
eラーニングでテストを実施するメリットとは?
eラーニングによる研修を行う際には、受講前後にテストを実施して受講者の知識を確認することが重要です。
eラーニング研修でテストを実施すると、受講者のモチベーション向上や学習管理の負担軽減といった面で多くのメリットがあります。
eラーニングでテストを実施することのメリットやその方法、さらにはテストを作成する上での注意点などについて解説します。
目次[非表示]
- 1.eラーニングでテストを行うメリット
- 1.1.教材の理解度をすぐに確認できる
- 1.2.コスト・業務負担を軽減
- 1.3.受講者のモチベーションアップ
- 2.eラーニングテストの種類
- 3.eラーニングテストの出題形式
- 3.1.1.◯×式
- 3.2.2.択一式
- 3.3.3.複数選択式
- 3.4.4.穴埋め選択式・記述式
- 3.5.5.自由記述式
- 4.効果的なeラーニングのテスト内容とは
- 4.1.テストを行う目的が明確である
- 4.2.テスト内容が妥当かつ信頼性がある
- 4.3.頻度や採点基準にストレスが無い
- 4.4.動画の最後にテストを実施する
- 5.eラーニングテストの問題作成の注意点
- 5.1.「問い方」の統一
- 5.2.eラーニングシステムのテスト機能を確認
- 6.LMSならテスト結果による効果測定も可能
- 7.LMS導入なら「etudes」
- 7.1.テスト・アンケート機能
- 8.まとめ
eラーニングでテストを行うメリット
eラーニングは、インターネット環境とパソコンやスマートフォンなどがあればいつでもどこでも学習を進めることができる研修方法です。オンライン化が進む現代において多くの企業が導入を進めています。
eラーニングは社員一人ひとりによる自主学習となるため、企業側が学習を管理する必要があります。研修の内容をどれだけ理解したかをチェックすることも、重要な管理内容です。
このような受講者の理解度チェックに効果的なのが、eラーニング上で実施するテストです。eラーニングでテストを行えば、効率的かつ効果的に受講者の知識を確認することができます。
まずは、eラーニングでテストを行うメリットについて紹介します。
教材の理解度をすぐに確認できる
eラーニング研修なら、受講者は何度でもセミナーや教材の内容を復習することが可能です。従来の対面型研修よりも格段に知識が身につきやすいですが、それでも社員全員が研修内容をすぐに理解できるとは限りません。また、社員自身はわかったつもりになっていても、実際には研修で教えた内容が抜けてしまっているということもあります。
eラーニングでテストを実施すれば、理解の甘い項目がどこなのかをすぐに知ることができます。テストの結果を踏まえて適宜内容の復習をしてもらったり、補講を実施したりすることも可能です。効果的な研修をしたい企業側にはもちろん、受講者側にも大きなメリットがあるといえます。
コスト・業務負担を軽減
eラーニングでテストを行うことのメリットとして、企業側のコストや管理業務の負担を軽減することも挙げられます。従来の対面型研修では、研修会場の準備やテストの印刷・集計に多大なコストと負担がかかっていました。
eラーニングによってオンライン上でテストを行えば、テスト用紙の印刷や採点、集計業務といった事務作業を大幅に軽減することができます。テスト問題の差し替えや更新なども、システム上ですぐに反映できるため、研修のテスト実施にかかる負担を減らし、研修の質を高めることに集中できるのです。
受講者のモチベーションアップ
受講する社員が研修内容に必要性を感じていなかったり、自分ごととして捉えていないといった理由から、研修に対する受講者のモチベーションが低いという問題を抱えている場合もあるでしょう。せっかく研修を実施したのに社員が集中して話を聞いてくれず、研修時間中に別の業務を行っていた、といった状態になってしまっては本末転倒です。
eラーニング上でテストを行うことには、受講者のモチベーションを上げることができるというメリットがあります。受講終了後に理解度チェックテストがあると予め伝えておくことで、テストのために集中してeラーニングに取り組んでくれるようになるためです。
eラーニングテストの種類
eラーニングのテストを行う際には、いくつかの実施タイミングがあります。
事前に受講者の知識を確認する「事前テスト」や、細かなタイミングで行う「事後テスト」、各カリキュラム完了時に行う「理解度テスト」、研修コース修了時の集大成となる「修了テスト」などが挙げられます。
これら4種類のテストとその効果について詳しく見ていきましょう。
事前テスト
