導入の背景 |
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導入の決め手 |
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導入後の効果 |
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日経BP社は日本経済新聞グループとして、経営・技術・生活の3分野において、雑誌・書籍の出版事業、デジタル事業、展示会・セミナーなどのイベント事業など、ビジネスパーソン向けの事業を展開している。「日経トップリーダー」は、日経BP社が発行する中堅・中小企業経営者や新たに事業を立ち上げる起業家向けの月刊誌だ。1984年の創刊以来、経営の最前線を取材し、激変する経営環境の中で事業を展開する経営者に必要となる情報を提供してきた。
もともと日経トップリーダーは啓蒙という方向性があり、雑誌の発行以外にも一線で活躍する経営者を講師に招く経営者向けのセミナーを毎月コンスタントに開催している。このような事業展開を通じて、著名な経営者のセミナーの音源、動画が蓄積されていた。音源については1990年代半ばのものからすでにデジタルデータとして残っており、そのなかには堀場製作所の堀場雅夫氏、カシオ計算機の樫尾和雄氏といった名経営者の生前の音源も含まれている。同社ではこの貴重な資産を活用する新たな事業について模索していた。
「すでに亡くなっている経営者の講演は、今となっては新しく作ることはできない貴重なものです。他ではないこのようなコンテンツを中小企業の幹部の育成につなげたいという強い思いがありました」(稲葉氏)。
この貴重な資産を活用するため、新たな事業として注目したのがeラーニングサービスだ。現在中小企業では幹部の育成が大きな問題にな っている。
中小企業の経営者は良くも悪くも一国一城の主であり、自身の素質で社員を牽引するタイプが多い。社長の右腕となる幹部を育成するというところまでなかなか目が向かないのが実情だ。そんな経営者の悩みを解決するべく生まれたのがeラーニングサービス「社員の学び場 GOKUU(ゴクー)」(以下、GOKUU)だ。
京セラを創業した稲盛和夫氏は名経営者として知られるが、まだ経営者になって間もないころは自分と同じ責任感で働く社員がいないことに悩んでいた。自分の毛を抜いて吹きかければ自分の分身が何人も生まれるという孫悟空の逸話を何度も夢見たという。
GOKUUはこの稲盛氏のエピソードにちなんで名付けられた。まさに稲盛氏が思い悩んだ幹部の育成という問題を解決するため、経営の視点から学びの多いコンテンツをオンラインで提供し、経営者の分身を育てていくための学びの場だ。
「日経トップリーダーだからこそできるコンテンツを強みとして、あえて経営幹部向けにこだわりました」(稲葉氏)。
日経BP社がGOKUUのプラットフォームとして選んだのが、株式会社D2C(当時)の提供するクラウド型eラーニングシステム「etudes」だ。 D2C(当時)では日経BP社に3年程前からetudesの提案を続けていた。
「D2C(当時)の担当者さんが日経トップリーダーの読者だったこともあり、中小企業の教育インフラを整えたいという我々の思いにすごく共感してくれました。GOKUUのサービスは社内でも新しい試みで、心強い味方が現れたと思いました。まさに願ってもないプロポーズをD2Cさん(当時)からいただいたということですね」(稲葉氏)。
地道な社内調整とコンテンツ制作を並行して行い、運用開始にこぎつけた。コンテンツの企画やサービスの販促を日経BP社が、システムの運用についてはD2C(当時)が担当し、二人三脚でサービスの運用を進めることになった。
こうしてGOKUUは2018年11月にサービスを開始した。過去の豊富なコンテンツの他に、毎月5本ほど新たなコンテンツが追加され、飽きずに学び続けられる仕掛けになっている。
サービスはまだ始まったばかりだが、利用企業からの評判は上々だ。 「他にはない経営視点のコンテンツには魅力を感じていただいています。利用企業の経営者で別の会社を立ち上げる方がいて、新会社でも利用したいと言ってくれる方もいます。」(稲葉氏)。
経営の視点から社員を育成するために、良質なコンテンツを作り、経営者の分身を育てていくGOKUUの取り組みはこれからも続く。
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