
リスキリング研修を効果的に実施するためのポイントを解説
社員へのリスキリングを研修として行えば、DX人材の確保や企業としての成長といったさまざまなメリットを得ることができます。
しかし、リスキリングは長期的な施策となり、成功させるには効果的な実施方法やツールを知っておく必要があります。
この記事では、リスキリング研修のよくある課題から解決策を紹介し、ベストな実施方法について詳しく解説いたします。
目次[非表示]
- 1.リスキリングとは
- 2.リスキリングはなぜ必要?
- 2.1.DX人材不足の解決
- 2.2.自社人材による文化の継承
- 2.3.企業としての成長
- 3.リスキリング研修を始めよう!
- 4.リスキリング研修のよくある課題と解決策
- 5.1.リスキリング研修の重要性が社員に伝わらない
- 6.2.リスキリング研修を始めたものの、学習が進まない
- 7.3.リスキリング研修による成果が出ない
- 7.1.解決策:研修の実施方法の見直し
- 8.リスキリング研修の実施方法
- 8.1.対面研修
- 8.2.外部セミナーやスクールの活用
- 8.3.eラーニング
- 9.リスキリング研修にはeラーニング!
- 10.eラーニングでリスキリング研修をするなら「etudes」
- 10.1.オリジナル教材の作成サポートも
- 11.まとめ
リスキリングとは
リスキリングとは、技術の革新やビジネスモデルの変化に対応するため、新しい知識やスキルを学び身につけることです。
2020年1月に開催された世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」において、「2030年までに、世界の全人口のうち10億人をリスキリングする」という「リスキリング革命」が宣言されました。このことから、世界中の多くの企業がリスキリングに注目し、経営戦略施策として導入を進めています。
同じような言葉として「リカレント教育」がありますが、リカレントは個人が自身のキャリアアップのために教育機関を活用して学び直しをすることです。
リスキリングは、企業が社員に対してスキルの再開発を行うことを指します。
リスキリングはなぜ必要?
リスキリングはなぜ現代社会において必要とされているのでしょうか。
その理由を以下の3つの視点からご説明いたします。
- DX人材不足の解決
- 自社人材による文化の継承
- 企業としての成長
一つずつ、詳しく見ていきましょう。
DX人材不足の解決
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、社内のシステムや提供するサービスにデジタル技術を取り入れ、業務の効率化と新たな価値の創造を推進する動きのことです。
DX化を実現しようとする多くの企業が、「ITスキルを持つDX人材の確保」という課題に直面しています。
リスキリングを自社で実施することで、外部からDX人材を確保するのではなく自社の社員をDX人材に育成できます。結果的に、課題となっているDX人材不足が解決できるのです。
自社人材による文化の継承
採用にコストをかけて外部からITスキルのあるDX人材を獲得すれば、わざわざ育成の手間をかけなくてもDX化ができると考える企業もあるでしょう。
しかし、リスキリングを行うことには、「これまで自社の社員として勤めてきた人材の能力を開発する」ということに大きな意味があるのです。
技術改革にスキルが追いつかず職を失ってしまう可能性がある社員にリスキリングを行うことで、最新技術の分野へ労働移動ができます。自社の人材によって受け継がれてきた企業独自の文化を継承しながら、時代の変化にも対応する企業として成長できるのです。
企業としての成長
リスキリングを実施する場合は、長期的な施策となります。決して1、2回の研修で成り立つものではありません。
それでも多くの企業が導入している最も大きな理由は、企業として成長をするためにリスキリングが必要不可欠であるためでしょう。
現代社会では、「第4次産業革命」ともいわれるITテクノロジー面での大きな変化が起きています。AIやIoTといった最新技術は、職種を問わず全ての企業にとって必要なものとなりつつあるのです。社員のスキルアップを経営施策として行うリスキリングは、今後も企業が継続していくためになくてはならない成長の過程と言えるでしょう。
リスキリング研修を始めよう!
