企業内大学とは?社内研修との違い・事例一覧を紹介
効果的な社内教育の一環として、企業内大学の導入という方法が挙げられます。企業内大学は、向上意欲のある従業員をさらに優秀な人材へと育てることができるだけでなく、採用活動時には企業のアピールポイントとして発信できます。また、優秀なリーダーを育成できるため、企業にとって、有効な教育手段のひとつです。
この記事では、企業内大学とは何か、企業内大学のメリットとデメリット、企業内大学の作り方などについて詳しく解説します。おすすめの企業内大学の導入方法として、eラーニングに関してもご紹介します。ぜひ参考にしてください。
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目次[非表示]
- 1.企業内大学とは
- 1.1.企業内大学の歴史
- 2.企業内大学と「社内研修」との違いは?
- 3.企業内大学の事例一覧
- 3.1.ソニー
- 3.2.ソフトバンク
- 3.3.コカ・コーラボトラーズジャパン
- 3.4.資生堂
- 4.企業内大学を設立するメリット
- 4.1.長期的な社員教育が可能に
- 4.2.新たなリーダーの育成ができる
- 4.3.求職者に向けたアピールができる
- 5.企業内大学を設立するデメリット
- 5.1.講師の選定・任命が難しい
- 5.2.運営のコストがかかる
- 6.企業内大学設立の流れ
- 6.1.企業内大学の目的やコンセプトを明確にする
- 6.2.組織内の教育ニーズを把握する
- 6.3.企業内大学の運営体制を整える
- 6.4.企業内大学を浸透させる施策を企画・実施する
- 7.企業内大学設立のポイント
- 7.1.目標を明確にしてカリキュラムを作成する
- 7.2.全従業員を対象にする
- 7.3.専門知識を持つ社内講師を育成する
- 7.4.学習スタイルを複数組み合わせる
- 7.5.効果測定の仕組みを作る
- 7.6.組織の価値観やビジョンを共有する
- 8.企業内大学の課題はeラーニングで解決!
- 8.1.多様な学習方法に対応できる
- 8.2.講師のスケジュールを圧迫しない
- 8.3.受講履歴・学習進捗の管理も可能
- 9.eラーニングなら「etudes」
- 10.まとめ
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企業内大学とは
企業内大学は、従業員が必要な知識や技術を習得する場を企業が提供する、社内教育の一形態です。コーポレートユニバーシティ(Corporate University:CU)といわれることもあります。一般的には、通常の大学のように必修科目と選択科目に分かれている点が特徴です。
企業内大学は、必須の知識や技術を身につけるというより、従業員のキャリアアップにフォーカスして専門性を深めることが目的です。
そのため、従業員ごとの目標に合わせてカリキュラムを組み、企業や業界の次世代のリーダーを目指して学習を進めることになります。
企業内大学の歴史
企業内大学は、1950年代に米国の主要企業が開設し、成功したことから注目度が高まったとされています。
近年、グローバル化や少子化により、優秀な人材の獲得競争が激化しています。そこで、企業内大学を設置することで、企業外から優秀な人材を確保するのではなく、企業内で有能な人材を育成する方法が注目されています。
労働力不足や雇用の流動性の高まりもあり、多くの企業は、企業内大学やリスキリング等の社内教育への取り組みを、より充実させる必要があると言えるでしょう。
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企業内大学と「社内研修」との違いは?
