LMSとは?学習管理システムの基本情報とメリットを徹底解説
LMS(Learning Management System) とは、eラーニング受講のプラットフォームとなるシステムで、人材育成施策や研修をオンライン化する際、LMS(eラーニングシステム・学習管理システム)を導入するとさまざまなメリットがあります。
働き方の変化によってリモートワークが増加している中、LMSを活用したeラーニング受講や研修実施は低コストでシステム導入できるだけでなく、育成施策にかかる運営工数を大幅に削減することができます。また、人材育成の成果を出しやすいブレンディッドラーニングなどの施策もLMSの機能を活用すれば実施しやすくなります。
この記事ではLMSのシステムの特長・機能や導入メリット、企業での活用方法について具体的に解説します。
実際に企業でどのように人材育成をしているのか、他社事例を知りたい方は「導入事例:住友ゴム工業株式会社 / 株式会社メガネトップ / 株式会社オカムラ / 他」で詳しくご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.LMSとは?学習管理システムの基本情報
- 2.LMSの歴史
- 3.なぜ今LMSが注目されているのか
- 3.1.働き方の変化による影響
- 3.2.一般企業の社内DXの推進も後押し
- 4.LMSの種類
- 5.LMSの代表的な機能をご紹介
- 5.1.受講者向け機能
- 5.1.1.eラーニング教材視聴機能
- 5.1.2.テスト機能
- 5.1.3.アンケート機能
- 5.1.4.レポート機能
- 5.2.管理者向け機能
- 5.2.1.受講者管理機能
- 5.2.2.eラーニング教材配信機能
- 5.2.3.受講履歴管理機能
- 5.2.4.自社独自のeラーニングコース作成機能
- 6.LMSを導入することによる効果とメリット
- 6.1.多数の受講者へ一斉に同じ内容の研修提供が可能
- 6.2.受講者一人ひとりにあった教材や研修を提供できる
- 6.3.受講履歴データを分析・活用し受講者の成長を支援できる
- 6.4.研修実施の運営業務を効率化し、コストを削減できる
- 7.LMSのデメリット
- 8.LMSを導入するならetudes(エチュード)がおすすめ
- 8.1.使いやすさにこだわった「クラウド型LMS」
- 8.2.追加費用なしで使える豊富な管理機能
- 8.3.万全のセキュリティ対策で安心
- 8.4.人材育成会社ならではの充実したサポート
- 9.LMSを導入する際のチェックポイントとは?
- 9.1.導入するLMSの比較検討
- 9.2.LMSの無料トライアルの活用
- 9.3.LMSの利用人数の想定と見積もり依頼
- 9.4.LMS導入と運用前のシステム準備
- 9.5.LMSで社内に教育施策を実施
- 9.6.LMSで取得した学習履歴データの分析や活用準備
- 10.まとめ
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LMSとは?学習管理システムの基本情報
学習管理システム「LMS」とは、「Learning Management System」の略称です。インターネットを利用して学習を行うeラーニングを管理するシステムのことで、大まかに分けて以下のような機能を有しています。
- eラーニング教材の配信・受講機能
- 受講者の情報管理機能
- 教材の管理機能
- 受講履歴の管理機能
LMSは「学習管理システム」「eラーニングシステム」、「eラーニングプラットフォーム」と呼ばれることもあり、eラーニング実施の根幹を担うシステムです。
インターネットを利用し、パソコンやスマートフォンを用いて学習を行うeラーニングを実施する際には、LMSは必要不可欠といっても過言ではありません。
LMSを導入しない場合のeラーニング学習の課題
もしLMSが導入されていなければ、eラーニングを実施するためにはどのような課題を抱えることになるのでしょうか。たとえば、管理者は受講者一人ひとりに個別に連絡を行い、eラーニング教材の種類やURL、学習期間などを指示しなければなりません。社員が100人を超えれば、個別の連絡は実質的に不可能といっても過言ではありません。LMSがあれば、ユーザーごとの属性を登録しておくだけで、eラーニング受講の指示をシステムが自動的に行ってくれます。
eラーニング教材自体の管理も、手動で行うとミスが発生しやすくなります。古い教材が受講可能な状態で残されていると、ユーザーが誤った情報で学習を進めてしまう可能性があります。
学習の進捗状況のリアルタイムでの把握や過去の学習履歴の管理も、LMSがなければ手動で記録をつけなければなりません。管理の手間が膨大になるだけでなく、記録が不正確になってしまう恐れもあります。
