自社で社員登用試験を実施するポイント|試験や面接の事例について解説
非正規雇用の従業員を正規雇用する際に社員登用試験が行われますが、試験の内容は時代の流れや求める人材の像により変化します。自社で社員登用試験を実施する際、どのようなポイントをおさえるべきかお悩みのご担当者様も多いのではないでしょうか。人材不足が常態化するなか、自社にすでにいる社員を採用することで多くのメリットがあります。
本記事では社員登用試験にお悩みの企業の方へ向けて、内容や面接の質問例といった基礎知識から、より効率的に社員登用試験を実施、運営するためにeラーニングシステムの活用についてご紹介します。事前学習やテスト実施、論文などの提出物管理が一元化できるため、多くの対象者に対して実施する場合でも運営工数を削減することができます。
実際に企業でどのように人材育成をしているのか、他社事例を知りたい方は「導入事例:住友ゴム工業株式会社 / 株式会社メガネトップ / 株式会社オカムラ / 他」で詳しくご紹介します。
etudesでは「人材育成の運営工数を削減したい」「eラーニングで育成施策の成果を上げたい」企業様をご支援しています。人材育成にお困りの方はお気軽にご相談ください。
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目次[非表示]
- 1.社員登用制度とは
- 1.1.社員登用試験の対象者
- 2.社員登用制度導入の背景
- 3.社員登用試験の内容
- 3.1.社員登用試験での書類選考
- 3.2.社員登用試験での筆記試験
- 3.3.社員登用試験での小論文
- 3.3.1.小論文のテーマ例
- 3.4.社員登用試験での面接
- 3.4.1.社員登用試験でのよくある質問例
- 4.社員登用試験を行うポイント
- 4.1.周囲のサポートが大切
- 4.2.対象者全員にフィードバックをする
- 4.3.多角的な視点での評価
- 4.4.評価内容の透明化
- 5.社員登用試験を効率的に進めるなLMSの活用がおすすめ
- 6.LMSのetudesなら標準機能で登用試験も効率運営できる
- 6.1.登用試験に必要な事前学習ができる
- 6.2.論文などの提出物管理やテスト実施もできる
- 6.3.対面やオンラインでの面接の日程調整も可能
- 6.4.試験後に必要な研修も一元管理が可能
- 6.5.正社員に必要な研修の実施も可能です
- 7.まとめ
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社員登用制度とは
社員登用制度とは主にパートやアルバイト、契約社員などの「非正規雇用」の従業員を「正規雇用」にする制度のことです。従業員は会社の、会社は従業員の様子を見ることができ、業務内容や適性について双方が理解した上で正社員として採用することができる有用な制度です。実際に数多くの企業が正社員登用制度を導入しています。また登用の際には試験や面接などが行われる場合が多いです。
社員登用試験の対象者
社員登用試験の対象者は「現在正社員でない従業員」のパートタイム勤務者ややアルバイト、契約社員などの「非正規雇用」の従業員です。この非正規雇用の従業員が志望する場合や、または企業側からの提案を受けることで正社員登用されることが多く、登用試験や面接など、企業ごとに定められた手順を踏んで正社員登用となります。
対象者は企業ごとに変わるため、「一定期間勤続している」「上司の推薦を受ける」などの独自の基準を打ち出している場合が多いです。この記事では試験を実施する場合を中心に解説していきます。
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社員登用制度導入の背景
「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」の第三条において、「雇用する短時間・有期雇用労働者について、その就業の実態等を考慮して、適正な労働条件の確保、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善及び通常の労働者への転換」の推進に努めることが義務化されています。そのため、義務化への取り組みの一環として正社員登用制度を設けている企業が多くなっています。
では、厚生労働省の労働経済動向調査をもとに、正社員登用制度の実態を確認していきましょう。
社員登用制度の導入と実際の正社員登用の状況
厚生労働省の労働経済動向調査によると、正社員登用制度は75%の企業にて導入されてるものの、社員登用制度の有無に関わらず過去1年間に登用実績があった割合は平均44%と、正社員登用制度の導入率と比較すると実際の登用は少ないことが見受けられます。
正社員への登用実績が最も多かった産業は「医療・福祉」で55%と、正社員登用が多くなっています。また、正社員登用制度がありながら登用実績がないのは38%となっており、社員登用制度があっても100%全員が正社員になっている訳ではないことがわかります。
参考:労働経済動向調査(令和4年2月)の概況|厚生労働省
社員登用制度があるが登用実績がない理由
登用制度がありつつも、実際には登用実績がない理由として、労働経済動向調査では、「正社員を募集したにも関わらず、正社員以外の労働者から応募がなかった」という理由が40%と高くなっています。
スタッフが正社員になりたくないと考える理由としては、「責任を追いたくない」「残業をしたくない」「スキルに自信が無い」「雇用条件や環境が希望と合わない」などの理由が考えられます。