社内研修とは「従業員が業務を遂行するために必要な知識や技術を習得する、企業が提供する育成プログラム」のことを指します。スキルの習得だけでなく、社風やビジネス目標の周知を同時に行う側面もあります。
企業内大学は、「従業員に業界や企業に関する学習の場を提供する」という意味では、社内研修とそれほど性質が変わらないように思われるかもしれません。しかし、企業内大学と社内研修の間には、次の3つの相違点があります。
企業内大学 |
社内研修 |
|
学習内容 |
必修科目はあるものの、選択科目によって個々が学びたい内容を学べる |
従業員にとって重要性が高くないと感じるものでも必ず学習する |
講師 |
外部から専門の講師を招いたり上司が部下に教えたりする |
優秀な成績を修めている社員が講師として起用される場合もある |
目的 |
業務で広く必要とされるスキルの修得 |
専門性を深めるスキルの修得 |
それぞれの相違点について、詳しく見ていきましょう。
1.学習内容
社内研修は、企業が従業員に求める知識やスキルを身につけさせるために行うことが一般的です。
そのため、テーマによっては実務ですぐ活かせない場合でも、企業側からの働きかけにより必ず学習することが多くなります。また、コンプライアンス研修やハラスメント研修など、企業運営において必須とされるテーマについての研修も少なくありません。
一方、企業内大学では、多くの場合、人事担当が従業員のニーズを把握して必要な講座を設定します。内容は必要なスキルの習得だけに焦点を当てたものではなく、より専門性を深めるためのものになります。必修科目はあるものの、選択科目によって、従業員個々人の学びたい意欲に沿った学習を行うことができます。
2.講師
一般的な社内研修で登壇する講師は、外部から専門講師を招いて学ぶことがほとんどです。もしくは、上司が部下に実務を通して知識や技術を教えるケースもあるでしょう。
しかし企業内大学では、外部から講師を招くだけではなく、さまざまな分野において、高い知識やスキルを持つ社員が、講師として起用される場合があります。この場合、受講者である従業員は、実際の現場で使われている知識やスキルをより実践的に学び、吸収することができるので、効率的に育成の成果を出すことができます。また、業務遂行に直結する実践的な内容も学べるため、学んだことをすぐに自らの業務に活かすことができます。これにより、従業員の学習に対するモチベーションを向上させる効果も期待できます。
3.目的
多くの社内研修の目的は、業務で広く必要とされるスキルの習得です。
手法としては、集合研修だけでなく特にOJT(On-the-Job Training:オン・ザ・ジョブ・トレーニング)形式による現場での実施が多くなります。
一方で、企業内大学は、従業員のキャリアアップや、次世代リーダーの輩出を念頭に置き、関係している業務や業界に対する専門性を深めることが目標です。学びに必要な基本的なスキルは習得していることが前提のため、社内研修とは実施目的が異なります。
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企業内大学の事例一覧
優秀な人材育成のために重要となる企業内大学ですが、実際に導入している企業はどのようなコンセプトで設立し、運営しているのでしょうか。ここからは、実際に企業内大学を導入している日本国内の企業を見ていきましょう。以下の4社をご紹介します。
- ものづくり総合大学(ソニー)
- ソフトバンクユニバーシティ(ソフトバンク)
- コカ・コーラユニバーシティ ジャパン(コカ・コーラボトラーズジャパン)
- エコール資生堂(資生堂)
それぞれの企業内大学について、詳しく見ていきましょう。
ソニー
ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ(SGMO)では、社員一人ひとりの主体的な学習による、スキルやノウハウの向上を支援しています。そのための社内の教育機関として、「ものづくり総合大学」を設立しています。
SGMOが「プロフェッショナル集団」として今後成長していくために、これまで暗黙知であった技術やスキルを形式知化し、さらに発展させていくことを目指しています。
主となるコンセプトは、「人間力強化」と「専門性強化」の2つです。「人間力強化」を目標としたプログラムは、グローバル人材の養成や経営力を養う講座を開いています。「専門性強化」を念頭に置いたプログラムでは、座学と実践を組み合わせたカリキュラムにより、社員の能力向上を効果的に支援しています。
出所:https://www.sony-global-mo.co.jp/recruit/hrd.html
ソフトバンク
ソフトバンク株式会社では、経営理念の実現に貢献する、個性豊かな人材の育成を目的に、2010年に「ソフトバンクユニバーシティ」を設立しました。