学習履歴というのは、記録をつけること自体が目的なのではなく、その記録を元に一人ひとりにあった育成施策を検討したり、業務のアサインを適切に行ったりすることが目的であるため、企業での育成施策で成果を出すためには、正確な学習記録を感るすることは非常に重要です。eラーニングを行っていく上で、LMSの存在はなくてはならないものなのです。
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LMSの歴史
LMSがどのような経緯で誕生し、普及していったのか、その歴史を紐解いてみましょう。古くは1950年代から、コンピューターを教育に活用しようという動きが始まりました。
「CAI(Computer Aided Instruction)」と呼ばれるもので、アメリカから日本にも伝わり大学を中心に研究が行われましたが、コンピューター自体が高価であったため、広く普及するには至りませんでした。その後、1980年代にパーソナルコンピューターが発売され、企業や学校に導入されることが増えるにつれ、CBT(Computer Based Training)と呼ばれる、CD-ROMなどの記録媒体に入った教材を使った学習方法が広まり始め、1990年代にインターネットが普及し始めると、インターネット経由で教材を学習するWBT(Web Based Training)へと発展していきました。
さらに2000年代に入ると、「eラーニング」という言葉が広まります。ブロードバンドの普及に伴って動画などの大容量の教材が利用されるようになり、企業や大学などで、社員や学生の学習状況を管理したいというニーズに応える形でLMSが開発されました。
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なぜ今LMSが注目されているのか
このように2000年代に登場したLMSがなぜ今あらためて注目を集め、多くの企業に導入されているのでしょうか。その背景には、多くの企業が取り組む社内DX化の流れと、2020年以降の働き方の変化による影響があります。
ここからは、LMSを導入する企業が増加している要因について紹介していきます。
働き方の変化による影響
2020年以降、国内外の多くの企業において働き方が多様化し、在宅勤務やテレワークが一般化しました。この影響を受け、これまで対面で行われてきた研修をオンラインに切り替える企業が増加しています。
2022年に行われた調査では、2022年の新入社員研修を「対面で行った」「オンラインで行った」「対面とオンラインで行った」の3種類に分けてアンケートをとりました。結果は以下の通りです。
- 対面:37%
- オンライン:34%
- 対面とオンライン:29%
出典:ICT教育ニュース 対面研修実施企業が37%と前年比17ポイント上昇 =manebi調べ=
「オンライン」と「対面とオンライン」の合計が63%と全体の6割を超えており、実施時期や対象者が明確に決まっている新入社員研修でも研修のオンライン化が定着してきた現状が見えてきます。
研修をオンラインで行うことで、居住地や業務の忙しさによって対面研修に参加できなかった社員も研修を受講できるようになったり、物理的に一箇所に集まることが難しい大人数の社員に対して一斉に研修を実施することができます。それだけでなく、受講者は自分の理解度に合わせて動画教材を繰り返し確認でき、研修のオンライン化には多くのメリットがあります。
ビジネスの変化のスピードがますます速くなっている昨今、社員が新しい知識やスキルを素早く身につける手段としてeラーニングの役割は非常に大きいといえます。
一般企業の社内DXの推進も後押し
LMSの利用が拡大している理由の一つには、各社で社内DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が盛んになっている影響もあります。社内DXとは、社内においてアナログ処理をしている業務を特定し、デジタル化によって効率化させていくことを指します。
対面の講義形式の研修で紙に印刷した教材を配布し、さらに出席者の名簿や受講後のアンケート結果も紙の資料で保管していたのを、eラーニング化してLMSで管理するようにすれば、研修担当部署の業務は劇的に効率化されます。
さらに、LMSで取得して蓄積された学習履歴のデータを分析して、研修内容の改善や一人ひとりの育成計画の策定などにつなげることができれば、アナログ管理ではできなかった新しい価値を持つ研修の提供を実現できる可能性があります。
社内研修の管理をオンライン化・デジタル化することで得られるメリットは、本記事でも紹介しているように多くあります。そのメリットの一つが、社内DXの推進なのです。