リスキリングの重要性がわかったところで、さっそくリスキリング研修を実施する準備を始めていきましょう。
研修を実施する側にとって最も手間がかからないのは、教材を社員に渡して独自に学習を進めてもらうという方法ですが、これだけでは期待する効果は得られないでしょう。
リスキリング研修を効果的に実施して成果をあげるには、よくある課題と解決策を理解しておく必要があります。
リスキリング研修のよくある課題と解決策
リスキリング研修を社員に対して行う上でよくある課題として、以下のような内容が挙げられます。
- リスキリング研修の重要性が社員に伝わらない
- リスキリング研修を始めたものの、学習が進まない
- リスキリング研修による成果が出ない
それぞれの解決策について解説いたします。
1.リスキリング研修の重要性が社員に伝わらない
まずは、リスキリングの重要性が社員に正しく伝わっていないまま研修を進めてしまったケースです。
この記事でここまでお伝えしてきたような「なぜリスキリングが必要なのか」が受講者に伝わっていないと、どれくらい本気で取り組むべき研修なのかがわからず、学習に身が入らないという事態に陥ってしまいます。
リスキリング研修でスキルの開発を行う対象は学生ではなく、働いている社会人であるという前提を忘れないようにしましょう。業務と学習を両立させるのは、受講者の主体性だけに任せていては実現が難しいです。
解決策:リスキリングに対するマインドセット
この課題の解決策は、リスキリング研修に対するマインドセットを社員に対して実施することです。
マインドセットとは簡単にいうと、意識の切り替えです。「日々の業務をこなす社員」から「企業の存続のためスキル開発に取り組みつつ業務をこなす社員」へ意識を切り替えさせます。マインドセットは、リスキリング研修を実際に行う前に全社員に向けた説明会などを実施して行うと良いでしょう。
業務と学習の両立を実現できるように、研修実施側の意識を切り替え、必要なツールを導入する・社内の体制を整えるといった準備を整えます。
2.リスキリング研修を始めたものの、学習が進まない
研修対象となる社員それぞれにスキル取得のためのカリキュラムを与えたものの、計画通りに学習が進まないという状況です。
リスキリングの進捗を確認しても、「業務が忙しくて時間が取れない」と返されてしまっては、無理に学習を勧めるのも気が引けてしまうでしょう。
解決策:研修へのモチベーション向上施策
この課題への解決策は、初めからリスキリング研修へのモチベーションを落とさないようにする施策を用意しておくことです。
例えば、リスキリングの進み具合やテストの結果・資格の取得が人事評価に反映されることを事前に伝えて、優秀な成績を残した社員にインセンティブを与える制度を設けるといった方法が挙げられます。
また、業務時間内で学習を進めたくても上司や同僚の目が気になってしまうという社員もいるかもしれません。このようなケースでのモチベーション低下を防ぐため、前項で説明したリスキリングへのマインドセットは全社員に向けて実施するべきなのです。企業全体がリスキリングの大切さを理解していれば、学習に集中して取り組ませることができます。
3.リスキリング研修による成果が出ない
リスキリング研修も終盤にさしかかり、受講者それぞれのスキル取得状況を確認したところ、今ひとつ成果が得られなかったという結果になる場合があります。
これでは、せっかくの研修コストと研修期間が無駄になってしまいます。このような課題を抱えてしまわないため、綿密に学習管理を行いつつ早めの対策を講じる必要があります。
解決策:研修の実施方法の見直し
リスキリング研修による成果が見込めないと判断したら、研修の実施方法を見直してみましょう。
リスキリングのために遠方の教室に週一で通わせているとしたら、業務を行いながら学ぶには負担が大きい方法なのかもしれません。または、月に一度のテストのみで習熟度を確認していたら、テストの前日に教材を丸暗記してテストに合格しているだけでスキルとしては身についていない社員がいるかもしれません。
先述の通り、リスキリング研修では学習管理が非常に重要です。何をいつ学ばせるかの管理ではなく、「研修によって何を学び、スキルとして習得したか」を管理することです。
リスキリング研修を成功させ成果をあげるためには、まず研修の実施方法の種類を知っていきましょう。
リスキリング研修の実施方法
リスキリング研修の実施方法として、主に以下の3つが挙げられます。
- 対面研修
- 外部セミナーやスクールの活用
- eラーニング
それぞれの特徴を見ていきましょう。
対面研修
対面研修とは、社内の会議室や教室を借りて講義形式の研修を行う、これまで一般的とされてきた方法です。
直接講師と対面して研修をするため、ロールプレイや演習といった実践的な授業が受けやすいメリットがある一方、研修に参加するための時間や場所の制約があるという点はデメリットです。