コース全体の約8割の講師はソフトバンクの社員で、業務で培ったノウハウをそのまま学べる点が特徴です。
ビジネスプログラムでは、業務全般で必要となるマネジメント能力や、キャリアマインド等を学ぶことができます。の階層別プログラムでは、各階層に細かく対応したコースにより、企業及び個人の成長に欠かせないスキルを習得することが可能です。いずれも、アウトプット中心の学びとなっているため、効果的に学習を進めることができる点で優れています。
出所:https://www.softbank.jp/corp/philosophy/human-resource/special/sbu/
コカ・コーラボトラーズジャパン
コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社は、次世代リーダー育成プログラムとして「コカ・コーラユニバーシティジャパン(CCUJ)」を、2020年に設立しています。
CCUJは、将来のコカ・コーラシステムをけん引し、変革を導く人材育成と、飲料市場に新しい価値を提供することを目的として立ち上げられました。CCUJは、部長層、課長層、一般職層の3階層に分かれており、各部門から選ばれたメンバーは約半年間のプログラムに取り組みます。
参加者は、「イノベーション」「戦略的思考」「ピープルマネジメント」「エフェクティブコミュニケーション」「グロースマインドセット」という5つのケイパビリティーに紐づく、自身の強みの強化と課題の解消を行います。このプログラムの受講により、より高い視座、広い視野を獲得することができます。
出所:https://www.ccbji.co.jp/csv/inclusion/
資生堂
資生堂は、「魅力ある人づくり」への取り組みとして社内研修プログラムを整備し、2007年に「エコール資生堂」を設立しました。
これからの資生堂を支えていく存在となる「美意識・自立性・変革力を兼ね備えた人材」を育成することを、目的としています。
全社員の業務を7つに分類し、それぞれの学部ごとに専門的な知識の習得をはかる研修を実施しています。
- 美容学部
- 営業・マーケティング学部
- 宣伝制作学部
- 研究開発学部
- 生産学部
- 財務・経理学部
- スタッフ学部
さらに学部を横断する研修として、入社年次と職位に応じて階層型研修を行う「教養課程」、グローバル人材を育成する「国際課程」も設定しています。
出所:https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000000752/752_m2c74_jp.pdf
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企業内大学を設立するメリット
企業内大学を設立することにより、研修などに代表される人材育成の手法では得られない利点を得ることができます。では、具体的にどのようなものが挙げられるのでしょうか。ここでは、大きなメリットである以下の3つをご紹介します。
- 長期的な社員教育が可能になる
- 新たなリーダーの育成ができる
- 求職者に向けたアピールができる
それぞれについて、詳しく解説していきます。企業側だけではなく、従業員側もメリットを享受できるため、社員の積極的な取り組みも期待できるでしょう。
長期的な社員教育が可能に
企業内大学は、新入社員など一部の階層だけではなく、全従業員が対象となることも多く、従業員全体のスキルを底上げすることが可能です。カリキュラムやプログラム内容によっては、中長期的に人材育成を行うことができ、従業員の自発的な学びを支援するプラットフォームにもなります。継続的に従業員が学び、スキルアップが実現できる環境を提供することで、学習へのモチベーションを高く保つことができ、自社に必要な人材を長期的に育成することへとつながります。
新たなリーダーの育成ができる
企業内大学では、自社の目的に応じた講義や、プログラムを設定することができます。そのため前述の通り、自社をけん引する将来のリーダー育成を目的として設立されることが多く見られます。
自社理念や自社文化にフィットする経営層の育成や次世代リーダーの養成、業務や役職ポストに必要な人材の育成を意図するカリキュラムが組みやすい点もメリットの一つです。
また、企業内大学では優秀な従業員が講師を務めることがあります。それにより受講者は、実践的な内容を学習できるだけでなく、社内のロールモデルが明確になります。企業側にとってはリーダー候補を選出しやすくなるといえます。新たなリーダーの育成は、どの企業にとっても重要な課題であるため、リーダー育成に有効な企業内大学の設置はメリットがあると言えるでしょう。
求職者に向けたアピールができる
近年は、労働力不足や雇用流動性の高まりによって、企業が人材を選ぶのではなく求職者が企業を選ぶ状況が増えています。