eラーニングによる研修を進める上では、受講者の前提知識を確認することが大切です。eラーニングによる研修を始める前に事前テストを実施することで、受講者が現時点での自身の知識レベルを知ることができます。
事前テストでこのことを把握しておくことで、研修によってどれだけ知識が伸びたのかを把握することが可能です。さらに、「この部分に関する前提知識が抜けていた社員が多いため、次回は基礎的な内容から解説しよう」など、eラーニング研修内容のブラッシュアップにも役立つでしょう。
事後テスト
eラーニングを効果的に受講してもらうために重要なのが、知識の定着を確認するための事後テストです。例えばビジネスマナー研修の場合は「挨拶について」「電話応対について」など、事後テストはトピックごとに区切って細かく行われます。
事後テストを行うことで、研修を受講する前の段階と比較して、受講者の知識がどれほど伸びたのかを正確に把握することができます。事前テストと同じ問題を出題して、研修による効果をより一層わかりやすくすることも可能です。
理解度確認テスト
理解度確認テストは、カリキュラムの内容ごとに実施するテストのことです。複数のeラーニングコンテンツによる学習が完了したあとに、「ビジネスマナーについて」「ハラスメントについて」など、比較的大きな枠組みで実施します。事後テストよりも出題範囲を広くし、やや難易度を上げます。実践的な思考を促す詰問を含めることも効果的です。
この理解度確認テストによって、受講者は研修によって身につけた知識を改めて整理することができます。また、事後テストだけでは見えてこなかったトピックごとのつながりについても把握できるでしょう。教材によっては「章末テスト」といった名目で実施されることもあります。
修了テスト
修了テストは、理解度確認テストよりもさらに大きな単元にまたがって行われるテストのことです。研修によって学習したコース全体に渡って総合的な知識の確認を測ります。
出題内容が総合的であることから、「総合テスト」と呼ばれることもあります。
修了テストに合格することが、eラーニング研修完了の必須要件の一つとするケースも多いです。また、eラーニング学習を定着させるためにインセンティブ制度を設けている企業では、修了テストの結果を判断基準とすることもできます。
eラーニングテストの出題形式
ここまでは、eラーニングでテストを実施する際の効果的なタイミングについて解説いたしました。
ここからは、eラーニングのテストを作成する前に知っておきたい出題形式の違いについてご紹介いたします。
それぞれの出題形式には難易度の差があるため、出題内容によって適切に使い分けることが重要です。代表的な出題形式は以下の5つです。見ていきましょう。
- ◯×式
- 択一式
- 複数選択式
- 穴埋め選択式・記述式
- 自由記述式
一つずつ詳しく見ていきましょう。
1.◯×式
◯×式は、eラーニングによるテスト出題の中でも最も手軽な質問形式です。与えられた問題に対して、内容があっているか間違っているかを選択する形式で、eラーニングにおけるテスト出題形式の中でも最も難易度は低いといえます。問題文としては、例えば以下のようなものがあります。
「以下の内容のうち、正しいものには◯を、誤っているものには×を記入しなさい」
シンプルで受講者も負担なく解答できる形式ですが、あまり込み入った内容までは問いきれない点には注意が必要です。
2.択一式
択一式は、複数個用意された選択肢の中から正しいものを一つだけ選んで解答してもらう出題形式のことです。正しいものを選んでもらうことが多いですが、時には「誤ったものを選びなさい」という出題形式も目にします。択一式の出題文の一例は、以下の通りです。
「以下の選択肢のうち、正しいものを1つ選びなさい」
◯×式と比較すると、◯×式だけでは問いきれないような細かな点にも言及できるのが特徴です。しかしながら、多くても4〜5個程度の選択肢の中から選んでもらうことが多いため、時には当てずっぽうの解答が当たってしまうこともあり、難易度はやや低い出題形式といえます。
3.複数選択式
複数選択式は、用意された選択肢の中から正しいものを複数個選んで解答してもらう出題形式のことです。択一式と同様、時には「誤ったものをすべて選びなさい」という形式で出題されることもあります。出題文は、以下のようなものが多いです。
「以下の選択肢のうち、正しいものをすべて選びなさい」
択一式と異なる点は、答えとなりうる選択肢をすべて選ばなければならない点です。択一式では消去法が使えますが、複数選択式の場合は正答の選択肢の個数がわからないため、消去法は使えません。択一式よりも正確に受講者の理解度を確認できるため、難易度はやや高い出題形式です。
4.穴埋め選択式・記述式