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LMSの種類
LMSには、大きく分けて2つの種類があります。
- オンプレミス型
- クラウド型
オンプレミス型は、自社のサーバー上にLMSを構築する方法です。自社で導入・構築・運用を行うため、柔軟に内容をカスタマイズできるメリットがありますが、その分、開発に関わる初期費用が膨らむデメリットがあります。
一方クラウド型は、クラウドサーバー上に構築されたシステムを利用する方法です。細かなカスタマイズができない、サービスが終了する場合があるなどのデメリットがありますが、初期費用を抑えて簡単に導入でき、保守・管理に手間がかからないというメリットがあります。
クラウド型とオンプレミス型の比較やメリット・デメリットについて詳しくは『クラウド型eラーニングとは?オンプレミス型との比較とメリットについて』の記事をご覧ください。弊社のLMS・etudesを活用した事例もご紹介しています。
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LMSの代表的な機能をご紹介
ではここからは、LMSの代表的な機能を紹介いたします。
LMSの機能には大きく分けると、eラーニングを受講する受講者向けの機能と、人事部などの管理者向けの機能とがあります。それぞれには以下のような機能があります。
受講者向け機能
- eラーニング教材視聴機能
- テスト機能
- アンケート機能
- レポート機能
管理者向け機能
- 受講者管理機能
- 教材配信機能
- 受講履歴管理機能
- オリジナル教材配信機能
一つずつ見ていきましょう。
受講者向け機能
ここでは、受講者向けのLMSの機能をご紹介いたします。
eラーニング教材視聴機能
受講者がLMSを活用することで、eラーニング教材を視聴することができます。インターネットを通じて教材を視聴するため、いつでも、どこでも教材を視聴することができます。
受講者は途中で見るのをやめても、次に開いたときに続きから視聴することもできるので、自分のペースで学習を進めることが可能です。また、視聴履歴や進捗状況も自動的に保存され、受講者は自分の学習状況を確認できます。
テスト機能
LMSには受講者が理解度を確認するためのテストやクイズを作成する機能も搭載されています。学ぶ内容に応じて、さまざまな形式のテストを作成できるだけでなく、合格基準を設けたり、ランダム出題をしたり、複数回受験するといった対応も可能です。
テストの結果はすぐにLMSに反映され、管理者は受講者の試験結果を数値データで把握することができ、蓄積されたデータは受講者の学習進捗を追跡するための重要な指標となります。
また、受講者はテストを活用することで自分の理解度を確認し、必要に応じて教材を再視聴することができ反復学習がしやすくなります。テスト結果として理解度の低いテーマがあれば、集合研修を行う、フォローアップ研修を行うなどの対策を行うことができるでしょう。
アンケート機能
LMSのアンケート機能は、研修の理解度や研修の内容の受講者評価を把握するために活用できる機能です。この機能を利用することで、管理者は受講者のフィードバックを直接収集し、それに基づいて教材や教授法を改善することができます。
アンケートは、複数選択式の質問や自由記述式の質問など、さまざまな形式で作成することが可能です。これにより、受講者は自分の意見や感想を具体的に伝えることができます。
LMSを運用していくにあたり、受講者のアンケートは貴重な意見です。管理者側からすると、eラーニングによる研修内容を改善させる糸口となり、受講者側からするとより一層利用しやすいeラーニングにするためのフィードバックの機会となります。
レポート機能
LMSのレポート機能は、学習履歴データをLMS上でサマリー表示したり、データをエクスポートすることもできる、管理者が受講者の学習進捗を詳細に管理・分析するための重要な機能です。この機能を利用することで、管理者は各受講者の学習時間、完了した教材、テストのスコア、クイズの結果など、さまざまな学習データを確認することができます。
学習履歴データを取得して分析することにより、人材育成の取り組みについての成果を数値で可視化できるだけでなく、学習における課題や示唆出しといった改善にも取り組み易くなります。
管理者向け機能
続いて、管理者向けの機能を紹介します。
受講者管理機能
LMSの管理者向け機能の一つに、受講者管理機能があります。この機能を利用することで、管理者は受講者の登録、削除、編集などを一元的に行うことができます。管理者は受講者ごとに異なる教材を割り当てることができ、各受講者の学習ニーズに合わせたeラーニング配信がLMS上で可能になります。