人生100年時代と言われる背景もあり、求職者は企業を「自分が成長する場」として捉える傾向が強まっています。そのため、企業内大学を設置している企業は、より高い向学心を持つ人材にとって、大きな魅力となります。
企業内大学の設置は、雇用市場における差別化を図り、採用活動時のアピールポイントとして情報発信できる点もメリットの一つと言えるでしょう。
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企業内大学を設立するデメリット
企業側には優秀な人材をもたらし、従業員側には学習の場が提供されるというメリットがある企業内大学ですが、デメリットもいくつかあります。スムーズで効果的な運営を目指すためにも、デメリットを知っておきましょう。
ここでは、以下の2つのデメリットをご紹介します。
- 講師の選定・任命が難しい
- 運営のコストがかかる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
講師の選定・任命が難しい
優秀な社員を講師に選定したくても、教育分野にある程度精通していないと、思った通りの学習効果を得ることができない場合があります。そもそも、講師としての経験が無い人材がほとんどです。仮に任命しても、優秀な社員が教育においても優秀であるとは限りません。
さらに、さまざまな要件をクリアして講師として活動することになっても、スケジュール調整がうまくいかず、実務とのバランスを保つことが難しい場合もあるでしょう。こうした講師に関する課題は、優れた講師を育成する施策の実施や、オンデマンドで講座を配信するなどの方法で解決しなくてはならないでしょう。
運営のコストがかかる
企業内大学の導入・運営には、金銭的なコストはもちろん、時間や人員など、さまざまなコストがかかります。特に運営にかかるコストが膨大な場合、
学習効果があまり得られないままに、システムが形骸化してしまう恐れがあります。さらに、設立後も継続的にプログラムの充実をはかり、企業内大学の運営規模を拡大していけば、さらにコストが増えてしまうでしょう。
企業内大学では、特に設立時に初期費用がかさみやすいため、どこまで将来に投資するか、どのくらいの経営資源を費やすか、どの程度の人材育成プログラムを構築するかを、事前に緻密に計画しておくことが重要です。働き方が多様化している昨今では、オンライン学習プラットフォームの導入もおすすめです。システム導入などを行うことで、コストをおさえてより柔軟性の高い運営も可能となります。
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企業内大学設立の流れ
企業内大学は、多くのメリットがある教育方法ですが、継続的に運営し、より高い成果を出すためにはさまざまなことを検討する必要があります。ここでは、企業内大学設立の流れの概要をご紹介します。
- 企業内大学の目的やコンセプトを明確にする
- 組織内の教育ニーズを把握する
- 企業内大学の運営体制を整える
- 企業内大学を浸透させる施策を企画・実施する
- 教育の効果測定ができるようにする
各内容ごとに詳しく見ていきましょう。
企業内大学の目的やコンセプトを明確にする
まずは、企業内大学の設立により社員にどのような教育をしたいのか、また、どのような結果につなげたいのか、企業内大学設立の目的とコンセプトを社内で明確にすると良いでしょう。例えば、次世代のリーダーを育成したい場合には、自社の将来像や、その実現のために必要なリーダー像を明確にする必要があります。
さらに、社員とも企業内大学設立の目的やコンセプトを共有すれば、学びの場に対する社員のモチベーションを高めることができます。さらに、運営における人材の確保や、より主体的に学ぶ意識を企業内に醸成することができます。
目的設定時には、現在の課題を洗い出すだけでなく、現在活躍している社員の特徴やスキルなどを分析することもおすすめです。
組織内の教育ニーズを把握する
企業内大学の目的やコンセプトの明確化後は、組織内の教育ニーズを把握しておきましょう。従業員の知識レベルやスキルなどを調べ、自社の社員に不足している知識やスキル、今後強化すべき点を明確にします。
現状の課題を知ることにより、企業内大学に取り入れるべきカリキュラムを設定しやすくなります。学ぶべき内容の決定後は、どのように学んでいくことが最良かも合わせて検討していきましょう。
企業内大学の運営体制を整える
次は、企業内大学の運営体制を整えていくステップです。具体的には、下記の項目を決定していきます。
- 教育を担当するスタッフ・講師の選出
- コンテンツの管理方法
- 効果測定方法
企業内大学設立では、設立後も持続的に運営し、より高い成果を出すためにはどうすれば最適か、中長期的なタイムラインを見据えて、計画・検討する必要があるでしょう。