また、現在は企業で正社員として働く以外にも、フリーランスとして働くなど、働き方も多様化してきています。そのような中で、既存の働き方に囚われたくないと感じている方が増えてきていることも、正社員登用が進まない理由として考えられるでしょう。
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社員登用試験の内容
正社員登用を行う基準は企業によってさまざまで、上司の推薦があること、普段の勤務態度の評価の他にも、採用面接で適性やスキルなどを把握するために、登用試験を受けることを正社員登用の基準としている企業も多くなっています。
ここでは一般的に行われる書類選考、筆記試験、小論文について解説していきます。
社員登用試験での書類選考
書類選考の志望動機欄では主に
- 今までの職場の役割・やってきたこと
- 正社員登用を志望する理由
- 今後どのように仕事をしていきたいか
- 企業に貢献できることは何か
を確認することが重要になります。
一般的な志望動機とは異なり、志望者がこれまでこの職場でどのようなことをやってきたのかを踏まえ、なぜ社員登用試験を受けたのか、今後どのような仕事をしていきたいのかを確認します。企業側は書類選考を行うことで、社員の現在の状況や社員のキャリアビジョンなどを確認することができます。
社員登用試験での筆記試験
正社員登用では筆記試験を行うことが一般的です。筆記試験を行うことで、従業員の適性やスキルレベルを把握することが可能です。そのため筆記試験は多くの企業が導入している手法です。以下にて筆記試験で行われることの多い「一般常識問題」「SPI」について解説していきます。
一般常識問題
- 時事経済問題
- 国語に関する問題
- 英語に関する問題
社員登用試験では、上記の一般常識を問うことが一般的です。
出題範囲は国語・数学・理科・社会・英語などにくわえ、ビジネスマナーや時事問題が出題されます。企業によって出題の傾向は異なりますが、自社に関連する領域にあわせた出題が多い傾向にあるでしょう。
SPI
SPIはリクルートが開発した試験で、試験結果によって個人の資質を確認できます。内容は、知的能力を測る「能力検査」と、人となりを見るための「性格検査」の2つに分類できます。この試験は対策をすることが難しいので受験者本人の力量を見ることができます。またSPIは社内で実施するほかWEB上で受験させることもできます。
自らの企業の規模に応じて特に重視する結果と受験方法を決定するといいでしょう。
社員登用試験での小論文
また社員登用試験では小論文が行われるのも一般的です。平均400文字~1200文字程度のシンプルな小論文であることが多いです。ここでは、社員登用試験で行われる小論文のテーマについてご紹介いたします。
小論文のテーマ例
社員登用試験の小論文のテーマとしては、以下のような例が挙げられます。
- 自己PR
- 自身の強み・弱み
- 将来のビジョン
企業が登用試験に小論文を試験に入れる目的は、自分の意見を主張する際に、「論理的に説明ができているか」「説得力のある伝え方ができているか」を確認することです。
企業側が社員登用試験で小論文を実施する際のポイントとしては、小論文の内容はもちろん、文章の組み立てがしっかりできているか、納得できる根拠を伝えられているかを確認しておきましょう。
社員登用試験での面接
社員登用試験では面接が設定されている場合も多くなります。書類選考や小論文の実施に加え、実際の面接でのコミュニケーションを通じて正社員として働ける人材であるかを見極めるために実施されます。通常の採用試験のように、人事担当社や、役員によって面接が行われます。ここでは、社員登用試験での面接でよく聞かれることを紹介いたします。
社員登用試験でのよくある質問例
社員登用試験でよくある質問例を以下でご紹介します。
- 自己紹介について
- 自身の強みと弱みについて
- 正社員になろうと考えた理由や背景
- これまでどのような仕事に取り組んできたか
- 正社員登用後は、どのように会社に貢献できるか
通常の採用試験でよく聞かれる「自己紹介」「自己PR」に加えて、社員登用試験では働き方の変化を選択したことについての背景や意思確認、正社員登用後の働く環境の変化への適応についてなどもヒアリングする必要があります。
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社員登用試験を行うポイント
正社員登用では、即戦力となり、かつ仕事に対する責任感や積極性、向上心などの姿勢や意欲をもった人材を選びたいと考える方も多いでしょう。
一方で、社員登用試験で評価内容が明確でなかったり、社員登用試験で不合格だった社員へのフォローができていないと、企業に対する不信感がつのり、結果として社員登用試験の対象者だけでなく他の社員にも悪影響を及ぼす場合もあります。
ここでは、企業側が社員登用試験を行う際のポイントをご紹介いたします。
周囲のサポートが大切
正社員登用には、試験を受けるスタッフがすでに所属している部門のサポートが大切です。
正社員になった場合、どのような業務をすることになるのか、どんなことが求められるのかをすでに正社員であるメンバーが共有する、試験前や試験日には業務の割り振りを変更するなどのサポートが必要になるでしょう。
また、登用後もスムーズに業務を継続できるように配慮することも重要です。
対象者全員にフィードバックをする
登用の際には登用試験に合格した従業員はもちろん、試験に合格しなかった従業員にもフィードバックをすることが重要です。
候補者が落ちてしまった場合、仕事に対するモチベーションを落とすことに繋がってしまいます。そのため、候補者への評価の詳細や、改善点等を含めたフィードバックを行い、次回の試験につながるようにフォローすることが大切です。