さらに、受講者管理機能の権限設定を活用すれば、大規模な組織でもスムーズに運用することができます。例えば、各部門の管理職に学習履歴を閲覧できる権限を付与することができ、学習成果の数値レポート共有もLMS上で完結することができます。
その他、受講者データを一括でインポートやエクスポートしたり、部署や役職に基づいて受講者をグループ化して管理することもでき、企業内での運営を効率化できます。
LMSによっては、対面形式やオンライン形式の集合研修の出欠管理機能も標準装備しているため、eラーニングと合わせて集合研修の運営を一元管理できます。学習履歴データもまとめて取得することができるため、管理者は受講者の学習状況を管理しやすく、必要に応じて適切なフィードバックやサポートを提供することができ、各社員に適切な研修施策を実施することができます。
eラーニング教材配信機能
LMSの教材配信機能は、管理者がeラーニング教材をアップロードし、システム上で管理できるだけでなく、簡単に特定の受講者やグループに割り当てることができます。
LMSの場合、eラーニング教材としてさまざまな形式(動画・スライド・ダウンロード教材・テスト・SCORM教材)のデータを扱うことが可能で、学ぶ内容や研修目的に応じて柔軟に教材を組み合わせることができます。また、教材配信機能は受講者の学習進捗や属性に合わせて適宜必要な教材を提供することも可能で、一つの教材を完了した受講者に対して次の教材を配信したり、管理者承認の後に特定の教材に進むといったこともできます。
また、教材配信機能にメール機能を含む場合は、新しい教材の追加や教材内容に更新がある際に、管理者から受講者にLMSから直接通知を送ることもできます。
受講履歴管理機能
LMSの受講履歴管理機能は、受講者の学習進捗を正確に把握するための機能です。動画やスライド閲覧などの受講履歴の数値データがLMSで取得され、システムに蓄積されていきます。管理者は各受講者がどの教材を受講してどの程度学習進捗が進んでいるかや、テスト結果や動画の閲覧時間など、細かな学習データを確認することができます。さらに、個人の受講履歴データを正確に管理できるだけでなく、任意のグルーピングをした受講者の学習進捗やテスト結果などをまとめてサマリーとして確認することも可能です。
受講履歴管理にデータのエクスポート機能があれば、蓄積した学習履歴データを分析することができます。部門ごとの受講状況を比較したり、課題などの示唆出しがしやすくなります。
自社独自のeラーニングコース作成機能
LMSの提供ベンダーによっては、システムの利用だけでなく、階層別やスキル別に体系化されたeラーニング教材を併せて提供する企業もあります。
ビジネススキルなど、多くの社員に関わる研修内容であれば専門ベンダーが作成したeラーニング教材を導入することもおすすめです。
一方で、自社内に特化した研修内容や学習内容の場合は、自社独自のeラーニング教材を作成する必要がある場合もあります。LMSのeラーニングコースの作成機能を使えば、
- 動画
- スライド
- ダウンロード用資料
- テスト
- アンケート
などのコンテンツを自由に組み合わせて、LMS上に自社独自のeラーニングコンテンツを作成することも可能です。受講者の管理機能や受講履歴の取得も可能で、独自のコンテンツの学習成果を数値分析することもできます。
動画についてもPower Pointで作成する方法などもあり、少ない工数で簡単にeラーニングコンテンツを作成できます。また、すでにある教材をアップロードするだけでも、運営工数を大幅に削減することができます。
LMS提供ベンダーによっては、自社内にある研修教材をeラーニング教材化をするためのサポートを行っている企業もありますので、自社の運営に合わせたLMS提供ベンダーを検討すると良いでしょう。
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LMSを導入することによる効果とメリット
LMSを自社に導入すべきか検討されている方や、人材育成のデジタル化によって効率化したい方向けに、LMSの導入による効果やメリットを詳しくご紹介いたします。メリットを把握することで自社課題の解決策の検討や、LMS提供ベンダーの比較検討がしやすくなります。
LMSを導入することによる効果とメリットは、以下のようなものがあります。
- 多数の受講者へ一斉に同じ内容の研修提供が可能
- 受講者一人ひとりにあった教材や研修を提供できる
- 受講履歴データを分析・活用し受講者の成長を支援できる
- 研修実施の運営業務を効率化し、コストを削減できる
一つずつ詳しく解説していきます。
多数の受講者へ一斉に同じ内容の研修提供が可能