企業内大学を浸透させる施策を企画・実施する
最後に、企業内大学を浸透させるための施策を企画します。
社内全体に向けた広報、社員への通知などはもちろんのこと、社外へのアプローチも必要です。企業ホームページでの情報発信、採用活動時の求職者へのアピールなど、外部に伝えることにより、向学心を持つ人材や自ら成長する意志のある人材に興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
「企業内大学の運営体制を整える」上で、教育効果測定方法の検討や、明確な効果測定についての取り組みも重要です。
人材育成には、ある一定の時間が必要ではあるものの、長く実施しているからといって期待する効果が得られるとは限りません。より高い成果を得るためには、効果測定をして改善サイクルを回し、効果的な教育プログラムが実施できているかを、しっかりと判断することが大切です。
効果測定の具体的な例としては、研修に関するアンケートを実施する、理解度テストを実施する、レポート提出を必須にするなどが挙げられます。
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企業内大学設立のポイント
企業内大学設立の流れを把握したところで、次は設立のポイントについて見ていきましょう。企業内大学設立のポイントは、主に下記の6つです。
- 目標を明確にしてカリキュラムを作成する
- 全従業員を対象にする
- 専門知識を持つ社内講師を育成する
- 学習スタイルを複数組み合わせる
- 効果測定の仕組みを作る
- 組織の価値観やビジョンを共有する
それぞれのポイントを見ていきましょう。
目標を明確にしてカリキュラムを作成する
企業内大学を設立する際は、目標や目的を明確にしましょう。定型のカリキュラムを用意し、機械的にコースを増やすだけでは、社員の知識レベルやスキルに見合っておらず、期待した結果につながらない可能性があります。まずは、企業内大学を設立することで、どのような結果につなげていきたいか、目標や目的を明確にすることから始めることがおすすめです。
全従業員を対象にする
企業内大学は、正社員はもちろん、派遣社員やパートも含めた全社員を対象にすることが大切です。すべての社員に学びの場を提供し、自己研鑽の機会を用意することにより、全体のスキルアップにつながります。企業理念や企業としてのビジョンも共有できるので、企業に対する理解度も高くなるでしょう。
専門知識を持つ社内講師を育成する
外部講師を呼んで社員に新たな知識を身につけてもらうことも大切ですが、専門知識に詳しい社内の優秀な人材を講師として任命するのも方法の一つです。経験豊富な自社の人材を講師とすることにより、社内の専門的な知識やスキル、言語化しにくい個人のノウハウを新しい世代の社員たちに伝承できるメリットがあります。
ただし、仕事ができる人材が講師面でも優秀とは限らないため、必要に応じて講師としてのスキルを身につける教育の実施を行いましょう。
学習スタイルを複数組み合わせる
社員のニーズに合わせて、さまざまな学び方を用意することも重要なポイントです。複数の手法を組み合わせた学習方法はブレンディッドラーニングと呼ばれます。これにより、限られた時間を有効活用して、より効率的に人材育成をすすめることができます。たとえば、まず必要な知識や情報のインプットにeラーニングを活用します。その後オンラインや対面での集合型研修を実施し、事前に得た知識を元にディスカッションやグループワークに取り組むといった手法です。それぞれの学習方法の特徴を生かした学びの場を用意すると、より知識やスキルが身につきやすくなるでしょう。
効果測定の仕組みを作る
企業内大学は設立して終わりではなく、適切な効果測定を行うことが大切です。プログラムを作成し、企業内大学を運営しても、実際に社員が必要な学びを得られていなければ意味がありません。
実施後に効果測定を行い、どのくらい学習内容を理解できているか、研修で学んだ内容をどのくらい実践に活用できているかを、把握していきましょう。効果があまり得られていない場合は、改善策を検討し、次回以降に生かしていくことが大切です。企業内大学では、繰り返し効果測定を行い、その内容を今後に役立てる仕組み作りが重要になります。
組織の価値観やビジョンを共有する
企業内大学を設立する際は、組織の価値観やビジョンを事前に共有しておきましょう。それにより、社員に組織の方針や方向性を明確に伝えることができ、社員が同じ目標を持って進めるようになります。組織全体の一体感が高まり、企業内大学への取り組みに関するモチベーションの維持にもつながります。
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企業内大学の課題はeラーニングで解決!
