していた内容を動画化し公開するといった方法です。最近ではオンラインミーティングでの研修を実施する企業も増えてきています。研修動画を録画し、後日コンテンツとして公開することが可能です。
- 既製品の教材を購入する
- eラーニングのコンテンツを提供している、いわゆるeラーニングベンダーから購入するという方法です。一般的な内容のコンテンツを受講者に提供できます。
- 既製品の教材をカスタマイズする
- 上記の既製品を自社用にカスタマイズするという方法です。例えば、ケーススタディを自社でよくある事例に置き換えるなど、コンテンツの一部を変更するといった活用方法ができます。身近な事例を基にしたコンテンツにすることで、受講者が具体的なイメージを持つことができます。
- 教材を新たに作る
- 2つパターンがあり、自社で作る方法とeラーニングベンダーに作ってもらう方法があります。近ごろでは、教材育成ツールを導入する企業も増えており、フォーマットに沿ってコンテンツを作成することで、効率的に自社独自の教材を作成することができます。また、eラーニングベンダーに発注することで、高品質かつ自社の要望に沿った教材を作成することができます。
eラーニング教材は購入すべきか、自社開発すべきか詳しく知りたい方は『eラーニングの教材は購入すべき?開発すべき?良い教材のポイントも』をご覧ください。それぞれのメリット・デメリットを紹介しています。
eラーニングの利用方法と端末を確認する
eラーニングを導入・実装する上では、システム環境を確認することも重要です。クラウドタイプかオンプレタイプかによって、環境も変わってきます。自社のセキュリティ環境によって制限の有無等が変わってくるため、情報システム部門やセキュリティ関連の部門に事前確認をしましょう。
また、受講者の利用端末も検討しておくと良いでしょう。社用のパソコンからのみ受講できるのか、社外からでも受講できるようにしたいのかによって、対応しているサービスを選ぶ必要があります。「導入前は社内外問わず受講できる想定だったが、導入してみたらアクセス制限があった」などのトラブルが無いように、ベンダーに相談しておくことが重要です。
eラーニングの導入時期を決める
導入時期を想定することも重要です。導入にあたって、さまざまな準備が必要になるため、段取り良く進めるためにも、予め導入時期を決めておきましょう。
eラーニングを導入する際に必要な準備は以下の通りです。
- 環境構築
- 教材コンテンツの準備
- ユーザーの設定
- 運用の試験
- 社内への周知
ベンダーが導入の支援をしてくれますが、運用を開始したい時期から逆算して準備期間の設計をしましょう。一般的には1~3ヶ月ほどかかるケースが多いです。繁忙期に導入すると、設定などの管理が行き届かないこともあるので、比較的落ち着いた時期を狙うとよいでしょう。
管理・運用体制を整える
導入後にうまく活用するためには、管理や運用の体制を設計しておくことが重要になってきます。管理や運用の体制を整える際には、以下のことを意識してみましょう。
- 学習コンテンツを今後いつまでにどのくらい増やしていくのか
- 受講者の学習履歴をどのように活用していくのか
- システムトラブルがあった場合、どういったオペレーションで対応するのか
各部門の責任範囲や役割分担を明確にしておくと良いでしょう。導入後に慌てて決めてしまうと、うまく活用できないケースも考えられます。予め体制を整えておくと、急なトラブル時でも対応しやすくなるでしょう。
eラーニングの導入方法
ここからは、具体的な導入方法をご紹介していきます。実際に導入する際は、部門横断で関係する部署が複数あるケースも少なくありません。
導入する際の手続きや準備に必要なのは、以下の4つです。
- 契約締結
- 環境構築
- 運用準備
- 運用開始
では、それぞれ詳しく解説します。
契約締結
まずは、契約締結のフェーズです。契約締結に至るまでには、複数のベンダーと商談し比較検討することをおすすめします。複数社に問い合わせて、情報収集を開始してデモの案内を依頼します。自社の課題感や導入目的を認識し、課題を解決できるベンダーを選定するとよいでしょう。
次に、具体的な要件を定義し、ベンダーとすり合わせを行います。ITツールの導入になるため、先ほど紹介した利用方法や端末についての確認をしましょう。ここでは、細かく確認するというよりは、「導入にあたって、環境面で問題はないか?」の観点で進めるとスムーズです。
最終的に、社内で予算を取り、業者を選定して契約締結になります。サービスを選定するにあたって、選定における基準や優先して考慮すべきポイントを明確にしておくと良いでしょう。コスト面なのか、ベンダーのサポート体制なのか、判断軸を決めておくことでスムーズに業者選定ができます。
環境構築
契約締結が完了したら、環境構築に移ります。ベンダーに要件を伝えた上で、自社のアカウント発行やシステムを開設してもらいます。オプションやカスタマイズの有無などの要件によって、環境構築に要する時間がかかってきます。契約締結前の提案段階で、ある程度のスケジュール感を確認しておくことが重要です。また、オプションによっては環境構築に時間を要する場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