LMSの活用による大きなメリットの一つは、大人数に対して一斉に同じ研修を実施し、短期間に実施完了させることができる点です。対象が大人数の場合でも均一で効果的な人材育成施策を少ない工数で実施することができます。たとえば、セキュリティ研修やコンプライアンス研修を全社員に対して実施するケースや、会社の方針を短期間で全社員に周知するようなケースなどでLMSの活用が効果的です。集合研修を1,000人単位以上の社員数に対して実施すると集合研修では手間と時間とコストかかり少ない人数で運営することが難しいですが、LMSを使えばそうした規模の研修も効果的に実施可能です。
受講者一人ひとりにあった教材や研修を提供できる
もう一つのメリットはLMSの機能を活用すると、eラーニングを選定する際、一人ひとりに対して必要な学習カリキュラムを推薦したり、受講を促したりしやすい点です。こうした個別の学習者に応じたプロセスで進める学習方法は「アダプティブラーニング」と呼ばれています。LMSの機能を活用すると、さまざまなセグメントのユーザに対して必要なコースや推奨コースを個別に割り当てることができます。人事部が選定した必須コースを推奨したり、あらかじめ体系化された教材を階層別に割り当てたりすることもできます。
受講履歴データを分析・活用し受講者の成長を支援できる
LMSの受講履歴データは、人事部や研修運営部門が人材育成の計画を策定する際に非常に有用な指標になります。LMSを導入すればあらゆる学習者の学習履歴データがシステムに蓄積されていきますが、LMSを導入して受講履歴をためておくだけではなく、そのデータを適切に分析し活用することが重要です。
過去の受講履歴データを体系立てて分析することで、社内の育成成果のばらつきなどの課題が明確になります。分析結果から課題を導き出すことができれば、より個別の社員に最適な人材育成を実施しやすくなります。また、会社全体の学習傾向と部門ごとの学習傾向などを比較分析することで、部門ごとの強みなども把握しやすくなります。数値データに基づいて人材育成方針の見直しや研修カリキュラムの変更を行うことができます。
LMSの学習履歴データは管理者側が人材育成の施策を検討するだけでなく、受講者自身が学習進捗を確認して学習計画を立てるためにも役立ちます。LMS導入は、受講者の自律学習の環境を整えることにつながります。
研修実施の運営業務を効率化し、コストを削減できる
LMSを導入することで、研修の実施と運用業務を大幅に効率化し、コストを削減することが可能です。たとえば、大規模な集合研修の資料を紙で印刷していた場合、紙代と印刷代がかかります。研修場所を借りる場合は会場費、会場までの参加者の交通費や、研修実施期間の飲食代も経費としてかかる場合もあります。講師を呼ぶ際は、研修の度に登壇費用が発生します。
しかし、LMSを活用したeラーニングでの研修であれば、上記の費用は必要ありません。外部の講師を呼んで研修を実施する場合でも、一度講義の様子を撮影して動画教材としてeラーニング教材として配信すれば、繰り返し登壇費用をかけずに、同じ内容の講義を何度も繰り返し配信することができます。
大規模な集合型研修を実施する場合に必要な運営プロセスは、以下のようなものがあります。
- 研修対象者を決める
- 研修プログラムと日時を決める
- 研修対象者に出欠確認をし日程調整をする
- 参加者の規模に応じて研修会場を手配する
- 研修参加者に参加のための必要情報を通達する
- 直前での日時変更依頼へ対応をする
- 当日のトラブルや急な変更に対応する
上記の運営側が実施していた内容は、LMSを導入し、eラーニングで実施すればすべて受講者自身が自分で調整可能になります。自分で申し込んだり変更したりキャンセルしたりできるため、調整コストがほとんどかかりません。
LMSの導入はコスト面でも運営工数面でも大幅な効率化が可能で、結果として運営側がより時間を有効活用することができ、育成の成果を導き出しやすくなります。
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LMSのデメリット
以上のように企業でのLMSの導入には多くのメリットがありますが、一方で把握しておくべきデメリットもあります。導入後のトラブルを防止するためにも、導入前や検討段階でメリットとデメリットの両方を理解しておくと良いでしょう。
LMSを導入する主なデメリットは、以下の3点です。
- 人材育成の指針や目的が明確でないとLMSを活用できない
- eラーニング教材を追加・更新していく手間がかかる
- 受講履歴データを分析しないとLMS導入の効果が半減する
以下で、一つずつ紹介いたします。