多角的な視点での評価
社員登用試験を行うにあたって、評価が偏ってしまうと、適切な人材を選定することができません。試験実施者は複数の部門から選定することや、試験だけでなく普段の勤務態度や業績など、多角的な視点で評価を行いましょう。属人化を防ぐために、選考基準に数値的な評価を使用すると良いでしょう。
評価内容の透明化
評価内容が透明化されていないと、社員のモチベーション低下や企業への不信感を抱き、退職に繋がってしまう可能性もあります。
どのような内容で試験の合否を決めているのかを、定性評価だけでなく定量評価も含めて評価内容を決めることが重要です。
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社員登用試験を効率的に進めるなLMSの活用がおすすめ
LMS(Learning Management System)とはeラーニングの受講のプラットフォームになるシステムで、多くのLMSは研修管理や提出物管理機能などを搭載しています。。LMSはeラーニングの受講をはじめ、オンライン面接の日程調整や小論文などの提出物管理、さまざまな形式でのテスト実施、試験対象者にのみ必要な教材を配布するといったことも可能で、社員登用に必要な運営をシステム利用によって効率化することができます。LMSによって搭載している機能や料金体系が異なりますが、社員教育にeラーニングの導入や、社員登用試験のシステム導入による効率化を目指している方は、LMSの利用もおすすめです。
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LMSのetudesなら標準機能で登用試験も効率運営できる
社内教育で幅広く活用できるLMSの導入なら、20年以上にわたる人材育成のノウハウを持つアルー株式会社が開発した「etudes(エチュード)」をご利用ください。
etudesは人材育成の知見を活かして作られたLMSで、受講者と管理者双方が使いやすいシンプルで直感的な操作ができる学習管理システムです。標準装備の機能を活用して、必要な教材配信、テスト実施、提出物の管理、集合研修の管理など幅広い活用が可能で、初期費用無料で1名から利用できます。またITスキルの有無にかかわらず操作しやすい洗練されたUI(ユーザーインターフェース)を備えています。
登用試験に必要な事前学習ができる
LMSはeラーニング学習のプラットフォームになるため、登用試験に必要な事前学習や社内情報を共有したい場合、対象者にのみ簡単に必要なコースを割り当てて受講をしてもらうことができます。対象者はシステムにログインして各自の空き時間を有効活用して学習ができるため、実務と登用試験への取り組みを両立しやすくなります。
論文などの提出物管理やテスト実施もできる
小論文など提出する必要がある場合でもetudes上でアップロード・管理できます。受講者にあらかじめ回答用のテンプレートをダウンロードしてもらうこともできるので、提出物の一連の管理をすべてシステム上で完結することができます。
さまざまな形式で実施できるテストについては自動採点・自動合否判定ができるので、試験の採点にかかる時間を短縮できます。
対面やオンラインでの面接の日程調整も可能
対面やオンラインでの面接の日程調整もetudes上で行うことが可能です。日程調整はメールなどで行う場合、運営工数はかなり増えてしまいますが、etudesでは受講者はシステム上で希望の日程を選択することができます。管理者は日程ごとに参加可能な上限人数などを設定することができるため、簡単に日程調整をすることができます。
また、etudesにはお知らせを配信する機能も備わっているため、参加調整が完了していない対象者にリマインドメールを送付することもできます。
試験後に必要な研修も一元管理が可能
etudesでは試験後に必要な研修も一元管理をすることが可能です。
正社員になった後は、正社員としての心構えはもちろん、業務内容が変わることもあるでしょう。etudesは社員の研修履歴を一元管理することができるため、社員一人一人がどのような研修を受けていてどのようなスキルを持っているのかを確認することができます。
eラーニング教材の視聴履歴だけでなく、集合研修の実施状況なども含めて管理することができれば、正社員登用後も社員1人ひとりに合わせた教育を効率的に実施可能です。
正社員に必要な研修の実施も可能です
etudesでは試験後に必要な研修のほか正社員に必要な研修も実施することが可能です。また研修に使う教材を「コース」としてまとめることができ、コースの修了証を発行もできます。またテストは自動採点ができるため管理の手間を減らしつつ確実な研修を行うことができます。また結果がすぐに出ることは従業員のモチベーション増加にもつながります。このことによりetudesでは効率的な研修が可能です。
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まとめ
社員登用試験は、実施企業も多く、今後の労働力人口の減少に備えてこれから実施を考えている企業も増えることが予想されます。
社員登用試験の内容やポイントを踏まえて、社員登用を行えば、すでに働いている社員を正社員として採用し、教育のコストを抑えることにもつながるでしょう。
また社員登用試験を行う際により効率化をしたい・試験後もeラーニングにて研修を行いたい場合には「etudes」の利用をご検討ください。20年以上にわたる人材育成のノウハウを持つアルー株式会社が開発しているため、すぐに活用できる教材も豊富です。
eラーニングの導入や社員登用試験の効率化を目指すなら、ぜひ一度ご相談ください。