対面研修でリスキリングを行っていて成果が感じられない場合は、社員にとって「決められた時間に決められた場所に行かなくてはいけない」という負担が大きいのかもしれません。
外部セミナーやスクールの活用
リスキリングには、外部のセミナーやスクールに社員を通わせるという方法もあります。メリットは、自社にノウハウが無くてもレベルの高い研修が受けられるという点です。オンラインで受講できるシステムであればより効率よくリスキリング研修として実施できます。
ただし、外部セミナーやスクールを利用する場合は、綿密な学習管理をシステム化して行うのは難しいと言えます。基本的には、学習の進捗は受講者の自己申告制となり、負担が増してしまう可能性は留意しておきましょう。
eラーニング
オンライン学習「eラーニング」を活用してリスキリング研修を実施することもできます。
ここまでご紹介してきたあらゆる研修方法が抱える課題を解決できるのが、このeラーニングです。eラーニングなら、いつでもどこでも好きな時間に学習を進められ、受講者の負担を減らすだけではなく反復学習による効果的なスキル取得が期待できます。
eラーニングで取り扱う教材は、ベンダーが提供する既存の教材もあれば自社オリジナル教材の作成・配信も可能です。「汎用的な能力をリスキリングさせ全体的なスキルの底上げをしたい」「専門的かつ自社サービスに特化したスキルを身につけさせたい」どちらの要望も叶えるのがeラーニングによる研修です。
リスキリング研修にはeラーニング!
リスキリング研修にeラーニングが最適な理由をさらに掘り下げていきましょう。
eラーニングなら、LMS(Learning management system/学習管理システム)によって効率的な学習管理が可能です。
LMSとは、企業がeラーニング教材を配信するために無くてはならないツールです。LMSでは受講者一人ひとりをIDによって管理でき、IDごとの学習の進捗状況を可視化することや、最適な教材をレコメンドするといった機能を備えています。
学ぶべき項目が多く長期的な取り組みになるリスキリングには、LMSを活用したeラーニングが効果的であるということはリスキリングの成功事例からも実証されています。
eラーニングによるリスキリング研修の成功事例
eラーニングを活用してリスキリングを成功させた事例として、「株式会社日立製作所」の例をご紹介いたします。
デジタル人材が確実に不足する将来的な課題を解決させるため、日立製作所は2019年から社員へのリスキリング教育に力を入れました。
具体的には、グループ会社である「日立アカデミー」と共同で会社独自の学習教材を開発し、eラーニング形式で全社員に配信するといった方法で実施されました。
自社の全従業員が「デジタル技術をどう駆使して顧客の課題を解決するか」を理解し、判断できるように組まれたこのカリキュラムは、IT初心者を1年間でエキスパートにするロードマップを実現しリスキリングを成功させました。
eラーニングでリスキリング研修をするなら「etudes」
eラーニングによるリスキリング研修のためLMSを導入したいとお考えの方は、ぜひアルー株式会社が提供するLMS「etudes」をご検討ください。
リスキリングは、幅広い年代の社員を対象に実施する研修です。オンライン学習eラーニングに対して、「操作が難しそう」といった苦手意識を持つ方もいるかもしれません。
etudesは、全ての人にとって使いやすいUIを追求してデザインされています。リスキリングを管理する社員も、学習をする社員も、etudesならストレスなく研修を進めることができるでしょう。
オリジナル教材の作成サポートも
etudesは、人材育成会社「アルー」が開発したLMSです。そのため、アルーの知見とノウハウを活かしたeラーニング教材をetudesで配信することができます。
それだけではなく、より効果的なリスキリングのために自社オリジナルeラーニング教材を作成したいという企業のニーズにもお応えいたします。
リスキリングに活用したいマニュアルや研修教材が既にあるという場合でも、既存教材のeラーニング化をお手伝いさせていただきます。社員へのリスキリング学習が定着するか不安という場合は、アルーが人材育成の経験を活かしたコンサルティングを実施いたします。
まとめ
リスキリング研修の効果や重要性について、詳しく解説いたしました。
リスキリング研修を成功させるには、学習管理を綿密に行うことと、リスキリングの重要性を全ての社員が理解していることが重要です。
学びやすく管理しやすいリスキリング研修には、eラーニングを活用しましょう。
eラーニング教材の配信機能と学習管理機能が搭載されているLMSを導入するなら、ぜひetudesをご検討ください。
社内教育に関するあらゆるお悩みを、アルー株式会社が解決いたします。