LMSを導入するメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は『eラーニングのメリット・デメリットとは?わかりやすく徹底解説』をご覧ください。LMS導入を成功させるためのポイントもご紹介しています。
人材育成の指針や目的が明確でないとLMSを活用できない
LMSは、その機能を最大限に活用するために、人材育成のコンセプトや指針、育成の目的が明確であることが必要です。たとえば、どのようなスキルや知識を身につけさせたいのか、どのような学習体験を提供したいのかなど、具体的な目標が設定されていなければ、適切な教材を選択したり、学習プログラムを設計したりすることが難しくなります。また、目的が不明確であると、受講者も自分が何を学び、何を達成すべきなのか理解しにくくなり、学習意欲を喪失する可能性もあります。
eラーニング教材を追加・更新していく手間がかかる
LMSを導入することによってさまざまな人材育成や研修運営の工数は削減できますが、eラーニング教材の追加や更新については、一定の時間と労力を必要とします。
LMSはeラーニング受講をはじめ、人材育成のプラットフォームとして簡単に自社で活用できる汎用性がある反面、高品質なeラーニング教材を作成するためには、専門的な知識や技術が求められます。eラーニング教材は受講者のニーズやトレンド、時代の変化に応じて適切に教材を改善していく必要もあります。これらの作業は専門的なスキルを持った社員や、内容によっては外部の専門家を必要とする場合もあり、それに伴うコストも考慮する必要があります。
LMS提供ベンダーにはeラーニング教材作成のサポートがあります。詳しくはオリジナル教材作成のサポートページをご確認ください。
受講履歴データを分析しないとLMS導入の効果が半減する
LMSの価値を最大限に引き出すためには、受講履歴データの分析が欠かせません。このデータ分析により、受講者一人ひとりの学習進捗や理解度を把握し、それに基づいて教材や学習プログラムを最適化することが可能です。しかし、このデータ分析は知識が必要ですし、人的コストもかかります。これらの要素が揃って初めて、LMSの真価を発揮することができます。
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LMSを導入するならetudes(エチュード)がおすすめ
LMSの導入をお考えなら、20年以上にわたる人材育成のノウハウを持つアルー株式会社が開発した「etudes(エチュード)」をご利用ください。
etudesは、人材育成の知見を活かして作り上げられたLMSで、ITスキルの有無にかかわらず操作しやすく、マニュアルがなくても直感的に操作できるわかりやすいUIデザインが特長です。追加費用なしで、eラーニング受講と研修管理機能など人材育成に必要な機能を標準装備しているだけでなく、初期費用も無料で1名から利用可能です。1名から数十万IDという大規模運用も可能なため、さまざまな従業員規模の企業様に導入いただいているLMSです。
etudesの特長と強みを、大きく3つのポイントからご紹介します。
- 使いやすさにこだわった「クラウド型LMS」
- 追加費用なしで使える豊富な管理機能
- 万全のセキュリティ対策で安心
使いやすさにこだわった「クラウド型LMS」
クラウド型LMSならではの「使いやすさ」です。この記事で解説したように、クラウド型LMSは「オンプレミス型」よりも導入がしやすく、管理や運用にも手間がかかりません。初期費用がかからず導入できるため、スモールスタートがしやすくなります。
また、etudesは受講者向け機能と管理者向け機能の両方で、LMSとしての使いやすさにこだわって開発されています。どちらも直感的でわかりやすいUI/UXを採用しており、特に受講者はマニュアルなしで操作が可能です。LMS利用に関わる質問や説明の工数が省けるため、管理者側にとっても受講者画面の使いやすさは重要なLMSの選定ポイントになります。
受講画面では複数の学習コースがパネル型に表示され、必要なコースをすぐに見つけられるよう工夫がされています。数多くの学習コースの中から最適なものを探すための、検索機能も搭載されています。
操作性の悪さによって受講者の学習意欲を妨げることがないため、すべての社員に対してより良い社内学習の環境整備を推進できるでしょう。受講状況はリアルタイムでデータとして蓄積され、eラーニング研修の進度をいつでも確認できます。
現代のニーズにあわせ、スマートフォンやタブレットで学習できるマルチデバイスにも対応しています。
etudesの機能について詳しくは『機能・特長』をご覧ください。
追加費用なしで使える豊富な管理機能