eラーニングシステム(LMS・学習管理システム)を活用することで、企業内大学の運営を効率化することができます。eラーニングシステムは、主にeラーニング教材を受講するためのシステムですが、集合研修の管理機能もあるため、eラーニングと集合研修を組み合わせたブレンディッドラーニングが実現できます。また、テストや提出物管理機能も備えており、さまざまなプログラムに応じて汎用的に活用しやすい点もシステムの特長です。
- リアルタイムで講義を配信するリアルタイム型講義
- 録画教材などを利用して学習を進めるオンデマンド型講義
上記の2つを管理することもできるため、学習内容によって適切な手法を選ぶことができます。
eラーニングシステムは、提供ベンダーによって標準装備の機能が異なります。企業内大学にeラーニングシステムを導入する場合は、特に学習履歴の管理が緻密なシステムがおすすめです。
オンライン企業内大学の形態はさまざまですが、LMSを導入することにより、より少ない工数とコストでスムーズな運営ができます。
eラーニングを活用して、オンライン企業内大学を設置するメリットを、さらに詳しくご紹介します。
多様な学習方法に対応できる
LMSを用いたオンライン企業内大学は、オンラインという性質上、教室(会場)費や紙の教材費などが不要のため、対面式と比べて格段にコストを抑えることができます。
また、その都度講師が登壇する必要がなく、一度動画教材を作成すれば、以降は繰り返し配信して利用することが可能です。講師代やスケジュール調整も不要になるため、業務とあわせてより効果的に教育を施すことができるでしょう。
配信されている教材を繰り返し学習して理解度を深めたり、業務の隙間時間に少しずつ学習を進めたりといった多様な学習方法に対応できるため、忙しいビジネスパーソンでも学習しやすい環境を提供できます。
講師のスケジュールを圧迫しない
集合型研修形式で、社内講師が登壇して実施する場合、講師と受講者のスケジュールを調整してプログラムを開催する必要があります。実務もある中で大人数のスケジュール調整には運営工数がかかりますが、オンライン企業内大学であれば、講師のスケジュールの都合の良いときに講義を録画し、それを後から録画教材として繰り返し配信する形式を取ることが可能です。
そのため、講師のスケジュールを圧迫せず、何度も登壇する必要もなくなるため、講師となる社員自身の負担を減らすことができます。
負担が少なくなることにより講師を任命しやすくなり、また任命された社員も講師としての責務を果たしやすくなるでしょう。もちろん、一度配信した動画教材の更新や内容変更も、オンラインで簡単に行うことが可能です。受講者にとっては、反復学習や復習がしやすいため、双方にとってメリットがあると言えるでしょう。
受講履歴・学習進捗の管理も可能
対面式の講義のみで企業内大学のプログラムを実施する場合、講座の管理や受講履歴・学習進捗管理は、管理のためのシステム構築が必要になる場合も多いのではないでしょうか。しかし、学習履歴管理機能が搭載されたLMSを導入すれば、配信コンテンツや講座をシステム上で一括管理することが可能です。
受講者ごとのアカウントで管理することにより、一人ひとりの受講履歴や学習進捗、習熟度が確認でき、データとして蓄積できます。また、管理画面からサマリーとして、特定のユーザーグループやカテゴリー単位で履歴をまとめることもできます。その結果、プログラムごとの受講状況や、グループや部署などの単位で学習履歴を確認することが容易になります。
受講者側からも自身の習熟度や、学習進捗のチェックが簡単になり、学習へのモチベーションの維持向上につながるでしょう。さらに、eラーニング関連だけではなく、集合研修のライブ配信やオンライン講義の案内配信も、LMSを使用することにより一括管理ができる点も導入のメリットです。
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eラーニングなら「etudes」
オンライン企業内大学の設立を検討している方は、LMS「etudes(エチュード)」の利用をご検討ください。
etudesは、長年人材育成の分野において最前線で活躍してきたアルー株式会社のノウハウを最大限に詰め込んだ、クラウド型LMSです。
直感的で迷うことのないマニュアルのいらいないシンプルな操作性とeラーニングに必要な機能を網羅した一括性、高度なセキュリティ対策で、オンライン企業内大学の導入に最適です。
また、「etudesPlus」というプランをお選びいただければ、良質かつ豊富なeラーニング教材が定額で使い放題となり、企業内大学のスタートに最適な教材が揃います。
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企業内大学にはetudes Plusもおすすめ
また、「etudes Plus」プランを選択されますと、良質かつ豊富なeラーニング教材が定額で使い放題となり、企業内大学のスタートに最適な教材が揃います。
「etudes Plus」は、階層別・スキルテーマ別に設計された100種類以上のeラーニング教材が受け放題です。
予算の関係で教材の種類に偏りが発生することがなく、受講者が学びたいこと、身につけたいスキルに合わせて多彩な教材を組み合わせて学習できるでしょう。
まとめ
企業内大学は、社内教育の一環として、社員が必要とする知識や技術を習得する場を企業が提供するシステムです。企業内大学の設立により、中長期的な社員教育が可能になる、新たなリーダーの育成ができる、求職者に向けたアピールができる、などのメリットが得られます。
しかし、ただ設立するだけでは不十分です。企業内大学の目的を明確にし、組織内の教育ニーズを把握した上で、運営体制・教育環境を整えていきましょう。教育実施後は、効果測定を行い、今後の施策を検討することも大切です。
企業内大学の設立を検討しているものの、なかなか踏み出せないという方は、ぜひLMS「etudes(エチュード)」の利用をご検討ください。