穴埋め選択式は、文章中に用意された空欄の中に当てはまる単語を選択肢の中から選んでもらう、あるいは自分で記入してもらう出題形式のことです。例えば、以下のような出題があります。
「以下の空欄に当てはまる言葉を書き入れなさい。
『廊下で上司とすれ違うときのお辞儀の角度は、( )度が目安である』」
選択肢を用意しない場合、出題者にとって予期せぬ回答が寄せられることもあるため、採点システムにおいては臨機応変な対応が求められます。
5.自由記述式
自由記述式は、受講者に解答を自由に記述してもらう形式のテストです。具体的には、以下のような出題が自由記述式に当たります。
「あなたは取引先との重要な打ち合わせに30分程度、遅刻してしまいそうです。どのような対応を取るのが適切か、200文字程度で答えなさい。」
自由記述式の出題は、出題者が自分自身で回答を一から考える必要があるため、やや難易度は高いです。採点者にも柔軟な対応が求められますが、その分受講者の理解度を正確、かつ総合的に把握することができます。
効果的なeラーニングのテスト内容とは
eラーニングでテストを実施するのは効果的な施策ですが、ただ単に確認テストをインターネット上で行えばよいというわけではありません。eラーニングで本当に「良いテスト」を作成するためには、eラーニングの研修の設計段階からテストの意義や目的を明確化させておく必要があります。
さらに、テスト内容の妥当性を担保し、なるべく受講者がストレスなく回答できるようなテストを作成することも必要不可欠です。効果的なeラーニングのテストを作成するためのポイントについて解説します。
テストを行う目的が明確である
テストの受験は、研修の受講者にとって心理的な負担となりやすいです。何の目的もなくただ単にテストを実施するだけでは受講者の負担を増大させる一方であり、eラーニングによる効果を正確に測定することはできません。
eラーニングによるテストを効果的なものにするためには、まずテストを行う目的を明確化させましょう。目的が曖昧な状態でテストの作成を開始してしまうと、「研修内容とテストの内容が噛み合わない」「テストの内容が不足している」といったように、制作過程で手戻りが発生してしまう可能性があります。テストを作成する前に今一度、eラーニングによるテストで何を確認したいのか、なぜテストを実施するのかをはっきりさせることが重要です。
テスト内容が妥当かつ信頼性がある
eラーニングで実施するテストの内容に妥当性や信頼性がないと、受講者は「本当にこのテストに取り組む意味はあるのか」「研修で聞いた内容と違う」といったような戸惑いが生じてしまいます。テストの問題が研修内容と大きく乖離していると、研修自体の信頼性低下にも繋がりかねません。対面型の研修なら手を挙げてその場で質問できますが、eラーニングは個人学習となるため研修に対する信頼性は重要です。
テストは、教材に対する受講者の理解を確認するためのものです。研修で扱った内容に忠実に、研修で伝授した知識だけで十分解けるような出題をすることを心がけましょう。学習範囲外にある知識や考え方をむやみに持ち出さないだけでも、テストの質は格段に向上します。
頻度や採点基準にストレスが無い
eラーニングによるテストの実施は確かに効果的ですが、一方で先述したように受講者にとっては負担がかかることも事実です。あまりにも頻繁にテストが実施されると、受講者にとってテストの重要性が薄れ、モチベーションが下がってしまう恐れがあります。
また、採点基準が曖昧なままだと、「どうしてこの回答は◯なのに、こちらの記述は×なのか」「採点者がよくわかってないのではないか」といった疑念を抱かれてしまいます。eラーニングによるテストを実施する際は、頻度や採点基準にストレスがないように気を配りましょう。受講者の立場に立ち、あくまでも研修で扱った内容を明確に問うテストを作成することが大切です。
動画の最後にテストを実施する
動画の最後にまとめとしてテストを行うということを冒頭で伝えておけば、受講者は全編を集中して視聴できます。
どこがテストに出そうなのか考えながら見るため、気持ちを途切れさせずに最後まで見終わることができるでしょう。
eラーニングテストの問題作成の注意点
eラーニングテストを実施をすることで受講者のモチベーションがアップしたり理解度が把握しやすくなる一方で、問題文の質によっては逆効果となってしまうことがわかりました。
より良いテスト問題を作成するために、よくある失敗と注意点を知っておきましょう。
「問い方」の統一
eラーニングによるテストを作成する際には、「問い方」を統一するように気をつけましょう。例えば、◯×式の問題を出す際には、以下のように出題することが望ましいです。