etudesには、eラーニング受講や研修管理に必要な豊富な管理機能が、追加費用なしで導入時に標準装備されていることも特色の一つです。豊富な企業研修の提供実績から、研修運営担当者が欲しい機能や、効率化に必要な機能を厳選して提供しています。
LMSに受講者を登録する際は、役職や職種など、社員一人ひとりの所属情報の管理が可能で、その他任意のユーザグループなども柔軟に設定できるため、社員の所属ごとに個別のeラーニングを配信することもできます。新しいユーザを追加する場合にも、必要なコースを一つ一つ割り当てなくても、ユーザグループにユーザ追加するだけで、そのグループが受講対象となっている全コースを自動で割り当てることもできます。
eラーニングの学習履歴は、1秒・1点単位で記録が残り、いつ誰が、どのコースを何回・何秒学習したかの確認ができるのです。全体の受講状況は、わかりやすくデータが配置されたダッシュボードで確認することができます。
etudesの機能について詳しくは『機能・特長』をご覧ください。
万全のセキュリティ対策で安心
eラーニングシステムには社員の個人情報や社外秘の自社ノウハウデータが保管されるため、外部からの不正アクセスなどを十分に防止できるセキュリティが求められます。
etudesはセキュリティ対策も万全で、Microsoft® Azure®を採用しています。OSやミドルウェアの運用・保守、サイバー攻撃への対策に自社の人手をさく必要がありません。さまざまな認証方法もオプションで設定することができ、自社運営に最適なセキュリティを担保しやすく、より安全にeラーニング運用ができます。
etudesのセキュリティについて詳しくは『セキュリティ』をご覧ください。
人材育成会社ならではの充実したサポート
「LMSを導入したが、どのように活用したら良いか分からない」「自社のノウハウをeラーニング教材化したいけれど、最適な方法が知りたい」といったお悩みをお持ちなら、導入するLMSとしてetudesが最適です。
etudesにはLMSの提供だけではなく、アルー株式会社が開発した独自のeラーニングも豊富です。階層別やスキル別に体系化された質の高いeラーニングを、自社課題に応じて適切に運営できるように支援します。
また、オリジナル教材の作成サポートもあります。社内にすでにある研修のeラーニング化なども相談可能です。etudesはLMSを社内の人材育成プラットフォームとして活用するために、適切な教材選びやeラーニング教材作成支援から、社内学習のあらゆる課題を広くサポートしています。
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LMSを導入する際のチェックポイントとは?
ここでは、LMSのベンダー選定から導入検討や導入後に必要なステップをご紹介します。LMS提供ベンダーによって条件が異なりますが、先述したetudes導入で、よくある流れを例に導入のポイントを具体的に解説します。
- LMS提供ベンダーの情報収集
- 導入するLMSの比較検討
- LMSの無料トライアルの確認
- LMSの利用人数の想定と見積もり依頼
- LMS導入と運用前のシステム準備
- LMSで社内に教育施策を実施
- LMSで取得した学習履歴データの分析や活用準備
- LMS提供ベンダーの情報収集
各LMS提供ベンダーの公式サイトだけでなく、LMSやSaas専用の比較サイトなどを活用して複数のベンダーの情報収集をすることができます。
また、人事やバックオフィス向けの展示会などで情報収集をするとその場でデモンストレーションなどを確認することができ効率的です。LMSと言っても各社機能や料金体系はさまざまなため、まずはどのようなベンダーがあるのか広く情報収集をする必要があります。資料請求などを活用すると良いでしょう。
導入するLMSの比較検討
LMSの情報収集が終わったら、比較検討に入りますが、料金や機能などの詳細の比較検討に入る前にあらかじめ自社の運営の見直しや、どのような人材育成の施策を進めるかを洗い出します。
先述したようにLMSには幅広い機能が搭載されているため、自社運営に合った機能があるLMSを選定する必要があります。導入後に機能と自社ニーズのミスマッチが発生しないように検討の早期段階でLMSの自社運用の方向性を定めておく必要があります。
LMSの無料トライアルの活用
具体的に自社でのLMS運用のイメージが整理できたら、集めたベンダー情報の中から数社でも良いので、無料トライアルを依頼して実際にシステムを確認しましょう。
一社でも無料トライアルをすることによって、いくつかのベンダーのLMSを比較する際に、より具体的に機能や特長を比較できるためおすすめです。「eラーニング受講履歴取得」という機能はほとんどのLMSに搭載されていますが、細かい制限や機能の詳細はベンダーによって異なります。