運用準備
環境構築ができたら、運用の準備に取り掛かります。まずは、誰がどのように管理していくか、などの管理方法を決めましょう。サンプルデータでテスト運用をすることも重要です。コンテンツ配信から受講完了後までの一連の運用に問題がないか確認しておきましょう。
また、教育施策として効果測定をするためにも、受講者が「データをどのように活用するのか」「受講者のフォローをどのように行うのか」などのイメージをしておきましょう。研修は受講して終わりではなく、受講後のパフォーマンスを高めることが重要です。運用準備の最後にマニュアルの準備や受講者への周知をして完了です。
運用開始
ユーザーに利用案内を配信して、運用を開始します。コンテンツの配信日にメールを自動送信できる機能を活用するケースが多いです。運用開始の段階では、受講者から問い合わせがあった際の窓口を設定しておくことが重要です。
社内で対応できる体制ももちろんですが、ベンダーのサポートも欠かせません。事前に対応窓口を設定し、何かあった際でも対応できるようにしましょう。
eラーニングの導入事例
ここまでは、eラーニングのメリットや導入の流れを解説しました。しかし、実際に導入後にどのような方法で活用すればよいのか、具体的なイメージが湧かないケースもあるでしょう。
ここでは、実際に弊社が提供しているLMSである「etudes」を利用していただいた企業の導入事例をご紹介いたします。
株式会社メガネトップ
株式会社メガネトップは、自発的に学習していく風土醸成をするために導入・活用している企業様の事例です。一人ひとりに短期的な目標を設定させることはなく、自発的な取り組みを進めるようにして研修を行っています。
- 職位ごとの階層別の研修
- 職種ごとに必要なスキルや知識を身に着ける研修
- キャリア支援の一環としての研修
上記のように、セグメントや目的にフォーカスし、幅広くかつ網羅的に研修を設計している事例です。
詳しくは『メガネトップ様 etudes導入事例』をご覧ください。
住友ゴム工業株式会社
住友ゴム工業株式会社は、受講履歴の管理・蓄積に課題感をお持ちの企業さま様の導入事例です。タレントマネジメントを将来行なっていくにあたって、データベースとして、受講履歴を管理する必要があるという課題感をお持ちの企業さま様です。人事システムに連携することで、データを有効活用している事例です。
情報提供の見落としが減ったり、動画を作ることで同じ説明を何度もしなくてよくなるという業務の効率化に繋がりました。以前使用していたeラーニングの2年間の累計受講者数をetudes導入後半年で達成しており、受講完了率は90%以上をキープできているようですしています。
詳しくは『住友ゴム工業様 etudes導入事例』をご覧ください。
株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューション
株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズは、2009年に三越と伊勢丹それぞれの人材系会社が合併して誕生した会社です。集合研修を中心に実施しており、運営側の負担が大きく、受講者の時間的な制約や手間がかかっていたことが課題でした。eラーニングを導入することで研修を企画する上での負担削減が実現されています。
これによりスマートフォンやタブレットで学習可能なため、何回も繰り返し学ぶことができ、試験の際にも安心して挑める自信が付くという受講者からの声もあったようです。
詳しくは『三越伊勢丹ヒューマン・ソリューション様 etudes導入事例』をご覧ください。
まとめ
eラーニング導入を成功させるポイントについて解説しました。
導入前には、eラーニングを導入する目的、学習対象者、教材の調達方法、対応端末の確認、導入時期、社内での運用体制など、さまざまな準備が必要になります。
eラーニングを導入し、人材育成を成功に導くため、事前に入念な準備をしておきましょう。
クラウド型eラーニングシステムなら「etudes」
etudesとは、20余年にわたってeラーニングに携わってきたノウハウを元に開発された、数十万ID規模での大規模運用が可能な、国産のクラウド型eラーニングシステム(LMS)です。
また初めてeラーニングシステムを導入される企業向けへのサポートはもちろん、既存のeラーニングシステムからの乗り換えやデータ移行の支援も行っていますので、初めてeラーニングを導入するという方でも安心してご利用いただけます。
利用するハードルが低く、ユーザビリティが高評価であるという点から導入した企業の声もいただいております。
現在、eラーニングの導入を迷っている方は、ぜひご検討ください。
etudesの詳しい製品紹介を知りたい方は『製品紹介資料』をダウンロードください。etudesの特徴やデモ画面、費用についてご紹介しています。