良い例:
(1)正しいものを選びなさい。
(2)誤っているものを選びなさい。
反対に、以下の悪い例のように問題文が混在しているのは望ましくありません。
悪い例:
(1)正しいものを選択しなさい。
(2)間違っているものを選びなさい。
(3)誤っているものはどれか。
問題文を作成する際は、同じ質問内容は同じ問題文で問うなど、受験者に余計な迷いを生じさせないように注意をはらいましょう。
eラーニングシステムのテスト機能を確認
eラーニングテストを実施する際には、eラーニングの学習管理システムを活用することになります。しかし、学習管理システムは多種多様なものが展開されており、サポートしている質問形式などはツールによって異なる点に注意が必要です。
- 例えば、以下のような機能がついているかを事前に確認するとよいでしょう。
- 正答率が8割以上の受講者に合格と表示する
- 問題ごとに配点を細かく設定できる
- 制限時間を設定できる
- 自由記述問題の提出にも対応している
導入後にサポート機能が不十分なことが発覚すると、研修の設計し直しやツールの再検討といった手間が発生してしまいます。eラーニングシステムの機能については、システムの導入前に検討しておきましょう。
LMSならテスト結果による効果測定も可能
eラーニングによる学習教材の配信を行うためには、オンライン上でコンテンツを一括管理することができるLMSと呼ばれるシステムが必要です。LMSを活用することで、学習に必要な教材をサーバー上に保管することができます。LMSを導入することで、動画の視聴履歴やテストの受験履歴などを管理することも可能です。
特にeラーニング研修でテストを行う際には、LMSの機能を活用してテストを実施することが望ましいです。LMS上でテストデータを一括管理すれば、テスト結果の集計や蓄積が自動で行われるため、eラーニング研修の成果を効率的に把握することができます。
また、LMSに蓄積された学習状況から判断して、テストの結果が悪かった人には追加の教材を配信する、といった柔軟な対応もできるようになります。eラーニングテストの効果測定には、ぜひLMSを活用しましょう。
LMS導入なら「etudes」
LMSは、多くのベンダーから様々な製品が展開されています。
テストやアンケート機能が充実しつつ、あらゆる年代の社員にとって使いやすく学習しやすいLMSをお探しなら、「etudes」をご検討ください。
etudesは、企業向け人材育成において20年におよぶノウハウを持つアルー株式会社が提供しているLMSです。
etudesは、受講者のみならず、研修担当者にとっても使いやすいUI/UX設計を重視しています。新入社員はもちろん、ベテランや年配の社員にも追加の研修を実施することなく、スムーズなeラーニングの導入が可能です。
また、アルーならではの「オリジナル教材作成サポート」や「eラーニング学習定着支援」が受けられるという点も大きな魅力です。わかりやすい料金体系、大規模運用も可能なID数無制限といった多くのメリットによって、大企業や省庁にもご導入いただいています。
今回は、etudesのテスト・アンケート機能について、詳しくご紹介いたしましょう。
テスト・アンケート機能
ここまで解説してきたように、eラーニングによる研修を実施する際には、受講者の知識を確認できるテストの実施が必要不可欠です。etudesでは、受講者の知識や反応を確認することができるテスト機能やアンケート機能が充実しています。
etudesのテスト機能は、この記事でご紹介した出題形式(○×式、複数選択式など)にも対応しています。また、合格点の設定や試験時間、試験受験回数の設定なども可能です。設問を作成する際には、ブログを書くような簡単な操作でブラウザから編集することができます。
もちろん、テストの結果を蓄積してIDごとに学習管理ができる機能も搭載されています。テストの結果および回答にかかった時間などのデータを、etudesなら過去の受験分全て確認できます。テストの結果は管理画面上で確認できるだけではなく、Excelデータとしての出力も可能です。
まとめ
eラーニング研修においてテストを実施するメリットやその種類、テストを作成する際に気をつけておきたいポイントなどについて解説しました。
eラーニングはいつでもどこでも学習ができる画期的な学習方式ですが、学習成果を定期的に確認するなど、研修実施後のバックアップが極めて大切です。
また、eラーニングによるテストを作成する際には、受講者にとってストレスとならない問題文や頻度を設計することも求められます。ぜひこの記事の内容を参考にして、本当に効果的なeラーニングテストを実施しましょう。