動画の視聴履歴でも、1秒単位で受講履歴に反映するLMSもあれば、スタートボタンを押して受講率が100%となる場合もあります。細かな齟齬を防止するためにも受講者画面、管理者画面の両方を無料トライアルで確認すると良いでしょう。
自社教材ではなく、ベンダーが提供するeラーニング教材を利用する場合も、無料で内容を確認することができます。併せて活用すると良いでしょう。
LMSの利用人数の想定と見積もり依頼
情報収集や無料トライアルで、LMSの機能や特長の中で自社が重要視すべき項目が明確になったら、その機能を保有しているLMS提供ベンダーへ想定人数を伝えて利用料金の見積依頼を行います。
あらかじめ利用人数の想定が必要な理由としては、月によって利用人数を固定する料金プランの場合と、利用人数の変動に応じて請求額が変わる場合など、さまざまな料金体系があるためです。
自社の研修実施やeラーニング受講の方針から、あらかじめ月単位での利用人数を算出しておくと年間予算の想定もスムーズです。
また、利用人数が多い場合はボリュームディスカウントがある場合もあります。自社運営の確認と各LMS提供ベンダーの料金体系を照らし合わせて条件を検討することがおすすめです。
LMS導入と運用前のシステム準備
LMSが保有する機能や利用料金などが明確になった後は、導入のステップに進みます。申込みから導入までの期間もLMS提供ベンダーによって大きく異なります。利用するIDやシステム構築の条件によっても期間が変わるため、予め導入したい期日などがある場合は、無料トライアルの依頼段階や、遅くとも見積依頼の段階で導入時期についてもあらかじめ相談しておくと安心です。
また、導入後は自社内でユーザ登録を行ったり、eラーニング教材の割り当てをしたりといった管理者画面での運用準備が必要になります。社内運用整備の内容についてもLMS提供ベンダーによって作業範囲は異なりますが、一定の準備期間が必要となるため、あらかじめ必要な登録データを準備したり、LMSへの具体的な登録方法について確認しておきましょう。
利用対象者が多い場合は、管理者も複数必要になるため、運用準備のために管理者の権限設定などもあらかじめ進めておきたい準備のひとつです。
LMSで社内に教育施策を実施
LMS導入後に、社内運営に必要なシステム準備が完了した後は、対象の社員へLMSを使って教育施策を実施します。eラーニング受講だけでなく、eラーニングと集合研修を組み合わせたブレンディッドラーニングを実施することもでき、研修目的や人材育成の施策に合わせて適宜LMSの機能を活用すると良いでしょう。
また、テストやアンケート、修了証の発行といった機能もあるため、社内の認定試験や代理店教育などにも活用することができます。ユーザはグループ管理できるため、社内の対象者と代理店とを分けて管理することができます。
また、受講に関する業務はLMSの機能で実施できるため、メールやリマインドなども一括管理することが可能です。自社運営に合わせて最大限に機能を活用すると良いでしょう。
LMSで取得した学習履歴データの分析や活用準備
導入から社内導入までのステップが完了した後は、LMSをさらに活用するために、eラーニング受講や研修実施で取得した受講履歴データの確認や改善のための準備を進めると良いでしょう。
無料トライアルなどでLMSの機能を確認することはできますが、社内運用を実際にはじめないと受講履歴データが蓄積されません。各研修施策を進めながら、適宜リアルタイムで集計される受講データを確認して、社内運営の整備や研修内容の向上に活用できる分析をすすめることがおすすめです。
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まとめ
LMS(eラーニングシステム・学習管理システム)の導入によって、企業の人材育成をコストや工数を抑えてオンライン化できることをご紹介しました。働き方が変化している現代社会において、オンライン研修の実施をサポートするLMSは必須のプラットフォームといえるのではないでしょうか。また、リスキリングなどさまざまな年代に多様な学びが必要とされる昨今ではeラーニングの導入は重要な人材育成の施策になります。
管理運営コストの削減だけでなく、学習者の理解度を高める機能や、育成の成果を分析するための学習履歴の取得など、LMS導入によってより多くの情報を人材育成に活かすことができます。LMSのなかでもetudes(エチュード)は、官公庁や大手企業などでも多くの導入実績を持つLMSです。自社の人材育成のオンライン化やLMS導入をご検討中の方は、是非一度お問い合わせください。
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